■ナス(茄子/なす)の選び方と保存方法

●選ぶポイント

張りがあり、表面につやがあるものを選んでください。(熊本の赤ナスは除く)

ヘタの部分に棘がありますが、この棘がしっかりと立っている物、触ると痛いような物が新鮮です。

千両ナスの首に色の薄い帯があるもの

 また、ナスは日光にさらされると紫色に着色するのですが、ヘタの脇の部分に色が薄い物や白っぽいものがあります。これは夜に果実が成長し、その部分が日光に十分に当たる前の早朝に収穫されたという証です。日が高くなり、この部分まで着色してしまっているものは果実の温度が高くなった状態で収穫されたもので、収穫後実の水分が蒸発しやすく、傷みも早いと言われているので、首にこういった色がまだついていない部分があるものを選ぶといいです。

もった時にずっしりと重みを感じるものを選びます。軽い物は中がスカスカしていて美味しくないです。

●保存方法

 ナスは暖かい時期に採れる野菜なので、冷蔵庫に入れておくと低温障害を起こしやすく、硬くしまって傷みも早くなります。袋に入れて冷暗所に保存し、なるべく早く使う方が良いです。

■ナス(茄子/なす)の食べ方

●料理のポイント

鶏の白味噌仕立てのクリーム煮 トンダビアンカのサンド

◆水ナスなど、一部を除いて、一般的なナスにはあくがあるので、新鮮なものでも生ではいただけません。また、切った後は黒く変色するので、真水又は塩水に浸けてあく抜きをします。切り口に塩をすり込み、しばらくたってからあくと共に水分を絞る方法もあります。料理によって方法を変えてください。

◆油との相性がいいことはご存知と思いますが、油の吸いすぎに注意。煮物などにする場合も、一度高温でさっと揚げてからのほうが旨みが出る上、色の変化やナスニンの流失も抑えられます。

 使う用途は非常に幅が広く、煮て良し焼いて良し炒めて良し。さらに漬物良し。

●焼きもの類

焼きナス

 「焼きナス」やグラタン、ナスの田楽、鉄板焼きなど

焼きナスと蒸し茄子の作り方はこちら →

●水ナス 水ナスは生でも食べられます。

 生の物を包丁で切り目を入れ、手で裂いたものをもろ味噌を付けて食べるととても美味しいです。

●炒め物類

ナスのソテー

 野菜炒めや麻婆茄子の他、バターやオリーブオイルでさっと炒めるだけでも美味しい。

●煮物類

 ナスのトマト煮やカポナータ(ラダトゥイユ)など。味噌汁の具にもよく合います。カレーにも入れますね。(カレーの場合は、炒めるか揚げたナスを直前に混ぜるだけです)

●揚げ物類

 ナスは天ぷらをはじめ、油との相性がとてもいい野菜なので、色々な揚げ物にも使います。揚げだしナスも美味しいですよね。

ナスの揚げ浸し

●漬け物

 なすの皮に含まれるアントシアンは、アルミニウムや鉄と反応すると色が鮮やかになります。それを利用して、漬物には釘を入れたりするのです。

●変わった食べ方

 高知県安芸市では「焼きナスのアイス」なんていうものもあり、2012年の幕張で行われた「ご当地アイスグランプリ」で「最高金賞」と「優秀仰天力賞」をダブル受賞しました。あなたも作ってみては?

◆会津丸茄子の味噌田楽

 ナスを半分に切り、両面に格子状に隠し包丁を入れて焼き上げたものに、田楽味噌をかけています。

会津丸茄子(あいづまるなす)の味噌田楽

 ナスは切ってからすぐに塩水に浸し、水気をふき取ってごま油を塗ってグリルで両面焼いています。

 田楽味噌は、米味噌に酒、みりん、砂糖、煎りごまをよく混ぜてひと煮立ちさせています。

 丸茄子の食べ方としては王道ですね。会津丸茄子は焼いても果肉がしっかりとしていて水分もあり、田楽味噌とよく合います。

◆会津丸茄子の天ぷら

 会津丸茄子を、同じ会津の在来種である庄右衛門ささぎや、新潟の伝統野菜である神楽南蛮と共に天ぷらにしたもの。

会津丸茄子(あいづまるなす)の天ぷら

 会津丸ナスはややしっかりと時間をかけて揚げても、ふにゃふにゃにならずしっかりとした食感が残ります。写真は縦6等分に串切りにしたものに、ヘタ近くを残して4等分になるように切り込みを入れたものに衣をつけて揚げていますが、4枚が写真のような塊ではなく、完全に4枚に切り分けてそれぞれに衣をつけて揚げても曲がったりせず綺麗に揚がりそうです。

◆会津丸茄子の揚げびたし

 会津丸茄子を縦に4糖分に切ってから、それぞれに切り込みを入れて素揚げし、出汁に浸しています。

会津丸茄子(あいづまるなす)の揚げびたし

 会津丸茄子は皮の色が濃く、また加熱調理しても崩れにくいので見栄えが良いですね。

◆会津丸茄子の麻婆ナス

 会津丸茄子を串切りにして麻婆ナスにしてみました。

会津丸茄子(あいづまるなす)の麻婆ナス

 ここではナスを油通しせず、そのまま炒めてソースを絡めたのですが、ナスの食感が一般的なナスよりもかなりしっかりとしていて、やはり油通しした方が良さそうです。

◆マー坊 ナスと色々な夏野菜の麻婆

 マー坊なすは筒切りしてから縦に半割にし、さっと油通ししておきます。人参と十六ささげは下茹でしておきます。

 ひき肉を刻んだ生姜、ニンニクと共に炒め、豆板醤、甜面醤を加え更に炒めます。そこにマー坊ナス、十六ささげ、ニンジン、パプリカ、神楽南蛮、キクラゲを加えてサッと炒め、酒、中華スープの素を加え、水溶き片栗粉を加えてごま油を垂らして皿に盛り付けます。

ヘビナス マー坊 茄子

 ひき肉はしっかりと焦げ目がつく位炒めますが、野菜類を炒め過ぎないのがポイント。

 マー坊ナスは紫色が綺麗で、それでいて皮が突っ張ることもなくとても柔らかで、トロっとした果肉と食べても皮の存在感は気にならずとても美味しい。

◆マー坊ナスや十六ささげ、神楽南蛮、黄パプリカの野菜炒め

 豚バラ肉とマー坊ナスや十六ささげ、神楽南蛮、黄パプリカなど色々な夏野菜を中華スープの素(創味シャンタン)で炒めたもの。

神楽南蛮の野菜炒め

 マー坊ナスはあらかじめサッと油通ししてから炒め合わせることで色が綺麗に仕上がります。麻婆茄子もお勧めではありますが、シンプルな炒め物でも美味しく食べられます。

◆小森茄子の味噌田楽ステーキ風

 小森茄子を厚めに輪切りにしたものに、両面ごま油をたっぷりと塗ってからグリルで焼き、田楽味噌をかけたもの。

小森茄子(こもりなす)の味噌田楽ステーキ風 信州伝統野菜

 両面しっかりと火が通るように焼き上げても崩れにくいのですが、食べるととても柔らかく、ごま油の香りと味噌がナスの風味を持ち上げてとても美味しいです。

◆小森茄子の揚げびたし

 小森茄子は縦に4等分に切ってから、それぞれに切り込みを入れて素揚げし、熱いうちに出汁、醤油、みりんを合わせたつけ汁に浸します。

小森茄子(こもりなす)の揚げびたし 信州伝統野菜

 出来立ての熱々を食べるのはもちろん美味しいですが、冷たく冷やしても美味しいです。小森茄子は皮が薄く、歯切れがいいのも特徴です。

◆小森茄子とぼたんこしょうの天ぷら

 信州の伝統野菜、小森茄子とぼたんこしょうを天ぷらの盛り合わせにしてみました。

とぼたんこしょうの天ぷら 信州伝統野菜

 小森茄子は果肉がしっかりとしていて揚げやすいのですが、天ぷらにすると外側のサクッとした食感に対し、果肉がふわっとしていてなかなかの美味です。

■ナスを使った料理のレシピ いろいろ

 主な料理レシピサイトのナスを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

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