●京都田辺茄子とは

 京都田辺茄子は京田辺市を中心としたJA京都やましろ管内のナス部会で作られているナスのブランドで、品種は「千両2号」もしくは「とげなし千両2号」が用いられています。

◆京都田辺茄子の来歴

京都田辺茄子 千両2号

 京都府京田辺市では昭和32年に地区の農協が農家 60戸(面積6ha)によるナスの共同販売体制を築いて以来、ナスの産地として知られるようになったそうですが、昭和44年に周辺5つの農協が合併し、ナス部会が発足したのを契機に、ナスの品種を「千両二号」に統一し、「田辺茄子」として市場に出荷してきました。それ以来、「田辺茄子」は現在も「千両二号」です。2007年にはタキイ種苗から「とげなし千両二号」も発売され、現在はこの品種が用いられているようです。

  その後次々に新しい技術を導入するなど、全国トップレベルのナス産地となり「田辺茄子」は田辺町を代表する作物になっていきました。1988(昭和63)年には栽培戸数156戸、約16haにもなっていました。

 ところが、その後生産者の後継者不足や高齢化などから減少していき、1997(平成9)年には115戸、12haとなっています。その頃、各地の農協も合併が進み、この地域の農協も22の農協が1995(平成7)年に合併、京都やましろ農協となり、2013(平成25)年には近隣4市のナス生産者からなるナス部会となり、共同選果場が設置され、「京都田辺茄子」として全国に出荷されるようになりました。

◆京都田辺茄子の特徴

 「京都田辺茄子」の品種は「千両二号」で、タキイ種苗が1964(昭和39)年に開発した長卵形のF1品種です。これの前に開発された「千両」とともに形の良さや薄くて艶のある皮、そして豊産性ということで、瞬く間に関西から東北、北海道まで栽培が広まり、「千両」の登場から60年経った現在もなおナスの代名詞的な品種になっています。

京都田辺茄子 千両2号

 タキイ種苗の品種カタログには以下の通り記載されています。

『-----

  • 「とげなし千両二号」は果実のヘタや茎葉などにトゲがないので作業性の向上が見込め、果皮に傷を付けにくい。
  • 果形は「千両二号」「とげなし千両二号」ともに同等の長卵形で、果ぞろいがよく、夏秋栽培を中心に幅広い作型に適する。
  • 「千両二号」「とげなし千両二号」ともに果色は濃黒紫色でつやがよく、秀品率が高い。
  • 「千両二号」「とげなし千両二号」ともに果皮はやわらかくて品質がよく、調理の幅が広い。

-----』以上、抜粋。

●京都田辺茄子(千両2号)の写真ギャラリー

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撮影機材: CANON EOS R5 , RF28-70mm F2 L USM, RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

ロゴなし元画像サイズ:約4500万画素 8192X5464pix 72dpi RAWデータあり

 各画像をクリックしていただければ拡大画像がご覧いただけます。

< 出 典 >

※ 「「千両二号」誕生55年 「千両二号」と歩んだナス産地」タキイ最前線 2019年春種特集号 p.23-29 タキイ種苗

※ 「 誕生から55年! ナスの代名詞となったタキイ交配「千両」「千両二号」」タキイ最前線WEB タキイ種苗