●海ぶどうの概要と特徴
◆海ぶどうとは
分類: イワズタ目 > イワズタ科 > イワズタ属 > クビレズタ
学名:Caulerpa lentillifera J.Agardh
英名:Sea grape、Green caviar
和名:クビレズタ
別名:海ぶどう、んきゃふ、グリーンキャビア
海ぶどうとはイワズタ科イワズタ属に属する海藻で、正式な名称はクビレズタ(括れ蔦)と言います。沖縄や南西諸島の亜熱帯地方の沿岸の比較的浅い砂底地に生えていて、その姿形がブドウに似ている事から海ブドウと名付けられました。また、グリーンキャビアとも呼ばれています。
沖縄では古くから食用とされてきましたが、近年の沖縄料理ブームなどもあり、天然物は乱獲などのため激減し、市場に流通している物のほとんどは養殖されているものとなっています。
海ぶどうは海藻なので野菜売り場ではなく海産物のコーナーで販売されています。
◆海ぶどうの特徴
海ぶどうは海底にランナーと呼ばれる茎を伸ばし、その茎から海面に向かって垂直に伸びる茎を伸ばします。この垂直に伸びる茎にびっしりと丸い球状の葉?を付け、この部分を主に食用とします。
丸い粒状の葉は透明感のある黄緑色で、魚卵がびっしりと産みつけられているようにも見えます。
枝によっては緑色ではなく無色のツブになっているものもありますが、これは日光に当たっていないために葉緑素が減退したために色が抜けている状態で、光をあてることでまた緑色になってきます。
クビレズタは複雑な形状をしていますが、なんといくつもの細胞からなる植物とは違い、一つの細胞でできているそうです。
不思議な海藻ですが、透明感がありとても美しいと思いませんか。
◆実際に食べてみた海ぶどうの食味
海ぶどうは生のまま食べることができます。食べてみると、茎の部分はコリコリとした食感で、丸い粒々を噛んだ時にプチプチと弾ける感じが伝わってきます。
ほんのり塩味があり、海の香りがします。
●海ぶどうの主な産地と旬
●海ぶどう(海葡萄/ウミブドウ)の主な産地は
◆海ぶどうは沖縄の特産
海ぶどうは養殖もおこなわれるようになり、今ではほとんどが養殖物となっていますが、その産地もやはりほとんどが沖縄県の本島や久米島などです。2018年の時点で沖縄全体の生産量は364トンとなっています。
◆海ぶどうは輸入もされています
海外でも、東南アジアやオセアニアなどで海ぶどうは採れ、養殖も行われています。そう言った物がベトナムやフィリピンなどから輸入されていています。また、沖縄などでの養殖は陸上で、ハウス内にタンクを設置し、その中で育てているのに対し、ベトナムなどでは海中で養殖されているので、天然物に近い状態で質が良いという声もあります。
●海ぶどう(海葡萄/ウミブドウ)の旬は
◆海ブドウの房が充実する季節
流通している海ブドウはほとんどが養殖物なので基本的に通年出荷はされているようです。しかし、房が充実する時期は秋~春にかけてで、夏の暑い時期は海水温が上がり、房が痩せてしまいます。
また、海ブドウの適温は15度から28度位までなので、夏場は流通段階でも気温が高い状態にあるため、良い状態で鮮度を保つ事が難しく、逆に冬は気温が低すぎてやはり海ぶどうがしぼんでしまいます。
◆美味しい海ブドウが食べられる旬の時期
そう言う事から、房が充実し美味しい海ブドウが食べられる旬の時期は春と秋と言う事になります。なんとなく沖縄の食材なので夏のイメージがあったのではありませんか?
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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海ぶどう(沖縄) | ||||||||||||
海ぶどう(本土) |
< 出 典 >
※ 「冬 沖縄海ぶどう(クビレズタ)」全国のプライドフィッシュ 全国漁業協同組合連合会
※ 「高水温期のクビレズタの生長に及ぼす照度の影響(海ブドウ養殖の安定生産技術開発)」沖縄県水産海洋研究センター事業報告書 72号 p.153-155 2011年12月