●タケノコ(筍)の概要と特徴
◆タケノコとは
分類:イネ目 > イネ科 > タケ亜科 > マタケ属やササ属など
英名:bamboo shoot
タケノコとはご存知のとおり竹の芽の部分です。竹にはいくつかの種類がありますが、たけのことはすべての竹の芽の総称として使われています。
竹は意外にもイネ科にあたり、温暖な地域に多く生えています。その種類も多く、70種類ほどあるといわれていますが、食用にされているものは孟宗竹をはじめ、ほんの数種類です。春の味覚を代表する食材ですね。
上の写真は孟宗竹のタケノコです。
●名前の由来
その名前「筍」は一旬(10日間ほど)であの「竹」までに生長してしまうからだそうです。だから、食べられる期間もほんの一瞬、土から出るかで無いかというときだけなので、目が離せません。そんなに成長が早いにもかかわらず、竹の寿命は百年以上とも言われています。不思議ですね。
■タケノコの主な種類
孟宗竹(もうそうちく)
中国江南地方の原産で筍の代表的なものです。大型で厚みがあり、実は白くて柔らかく、えぐみも少ない独特の甘味を含んだ上品な味わいと、歯ごたえがあります。 粘土質の地表にワラ敷き、土を盛って柔らかいタケノコを作る京都のものが有名。
淡竹(はちく)
竹は孟宗竹より細く、粉をふいた淡い緑で大変美しい。筍は一般市場にはあまり出回っていません。
淡竹(ハチク)の下処理、皮の剥き方とアク抜きの茹で方はこちら →
真竹(またけ)
細めの筍で、皮にうぶ毛が無く、黒い斑点がああるのが特徴です。味はしっかりとしていますが、あくや苦みも強いほうです。
根曲がり竹/姫竹/月山竹
東北、北海道など北日本が主な産地です。小型で細い竹。筍も太さ1~2cm程度で、山菜などと同じように売られています。身は白くて独特の風味があり、アクが少なく非常に歯ざわりがいい。
四方竹(シホウチク)
東北、北海道など北日本が主な産地です。小型で細い竹。筍も太さ1~2cm程度で、山菜などと同じように売られています。身は白くて独特の風味があり、アクが少なく非常に歯ざわりがいい。
寒山竹(かんざんちく)
大名竹(大明竹)とも呼ばれ、西南日本に広く分布しています。
緑竹(りょくちく)
台湾辺りが原産と言われるバンブーの一種で、夏が旬という変わったタケノコです。国内では鹿児島県、宮崎県、熊本県で栽培出荷されています。
■タケノコの主な産地と食べ頃の旬
●全国のタケノコ生産量ランキング ベスト10
生産量で見ると福岡が最も沢山生産出荷しています。次いで鹿児島、熊本と九州が全国の約6割以上を賄っているという事になります。暖かく、他の地方よりも早くから出荷されるからでしょうか。
京都も4位に挙がっています。
福岡では北九州の「合馬たけのこ」が有名で、12月中旬頃から出荷が始まります。
●タケノコの収穫時期と食べ頃の旬
収穫時期は地方によってかなり差が出てきます。鹿児島など早い地方では11月頃から収穫が始まるところもあり、九州や四国の「早堀たけのこ」と呼ばれるものはおおむね12月中旬からが本格的に出荷が始まります。
京都あたりでは2月中旬頃から始まります。
モウソウチクが最も美味しく、安く沢山出回る食べ頃の旬は3月から4月です。ハチクやマタケはもう少し遅い4月中旬頃から6月にかけて、ネマガリタケは更に遅く5月中旬頃からが旬となります。
おおむね、春から初夏が旬と言えるでしょう。
それぞれの旬の時期は下記の表をご覧ください。モウソウチクに始まり、ハチク、マタケが追いかけ、後半にネマガリタケ、そして最後にカンザンチクの旬となります。
種類 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||
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孟宗竹(モウソウチク) | ||||||||||||
淡竹(ハチク) | ||||||||||||
真竹(マタケ) | ||||||||||||
根曲がり竹 | ||||||||||||
寒山竹(カンザンチク) | ||||||||||||
種類 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||||||
四方竹(シホウチク) | ||||||||||||
寒竹 |