●小森茄子とは

 小森茄子は長野県の東福寺で明治時代から作られてきた、約250~350gとやや大玉の丸ナスで信州の伝統野菜の一つに認定されています。果皮は薄くて歯切れがよく、果肉はち密で煮崩れしにくいのが特徴。

◆小森茄子の来歴

 小森茄子は長野市の篠ノ井東福寺小森地区で明治時代から作られてきたとされる丸茄子の一種で、昭和10年代から昭和50年代頃には広く栽培されていたそうです。

小森茄子(こもりなす) 信州伝統野菜

 時代の流れとともに種苗メーカーが開発し販売する栽培しやすい新しい品種が普及し、一時はほとんどその姿を見なくなってしまうまでになっていたようですが、2010年に当時東福寺の区長をされていた滝澤知寛氏が「東福寺いいもの探し」を企画し、その中で見つけた小森茄子を「地域の食文化とともに育んできた小森なすを復活させたい」と長年小森なすの苗を育ててきた蔬菜苗農家の久保詔幸氏の協力を得て知人や親せき3、4人で200本の苗を植え育てたのが復活の始まりなのだそうです。その後2017年には風土リンク 「信州東福寺小森なす本舗」を立ち上げ、小森茄子を含む地域の農産物の発掘・発信をされ、2023年の時点では小森茄子の生産者は50人を数えるほどにまでなっています。

 長野県では2007(平成19)年度に信州伝統野菜認定制度が創設され、小森茄子は2015(平成27)年に認定されています。現在信州の伝統野菜に認定されているナスは5品種があり、そのうち丸ナスは小森茄子の他、小布施町の「小布施丸なす」の2種があります。

◆小森茄子の特徴

 小森茄子の果実は1個の重さは約250~350gとやや大玉の丸ナスで、果形は下方が膨らんだ卵型に近い。

 果皮色は黒味が強い紫紺色でやや薄く、果肉は緻密で比較的煮崩れしにくいのが特徴です。

小森茄子(こもりなす)の断面 信州伝統野菜

 撮影した小森茄子は長野県千曲市の宮正ファームさんから購入したもので、1個260~280gほどでした。

●小森茄子の調理のポイントと調理例

◆調理のポイント

 小森茄子は丸茄子で果肉部分が多く、肉質もち密で煮崩れしにくいタイプです。薄くスライスしてもぼろぼろと破れたりしにくいです。

小森茄子(こもりなす)のソテー

 写真は小森茄子をソテーしただけのもの。加熱調理の時間が短いと食感がしっかりと残ります。時間をかけてしっかりと加熱調理すると柔らかくはなりますが形は崩れにくく食感もある程度残ります。

◆小森茄子の味噌田楽ステーキ風

 小森茄子を厚めに輪切りにしたものに、両面ごま油をたっぷりと塗ってからグリルで焼き、田楽味噌をかけたもの。

小森茄子(こもりなす)の味噌田楽ステーキ風 信州伝統野菜

 両面しっかりと火が通るように焼き上げても崩れにくいのですが、食べるととても柔らかく、ごま油の香りと味噌がナスの風味を持ち上げてとても美味しいです。

◆小森茄子の揚げびたし

 小森茄子は縦に4等分に切ってから、それぞれに切り込みを入れて素揚げし、熱いうちに出汁、醤油、みりんを合わせたつけ汁に浸します。

小森茄子(こもりなす)の揚げびたし 信州伝統野菜

 出来立ての熱々を食べるのはもちろん美味しいですが、冷たく冷やしても美味しいです。小森茄子は皮が薄く、歯切れがいいのも特徴です。

◆小森茄子とぼたんこしょうの天ぷら

 信州の伝統野菜、小森茄子とぼたんこしょうを天ぷらの盛り合わせにしてみました。

小森茄子とぼたんこしょうの天ぷら 信州伝統野菜

 小森茄子は果肉がしっかりとしていて揚げやすいのですが、天ぷらにすると外側のサクッとした食感に対し、果肉がふわっとしていてなかなかの美味です。

◆小森茄子の豚バラまき

 串切りにした小森茄子に豚ばらの薄切り肉を巻き、塩胡椒を振って油を敷いたフライパンで全体にしっかりと焼き上げます。仕上げに醤油、酒、みりん、砂糖を合わせたもの(既製品のすき焼きのたれや焼き肉のたれ、めんつゆなどでもOK)を加え、全体によく絡むくらい煮詰めれば出来上がり。

小森茄子(こもりなす)の豚バラまき

 小森茄子はじっくりと時間をかけて火を通しても崩れることはなく、食感もしっかりと残っていてとても美味しく仕上がりました。

◆小森茄子のいりこ煮

 串切りにしてから、皮目に細かく隠し包丁を入れ、油で炒めてからイリコ、出汁、醤油、酒、みりんを加えて、ナスが柔らかくなるまで煮たもの。

小森茄子(こもりなす)のいりこ煮

 いわゆるオランダ煮にイリコが加わったもので、ナスはトロトロではないが柔らかく、味も良く染みて美味しい。

●小森茄子の主な産地と旬

小森茄子(こもりなす) 信州伝統野菜

◆主な産地と生産量

 小森茄子は長野県の篠ノ井東福寺小森地区に伝わる伝統野菜で、現在の産地は篠ノ井の他、松代や千曲市の一部などとなっています。

 主に産地で消費されていますが、産地の直内緒の他、ネットで取り寄せることもできます。

◆小森茄子の収穫時期と旬

 小森茄子の収穫時期は7~9月にかけての夏です。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
小森茄子                        

< 出 典 >

※ 「信州伝統野菜のニューフェイス「小森茄子」」長野県の美味しい食べ方 JA長野

※ 「小森なすの魅力」風土リンクホームページ

※ 「信州の伝統野菜」おいしい信州ふーどネット