大和丸茄子(やまとまるなす):特徴や産地と旬

大和丸茄子(やまとまるなす) 奈良県 伝統野菜

●大和丸なすとは

◆奈良の伝統野菜「大和野菜」

 大和丸なすは奈良県大和郡山市や奈良市などで古くから栽培されてきた在来種で、個々の農家が質が良いものの種を選抜しながら継承されてきた伝統野菜です。2008(平成20)年には奈良県に大和の伝統野菜として「大和野菜」に認定されています。

 大和丸なすは一般的な千両ナスに比べ一個が収穫できるまで育つのに時間がかかるとともに、一株から収穫できる数は5分の1程度と少ないため、出荷量が少なく高級品として扱われています。

大和丸茄子(やまとまるなす) 奈良県 伝統野菜

 奈良県と言えばその隣に京都があり、全国的に知られる「賀茂なす」という似たような丸ナスがありますが、その食感や味わいには違いがあり、市場での混同を避けるため大和丸ナスの果柄を斜めにカットされているそうです。

◆大和丸なすの特徴

 大和丸なすは直径10cmほどの球形で表皮は艶がありヘタの周囲までしっかりと濃い黒紫色に色づいているのが特徴。またヘタには太くて鋭い棘がいくつも付いています。

大和丸茄子(やまとまるなす) 奈良県 伝統野菜

 果肉はち密で空洞はできにくいようです。断面を押すとしっかりとした硬さが感じられます。

●大和丸なすの美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 大和丸なすは果肉に締りがあり加熱調理しても崩れにくく、肉質がち密なので油を使った調理でも油を吸い過ぎません。

 用途としては煮物や天ぷらの他、揚げびたし、焼き田楽などはもちろん、フライや薄くスライスして肉類や魚介などを巻いても美味しいでしょう。

◆大和丸なすとニシンの炊いたん

 京のおばんさいの定番、みがきニシンとともに酒、醤油。みりんで炊き上げたもの。

大和丸なすとニシンの炊いたん

 ナスが煮崩れず、ニシンの出汁を吸ってとても美味しく仕上がります。

●大和丸なすの主な産地と旬

大和丸茄子(やまとまるなす) 奈良県 伝統野菜

◆主な産地と生産量

 大和丸なすの主な産地は奈良県の大和郡山市と奈良市です。

 大和郡山の丸三出荷組合では2017年の時点で12名の生産者が出荷されていると紹介されていました。奈良県全体での出荷量は調べた限りでは分かりませんでしたが、生産者が少なく一株から採れる数も少ないので希少なナスには違いないです。

大和丸茄子(やまとまるなす) 奈良県 伝統野菜

◆大和丸なすの収穫時期と旬

 大和郡山市では丸三出荷組合が中心となり主にハウス栽培が行われ、3月末4月初旬から7月まで出荷されます。一方、奈良市では主に露地栽培が行われ6月頃から10月ごろまでとなっています。

旬のカレンダー
大和丸なす 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ハウス物                        
露地物                        

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