メランツァーネ・ビステッカ:特徴や産地と旬
●メランツァーネ・ビステッカとは
◆トキタ種苗が販売する丸ナスのイタリア品種
「メランツァーネ・ビステッカ」というナスはトキタ種苗がグストイタリアというブランドで種を販売している品種で、イタリアの丸茄子品種を日本の気候風土に合わせて品種改良されたF1品種となっています。
現在、従来のものは販売終了し2020年10月より「メランツァーネ・ビステッカ・スペリオーレ」と名称を改め販売されています。
”メランツァーネ”はイタリア語の『ナス』を意味し、”ビステッカ”はイタリア・トスカーナ州フィレンツェの名物料理”Bistecca alla Fiorentina”(フィレンツェ風Tボーンステーキ)に由来し、”ビステッカ”のように厚切りにしたものをステーキやグリルにすると美味しいナスという意味を込めてつけられているとのことです。
◆メランツァーネ・ビステッカの特徴
メランツァーネ・ビステッカの大きさは果重400gほどが収穫適期とされています。形は綺麗な球形に近く全体に日本の丸ナスに似ていますが、果梗付け根付近から果頂部に向け縦にいく筋か凹んだ筋が入る傾向があるようです。
ヘタの部分は一般的なナスと同じ黒紫色で、海外品種に多い黄緑色ではありません。イタリア・トスカーナの伝統品種「プロスペローザ」に似ています。
撮影したものは和歌山県紀の川市で作られたものを6月下旬に購入しました。
中の果肉はやや緻密で締りがあり硬めで、持つとしっかり重みを感じました。赤道切りした断面は写真の通りです。
●メランツァーネ・ビステッカの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
メランツァーネ・ビステッカはイタリア品種ではありますが、一般的な丸ナスと同じ料理でも美味しく食べることができます。
肉質がしっかりとしており、多少加熱調理しても崩れにくいのですが、それでいて食べてみるととろける食感が楽しめます。また、このナス自体にコクがあって美味しいです。
イタリア品種は皮が厚く硬いものが多い傾向がありますが、このビステッカは皮が薄くて柔らかく、加熱調理するとほとんど違和感なく食べられます。緻密でとろける食感やコクのある味わいは上質の賀茂茄子を思わせます。
◆メランツァーネ・ビステッカのステーキ ひき肉餡かけ
ビステッカを厚めに輪切りにし、両面格子状に隠し包丁を入れてから塩胡椒を振り、オリーブ油で両面焼き上げます。
火が通ったら皿に盛り、ひき肉を生姜のみじん切りと共に炒め、オイスターソースと中華スープ、水溶き片栗粉で仕上げナスの上からたっぷりかける。
餡は麺つゆで和風に仕上げても、コンソメで洋風に仕上げてもいいい。
このナスの食感とひき肉に負けないナスの旨味に感動します。
◆メランツァーネ・ビステッカ
ビステッカをさいの目に切り、潰したニンニクとともにオリーブ油でさっと炒め、あらかじめみじん切りのタマネギを炒めてホールトマト缶を加えて似ておいたトマトソースのベースを加えて煮たもの。
今回はナスだけで作りましたが、ズッキーニなども加えてラダトイユやカポナータにしても良いでしょう。
このナスはこれくらい煮込んでも崩れにくいのがいいところ。出来立ても美味しいですが、冷蔵庫で冷やしても美味しいので、常備菜的にまとめて作ることができます。
◆メランツァーネ・ビステッカとジャガイモのガレット
細切りにしたジャガイモに塩胡椒を振り、もみ込んでからフライパンに広げて両面焼き上げ、ある程度火が通ったら上にチーズをのせ、その上にスライスしたビステッカを敷き詰めるように乗せる。
これを裏返してナスに火が通って焼き色が付くまで焼いたら出来上がり。
ジャガイモとナス、それにチーズが三位一体となってとても美味しいです。切り分けて肉料理の付け合わせに使っても良いでしょう。
●メランツァーネ・ビステッカの栽培と収穫時期
◆メランツァーネ・ビステッカの栽培
トキタ種苗の説明によると、『春まきは加温して発芽育苗する。発芽〜育苗がちょっと難しいので中級。栽培自体は容易。』とのことです。ホームセンターなどで苗が入手できれば手軽に栽培できそうです。
2~3月に種をまけば、6月下旬ごろから夏の間収穫できるようです。
栽培に関する情報はトキタ種苗のホームページをご覧ください。
メランツァーネ・ビステッカ | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
収穫 |
< 出 典 >
※ 「メランツァーネ・ビステッカ・スペリオーレ」 トキタ種苗株式会社ホームページ