馬場茄子:特徴や産地と旬

馬場茄子 ばばなす 泉州水ナス

●馬場茄子とは

◆泉州水ナスの伝統品種、馬場なす

 水ナスと言えば大阪泉州が産地として有名ですが、馬場ナスはその中の現在の貝塚市馬場地区で江戸時代から受け継がれてきた水ナスの一種とされています。

 他の水ナスと同じく、馬場ナスも表皮が薄くとてもデリケートで、葉がこすれただけでも傷がつくほどで、気を遣わずに普通のナスと同じように育てていると収穫するころには表面に細かい傷がいっぱいついていたりするのです。そのため売り物として広まることは無く、その地域の個々の農家が細々と自家採種しながら作り受け継がれてきただけだったのです。

馬場茄子 ばばなす 泉州水ナス

 近年、F1品種が市場を席捲する中、古くから作り続けてこられた伝統品種を見直す動きが活発になり、この馬場ナスも注目されるようになってきました。現在泉州で広く作られている水ナスはもちろんおいしいのですが、それはと違った美味しさとロマンが詰まったナスなのです。

江戸時代初期頃からこの地域特有の水なすが作られ引き継がれてきました。中でも馬場地区で作られてきた水なすは、皮が非常に薄く水分を多く含むため、傷がつきやすく市場にはあまり出回ることがありませんでした。そのためだんだんと作られなくなり、一部の農家だけで栽培されてきました。

◆馬場茄子の特徴

 馬場ナスは一般的な水ナスのようなふっくらとした形ではなく、普通のナスに似た形をしています。また、馬場ナスの中にも写真のものとは少し違った首が細く先が膨らんだタイプもあるようです。

馬場茄子 ばばなす 泉州水ナス

 ヘタ(ガク)には鋭い棘が沢山ついていて、果実の表皮は全体に濃い赤紫ですが、首のところはガクの下から青い部分が覗いているのが特徴です。そして、手に持つと、一般的なナスとは明らかに違いが分かるほどずっしりと重みが感じられます。

馬場茄子 ばばなす 泉州水ナス

 果皮はとても薄く、触った感じがしっとりとしていて傷つきやすそうです。写真のものは傷がほとんどなく、栽培から収穫まで凄く気を使われたであろうことがうかがえます。

 果肉はとても緻密で、水分をたっぷりと含んでおり、皮ごと丸かじりした時の食感は皮の上からでもサクッと歯が入り、ふわふわした感じがなくそれでいて硬さを感じない何とも言えない食感です。食味的には優しい甘さにほんのりナスの香りが鼻から抜けていきとても美味しいです。

●馬場茄子の美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 馬場ナスは生食ができます。また、皮がとても薄く柔らかいので皮ごと切ってサラダ的な食べ方が楽しめます。また、果肉がとても緻密でしっかりとしており、油をあまり吸わないのがいいところ。水分もとても多く含んでいます。

 もちろん、一般的なナスと同じように煮物や揚げ物、炒め物などでも美味しく食べられます。

 水ナスと言えば浅漬けというイメージが強いと思いますが、この馬場ナスで作った浅漬けも抜群に美味しい。

◆馬場茄子の肉巻き

 縦に4つ割にした馬場ナスに豚肉を巻いて焼いたもの。

馬場茄子 ばばなす 泉州水ナス

 馬場ナスはとてもしっかりとしているので肉巻きにして焼いてもふにゃふにゃにならず食べた時もその存在感が強く感じられます。肉の旨味を含みとても美味しく仕上がります。

●馬場茄子の主な産地と旬

◆主な産地と入手先

 馬場ナスの生産地は大阪府貝塚市馬場地区です。生産者は極わずかで、一般の市場にはほぼ出回っていませんが、「彩の谷 たわわ」の直売所で収穫時期には販売されているようです。

彩の谷 たわわ (直売所 いろどりの店)☞ http://www.tawawa.or.jp/

  大阪の目利きの達人母良田ご夫妻が営む八百屋BonnieTone ボニートーンさんは生産者から直接仕入れ、飲食店などに卸されており、一般向けにも中津の店舗で販売されているかもしれません。

 BonnieTone ボニートーン ☞ http://www.bonnietone.net/

◆馬場茄子の収穫時期と旬

 馬場ナスの収穫時期は5月上旬ごろから9月末頃までとなっています。旬の時期は6~8月の夏です。

旬のカレンダー
品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
馬場茄子                        

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