天狗なす:特徴や産地と旬
●天狗なすの概要と特徴
◆天狗なすとは
「天狗なす」は愛知県北設楽郡設楽町津具地区を中心に昭和初期から栽培されてきた在来種で天狗の鼻のような形の突起ができる奇形果ができやすく、この奥三河地方に伝わる天狗伝説にちなんで「天狗なす」と呼ばれるようになりました。
2007年には「あいちの伝統野菜」に認定されています。
◆天狗なすの特徴
「天狗なす」は果実の一部が突起状に出てくる奇形果が発生しやすいのが特徴ですが、これは全ての果実がそうなるわけではなく、多くても10~20本に1本程度だそうです。
本来の果実の形は長卵系ですが、固定種で個体差や種を受け継ぐ生産者によって大きさや形にはバラツキがあり、果実は一般のナスの数倍の大きさになるのですが、300gから大きい物だと1kgほどと幅があります。JAでは400~700gのものを「天狗なす」として出荷しているようです。
果皮色は濃い紫から薄い紫色で、個体によって黄緑の部分が発生します。
果肉はややち密で水分を多く含み、加熱調理すると柔らかくとろっとした食感になるのが特徴です。
◆調理のポイント
「天狗なす」は果肉に水分が多く含まれており、加熱調理することでとろっとした食感になりやすいことから、愛知県のホームページなどでは焼きナスで食べるのが一番美味しいと紹介されています。
もちろん、一般的な茄子と同じように煮物や揚げ物、漬物など色々な料理でも美味しく頂けます。
●天狗なすの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
主な産地は愛知県の奥三河地方で愛知県のホームページによると平成29年の時点で設楽町及び豊根村の約37aで栽培されているそうです。
ただ、このナスは固定種で種苗会社からも種が販売されているので、他の地域でも栽培している農家や家庭菜園で作っている方もいます。
◆天狗なすの収穫時期と旬
「天狗なす」も他のナスと基本的には収穫時期が同じで、7月中旬から10月中旬にかけて収穫出荷されます。
産地が限られているため生産量は少なく、主な名古屋市場や産地の直売所などに出荷され、県内で消費されています。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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品種 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
天狗なす |
< 出 典 >
※ 「天狗なす 北設楽郡特産」愛知県ホームページ