小茄子(こなす):特徴や産地と旬

十市(とおち) 小茄子 子なす

●小茄子(こなす)とは

◆小さなナスの総称

 小なすとは文字通り小さなナスを指す総称で、長さ8cmほどまで、重さ30gほどまでのものをいいます。その中にも、丸小茄子と呼ばれる丸ナス系と卵型のタイプがあります。

 品種も地方によってさまざまで、その土地に合った品種が受け継がれ、またそこで新しい品種も登場しています。

 ここではそうした産地によって特徴のある主な小なすを紹介します。

●小茄子(こなす)の主な産地と品種

◆民田ナス(山形県)

 山形県鶴岡市民田地域で古くから作られてきたナスで、江戸時代に京都の宮大工が持ち込んだのが定着したと考えられています。

 果実は小丸ナスタイプの卵型で、果皮が堅く果肉にしまりがあり、様々な漬物に適した小なすとして受け継がれてきたものです。

◆薄皮丸小なす(山形県)

 山形県置賜(おきたま)地域一円で古くから栽培されてきた、一口大で収穫される丸ナスです。

 由来は南陽市の沖田与太郎氏が昭和20年代に新潟の行商人から入手した種から選抜したと伝えられています。

 その名称通り、皮が薄く丸いナスで、浅漬けなどにした時の食感が良いのが特徴とされますが、在来種であり、収量は多くはないようです。

◆梵天丸茄子

 昭和60年頃、米沢市の農協が中心となって当地の在来種「窪田茄子」と「仙台長茄子」を交配させて生まれた品種とされ、「窪田茄子」の食感の良さと「仙台長茄子」の着色の良さを受け継いだものとなっています。

 名称は伊達政宗が米沢に住んでいた幼少期の名前「梵天丸」に因んでいます。

出羽小ナス

 山形県農業試験場が「窪田茄子」と「民田茄子」をそれぞれ両親とする交雑採種から選抜育成したもので、収量や着色性を高めた改良品種となっています。

 1961(昭和36)年に命名され普及が始まったとされています。

◆もぎなす

 「京の伝統野菜」に認定されている小茄子です。

 京都市の聖護院地区で慶応年間(1865年〜1868年)から1868(明治元)年頃に在来種から発生した交雑種の中から選抜育成された早生で草丈の低い系統で、促成栽培用品種として定着したのが始まりとされています。

 現在は左京区一条寺の2軒の農家で保存のために栽培採種されているだけのようです。

◆その他の小なす

 「旬の食材百科」で写真と共に紹介している小茄子です。

●小なすの美味しい食べ方と料理

十市(とおち) 小茄子 子なす

◆調理のポイント

 一般的に小なすは浅漬けやからし漬けなど様々な漬物にされることが多いです。しかし、それ以外でも色々な料理で美味しく、あた、可愛い見た目で楽しむことができます。

 小なすは乾燥しやすいので、保存する場合は一つ一つラップでくるむなどして冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。温度が低すぎると低温障害を起こし早く傷んでしまうので注意が必要です。

◆小なすの浅漬け

 最も一般的で、家庭でも簡単に作れるのが浅漬けです。既製品の浅漬けのものとで漬けるのが手っ取り早いですが、塩でしっかりと漬けるとナス本来の風味が活きた味わいに仕上がります。

十市(とおち) 小茄子 子なす

◆小なすの炒め物

 小なすを色々な野菜と共に炒め物にしてもしっかりとした食感があって美味しいです。

十市(とおち) 小茄子 子なす

 パプリカやズッキーニなど彩の良い夏野菜と共に炒めると見た目も綺麗ですね。

◆小なすの天ぷら

 料理屋さんでよく見かける小なすの天ぷらも美味しいですね。小なすに細かく切り込みを入れ、扇状に裾を広げて衣をつけて揚げます。

◆小なすを使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトの小なすを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

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