カボチャ・南瓜・かぼちゃ:概要や種類、産地と旬

色々なかぼちゃ(南瓜)

●カボチャ(南瓜)の概要と特徴

◆カボチャ(南瓜)とは

分類: ウリ目 > ウリ科 > カボチャ連 > カボチャ属

学名:Cucurbita L.

英名:Squash(Pumpkin)

仏名:Potiron

和名:かぼちゃ/南瓜

別名:南京(なんきん)

 かぼちゃ(南瓜)はウリ科カボチャ属の蔓性植物になる果菜の総称です。日本に今の「日本かぼちゃ」が入ってきたのは、戦国時代、徳川家康が生まれたとされる1542年(天文11年)にポルトガル人が種子島に漂着した際、鉄砲と共にカンボジアから持ち込まれた物が伝わったとされています。「カボチャ」の名前は、その「カンボジア」が訛ったものとする説が有力と言われてもいます。

 世界中で栽培されており、品種は非常に非常に沢山あります。このうち、現在日本で栽培されているものは大きく分けて日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類があります。

●日本かぼちゃ(東洋カボチャ)

会津小菊南瓜

 水分が多く、粘質でどちらかと言えば甘味が少なく滋味に満ちていますが、今ではあまり作られなくなってきています。見た目では上から見ると菊のように見える溝が入っているものやごつごつとこぶがあるものが多く、代表的なものには「小菊南瓜」「黒皮南瓜」「鹿ケ谷(ししがたに)南瓜「鶴首かぼちゃ」などがあります。 また、一見西洋カボチャのようなイメージがある「バターナッツ」も実は日本カボチャの仲間になります。

●西洋かぼちゃ

西洋かぼちゃ

 大体のものは甘味が強く粉質で、加熱するとホクホクした食感をしています。この甘味と食感が多くの女性のハートを掴み、昭和40年代頃から一気に広まりました。主なものには「えびす南瓜」「みやこ」などの黒皮栗南瓜や「赤皮栗」などがあります。

 北海道の「雪化粧」や「白爵」など白皮栗カボチャもこの部類に入ります。変わった形の物では、「宿儺かぼちゃ」などの長南瓜があります。

●ペポかぼちゃ

丸ズッキーニ

 比較的淡白な味で、金糸瓜」(そうめんかぼちゃなど変わったものもあります。また、別の項で取り上げていますがズッキーニも実はこの部類に入ります。若採りをするタイプです。このカボチャのページでは取り上げず、「金糸瓜」「ズッキーニ」などのページで紹介します。

●栗南瓜が主流

ロロンかぼちゃ

 昔は多かった日本南瓜も甘くて栗のような食感をしている西洋種に押され、今ではかなり出荷量が減ったようです。食文化が、和食系から洋食系へと変わっていく中で、自然に洋食に向いている南瓜が受け入れられていったのでしょう。しかし、近頃は伝統野菜や在来種を見直す動きもあるようなので、日本南瓜も洋中料理においてもおいしい料理法が提案できればひとつの話題にはなると思います。

プッチーニ かぼちゃ

 最近ではイタリアの品種プッチーニやポタージュに向いているバターナッツなども人気があります。

■カボチャの産地

●全国の南瓜の収穫量ランキング

全国の南瓜の収穫量

 カボチャは北海道から沖縄に至るまで、日本全国で作られています。

 2021(令和3)年産の収穫量を見ると、圧倒的に北海道が多く、全国の約47%を生産しています。

 それに続き鹿児島や長野、茨城、長崎となっています。

●各地の伝統野菜やブランドカボチャ

京の伝と野菜「鹿ケ谷南瓜」と金沢の伝統野菜「打木赤皮栗南瓜」

 宮崎の小菊カボチャや黒皮カボチャは有名ですね。その他にも、京都の伝統野菜に「鹿ケ谷カボチャ」があります。また、金沢の伝統野菜では「打木赤皮栗かぼちゃ」、熊本の肥後野菜には「春日ぼうぶら」があります。他にも、最近岐阜県高山市で伝統野菜として取り上げられていた「宿儺かぼちゃ」などもあります。

 北海道も日本一の生産量を誇るだけに、各地でブランド化がすすめられているようです。

■カボチャ(南瓜/かぼちゃ)の収穫時期と旬の時期

●旬は秋から冬

 カボチャが収穫されるのは夏から初秋にかけてです。ペポかぼちゃのように収穫してすぐにおいしく食べられるものと、3ヶ月前後ねかせて甘みを引き出してからのほうがおいしいものとがあります。

 一般的なかぼちゃは貯蔵性が高く、もともと日本では野菜が少なくなる冬に食べることが多かったようです。収穫時はでんぷんが多く甘味が少ない上、水分も多いですが、貯蔵することにより時間と共に熟成し、デンプンが糖分に変わり甘味となります。こうしたことから特に西洋カボチャはヘタの部分がコルク状乾いてひびが入っている位のものが美味しいと言われる所以です。

  • 一般的な南瓜・・・7~8月に収穫され、2~3ヶ月貯蔵した頃が水分が抜けて美味しい食べ頃となります。
  • 黒皮南瓜・・・10~1月

 一般的な南瓜は貯蔵性が非常に高いことと、輸入物が安定して市場に入ってくるので、通年おいしいものが入手できます。輸入物は2月から5月頃は主にニュージーランドなどから、12月頃から2月頃と5・6月にはメキシコ産などが入ってきます。

●旬カレンダー

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
南瓜                        
南瓜(輸入)
日向南瓜 ハウス栽培 露地抑制栽培