●ハタケシメジの選び方と保存方法
◆選ぶ時のポイント
ハタケシメジも基本はブナシメジと同じです。カサに張りと丸みがあり、開きすぎていない物、柄が適度に太くしっかりとしていて株の根もとにもしっかりと弾力があり、一株にまとまっているものを選びます。古くなるにつれ全体に柔らかくなり、傘が割れやすく、柄もフカフカした感じになってきます。
また、キノコ類は水気を嫌うので、パックの中が蒸れて結露しているものは避けた方が良いでしょう。
◆保存方法
キノコ類は水気を嫌うので濡れないように気をつけつつ、乾燥しないように袋に入れ、冷蔵庫に入れ3日~4日までに使い切りましょう。買ってきたパックのまま冷蔵庫に入れると急激に温度が下がるため中が結露しやすいので、パックからキノコを取り出し、キッチンペーパーなどにくるんでから袋などに入れて冷蔵します。
また、キノコをザル等に広げ、1日くらい天日干ししてから同じように冷蔵しておくと、より日持ちが良くなり旨味も増えます。
◆冷凍保存もできます
沢山あり使い切れない場合は冷凍保存する事も出来ます。その場合は、石づきを切り落として使いたい房の大きさにほぐし、保存袋などに入れて冷凍します。使う際は必要な分だけ取り出し、凍ったまま調理しても大丈夫です。
●ハタケシメジの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
ブナシメジなどと同じ食べ方で楽しめます。ブナシメジとは違ったシャキシャキした食感が持ち味で、風味もブナシメジよりホンシメジに近いです。
丹波しめじの商品説明では、『特に油やクリームとの相性がよく、天ぷら、野菜炒め、カレー、シチュー、グラタンをはじめ様々な料理に』と紹介されています。
◆主な料理
鍋や味噌汁などの汁物や煮物、適度な細さに切ってさっと茹で、おひたしやあえ物に、色々なキノコや野菜と炒め物にも使えます。
太いので素焼きにして食べても美味しい。その他天ぷらなどの揚げ物にも使えます。
◆ホンシメジやブナシメジ、シイタケなどのキノコをソテーする場合のポイント
フライパンを十分に熱したところに入れる事と、むやみに触ったり煽ったりせず、中火でキノコがフライパンと接している部分がきつね色になるまで我慢する事です。触り過ぎたり煽ったりすると温度が上がりきらずキノコから水分が出てきてカラッと仕上がりません。
◆ハタケシメジを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトのハタケシメジを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
クックパッド | レシピブログ | 楽天レシピ |
●ハタケシメジに含まれる主な有効成分とその働き
◆高分子多糖類のβ-1,3グルカンおよびβ-1,6グルカンによる免疫賦活及び抗腫瘍作用
ハタケシメジから抽出された多糖類のうち、高分子多糖体のβ-1,3グルカンおよびβ-1,6グルカンがマウスの実験により高い腫瘍抑制率があることが分かっています。このことから、人に対しての抗がん効果も期待されています。
◆血圧降下作用
ハタケシメジ子実体の抽出物にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)のはたらきを阻害するはたらきがあることから、血圧の上昇を防ぐ効果が期待されています。
◆脂質異常症の改善・免疫調節作用
ハタケシメジ顆粒を飲食することにより、善玉コレステロールは 増加し、中性脂肪、β─リポタンパク、総コレステロールおよび悪玉 コレステロールは減少することが確認されています。また、ハタケシメジ 顆粒は、ナチュナルキラー細胞(NK細胞)を増多しつつ、自己免疫性疾患によって産生されるインターロイキン(IL)─1βやIL─6などはハタケシメジの飲食によって産生抑制されることも確認されており、ヒトに対しての免疫調節作用を持つことがわかっています。
◆抗糖尿病機能
ハタケシメジの水抽出物を経口投与することにより、糖尿病モデルマウスの血糖値ならびに血清インスリンの濃度が低下することが報告されていることから、人に対しても糖尿病の改善効果が期待されています。
●日本食品標準成分表2020年版(八訂)でみるハタケシメジの栄養成分量
◆ハタケシメジの可食部100gあたりの成分
下の表に含まれる成分の量を載せています。それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。
状態 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 飽和脂肪酸 | 不飽和脂肪酸 | コレステロール | 食物繊維 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単位 | kcal | g | g | g | g | g | g | g | mg | g |
生 | 25 | 92.0 | 2.6 | 0.3 | 4.5 | 0.7 | - | - | (0) | 2.7 |
ゆで | 25 | 91.3 | 2.6 | 0.3 | 5.1 | 0.6 | - | - | (0) | 4.6 |
ビタミン | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
状態 | カロテン | E | K | B1 | B2 | ナイアシン | B6 | 葉酸 | パントテン酸 | C |
単位 | μg | mg | μg | mg | mg | mg | mg | μg | mg | mg |
生 | (0) | (0) | (0) | 0.12 | 0.44 | 5.3 | 0.11 | 20 | 2.08 | 0 |
ゆで | (0) | (0) | (0) | 0.08 | 0.28 | 3.6 | 0.07 | 6 | 1.53 | 0 |
無機質(mg) |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
状態 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
生 | 4 | 260 | 1 | 8 | 64 | 0.6 |
ゆで | 3 | 200 | 1 | 8 | 61 | 0.5 |
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より |
< 出 典 >
※ 「森林からの天然物を利用した製品の開発(5) ハタケシメジ顆粒 江口文陽」新・実学ジャーナル 9月号(2014年9月発行)
※ 「はたけしめじのはたらき」日本特用林産振興会