里芋(さといも)の選び方と保存方法や調理方法

サトイモ ウーハン

 サトイモ(里芋/さといも)の選び方と保存方法、下ごしらえや冷凍方法、そして調理のポイントと美味しい食べ方や料理、レシピサイトへのリンクを紹介します。

■里芋(さといも)の選び方や保存方法

●良い状態のサトイモの選び方

さといも(里芋/サトイモ)の選び方

 里芋はふっくらと丸みがあり、表面に傷が無いものを選びます。持った時にずっしりと重みを感じるものが良いです。逆に軽い物や柔らかくなっているものは避けてください。古い物はカビ臭くなる事が多いので、臭いもチェック。

●サトイモの保存方法

 サトイモは冷蔵庫には入れないでください。暖かいところで採れるものなので、5℃以下の冷蔵庫に入れると低温障害を起こし早く痛みやすくなります。また、土を洗い落としてしまうと乾燥して品質の低下が早まるので、土がついたまま新聞紙などに包み、風通しの良い冷暗所においておきます。また、傷が付いているものはそこから傷んできます。早く使うようにしましょう。貯蔵に適した温度は6~12℃だそうです。

■里芋(さといも)の下ごしらえ

●皮むき

 皮を剥くときは、一度よく水洗いをして乾かしたものをナイフでむきます。ぬれたままだとぬめりがあるため非常に剥きにくくなります。

二子さといも サトイモの皮の剥き方

 表面がしっかりと乾いた状態にすることが大切です。

 まずサトイモの上下を切り落とします。


二子さといも サトイモの皮の剥き方

 両側を切り落とすとこんな感じ。


二子さといも サトイモの皮の剥き方

 次に上から下に向けて皮をむいていきます。皮が乾いているとヌルヌルとい滑ることもなく剥きやすいです。

 リンゴの皮をむくときのように剥いても構いません。


 皮を剥いたイモはそのままにしておくと茶色く変色しやすいので、すぐに薄い酢水に数分浸けてから冷水に浸けておきます。

皮をむいたサトイモ

●あく抜き

 煮物にする場合は、皮をむいてから塩でぬめりをすり落としてから、米のとぎ汁に少量の酢を加えた茹で水で下茹でした物を使います。そうすることで、エグミを取り除き、芋は白く、澄んだ出汁またはスープに仕上げることができます。

●面取り

 和食では六方剥きという皮の剥き方をしますが、面取りのようなもので、煮崩れしにくくなる上、見た目が美しいので、洋食でも取り入れたいですね。

●茹でるか電子レンジにかけて皮を剥く方法

 サトイモを皮付きのまま茹でるか電子レンジにかけてから皮をむく方法もあります。

サトイモは茹でる前に切り込みを入れておく

 まずサトイモの赤道辺りに一周包丁で皮に切り込みを入れておきます。


 茹でる場合は、イモが十分に浸るくらい水を張り火にかけ、沸騰してから10~15分ほど(大きさによって加減)、串を刺した時にスーッと芯まで刺さるくらいに成ったらザルに揚げます。

 電子レンジを使う場合は、サトイモをサッと水に濡らし、耐熱皿に並べてラップをかぶせ、600Wなら4~5分程度かけます。

 すると、サトイモの皮は切り込みを入れたところからつるっと剥けます。

 いずれの場合も、完全に冷めてしまうと剥きにくくなるので、なるべく熱いうちに剥いてしまいましょう。

皮ごと茹でてから皮をむいたサトイモ

 この方法で剥くと、サトイモの栄養成分の流失が少ないメリットがある一方、イモのぬめりがそのまま残った状態になるので、好きな方にとっては良いのですが、既に火が通った状態なので、煮物や炒め物などには向きません。

 衣をつけて揚げる料理や、潰して使う料理に向いています。


■里芋(さといも)は冷凍保存出来る!?

 サトイモは下拵えが結構面倒ですよね。そんな時、まとめて下処理して冷凍しておけば使いたい時すぐに使えて便利です。

 方法は3通りあります。

1.生のまま冷凍する方法

里芋をよく洗ってから半日ほど天日干しし(こうする事で皮が抜きやすくなります)、皮を剥いて軽く塩をまぶしてヌメリやアクを落としてさっと水洗いし、ザルにあげて水気をしっかりと切ってから、そのまま広げて冷凍する方法。使う時は凍ったまま煮物などに使います。比較的ホクホクに仕上がります。

2.皮を剥いて茹でてから冷凍する方法

1の手順で皮を剥き、鍋に入れて、里芋がしっかりと浸かるくらい水を入れ火にかけます。「アク抜き」を参考にしていただき、茹でますが、半茹で程度で火を止めます。茹でている時に、アクがどんどん出てきますが、それをすくい取りながらあまり出なくなった程度でザルにあげ、さっと流水にさらし荒熱をとります。それを広げて冷凍します。

3.茹でてから皮を剥いて冷凍する方法

最も手間がかからない方法でもあります。里芋を半茹で位に茹でてザルにあげ、さっと流水にさらしてから皮を剥きます。加熱される事で皮が手でツルと剥けるようになります。電子レンジで加熱しても良いでしょう。そうやって皮を剥いたものを広げて冷凍します。ただし、この方法では十分にアクが抜けないので、繊細な料理には向きません。

■サトイモ(里芋/さといも)を使った料理レシピ

◆石川早生のきぬかつぎ

石川早生のきぬかつぎ

 石川早生の小さく丸いコロンとした芋を皮付きのまま蒸しあげ、塩を振ってから皮をむいて食べるシンプルな料理。

 写真は皮を剥いて器に盛り付けていますが、蒸しあがった芋の皮をむきながら食べるのもいいものです。

◆頭芋(唐芋の親芋)と鶏肉、こんにゃくの煮物

 頭芋は大きいので、皮をむいてやや厚めに切ってから鶏肉やこんにゃくと共に鍋に入れ、出汁、醤油、みりんで煮ます。

 鶏肉や芋に十分に火が通り、味が染みたら出来上がり。あまり長時間煮込む必要はありません。

◆サトイモ(二子さといも)の真薯(しんじょ)風

 サトイモを茹でて潰し、その中に炒めた海老と枝豆を詰めてまんじゅう状にしたものを揚げたものに中華風の餡をかけたもの。

サトイモ(二子さといも)の真薯(しんじょ)風

 二子さといもは粘りが強く、潰すだけでもち状になり、片栗粉などの繋ぎは必要ありません。

サトイモ(二子さといも)の真薯(しんじょ)風

 柔らかくもっちりとした里芋の食感にプリッとした海老や枝豆の食感がアクセントになりとても美味しいです。

◆サトイモ(二子さといも)のチップス

 サトイモの皮をむき、手が滑らないように片栗粉をまぶしておき、油を火にかけ、160~170℃にする。その中に里芋をスライサーを使ってスライスしながら鍋に入れていき、カラッとなるまで揚げ、塩を振ります。

サトイモ(二子さといも)のチップス

 ジャガイモのチップスとは少し食感が違って、これはこれで美味しいです。

◆サトイモのガレット

 サトイモを細切りにし、塩胡椒を加えて油を敷いたフライパンに丸く広げ、パルメザンチーズを振って両面今針と焼き上げたもの。

サトイモのガレット

表面はカリッと中はもっちりと焼きあがりとても美味しいです。

◆サトイモの豚汁

 豚汁にサトイモを使っても美味しいですよね。

サトイモの料理 豚汁

◆サトイモの煮っころがし

 サトイモと言えば煮っころがしと言えるほど王道の料理です。

サトイモの煮っころがし 料理

 甘辛く濃いめに煮付けるのが好きな方もいれば、薄味であっさりと煮るのが好きな人もいて、これは家庭ごとに味付けが違うのでは無いでしょうか。写真はあっさりと煮ていますが、砂糖とみりんをしっかりと入れて照りが出るように煮付けても美味しいですね。

◆サトイモ(二子さといも)とベーコンのソテー

 サトイモの皮をむき、やや厚めに切って、枝豆やベーコンと共にニンニクとローズマリーを効かせながらオリーブ油でソテーしたもの。

サトイモ(二子さといも)とベーコンのソテー

 いわゆるジャーマンポテトのサトイモ版です。ジャガイモのようなホクホク感はありませんが、これはこれで十分アリで美味しいです。

◆京いものおでん

京いも/たけのこ芋のおでん

 京いもは煮ても煮崩れしにくく、ほっくりとした食感に仕上がります。

 色々な煮物に使えますが、おでんはまさにぴったりの料理です。味もよく染みてとても美味しいですよ。

◆京いものバターソテー

京いも/たけのこ芋のバターソテー

 京いもは縦長の円筒形で、皮がむきやすく、輪切りにすると同じ大きさの物がたくさん作れます。

 それをシンプルにバターでソテーするだけでも世手も美味しいです。

 ジャガイモのホクホク感とはまた違いますが、ホクっとした食感で、色々な肉料理や魚料理によく合います。

◆京いもの天ぷら

京いも/たけのこ芋

 皮をむいてスライスした京いもに衣をつけて天ぷらにしたものです。

 天ぷら以外にも、パン粉をまぶしてフライにしても美味しいです。

◆甚五右ヱ門芋の芋汁 芋煮

 森の家のもう一つのお勧めは「芋煮」だったので、作ってみました。甚五右ヱ門芋は表面の皮を刃先でこするように落としてから食べやすい大きさに切っています。

甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)の芋汁 芋煮

 鍋に甚五右ヱ門芋と人参、手でちぎったこんにゃくをいれ、水を張り、白出汁と醤油を加えて火にかけます。

 沸騰したら弱火にし、マイタケと牛肉を加えさらに煮ます。途中アクをすくいながら、芋に串がすっと通るまで煮たらネギを加えてもうひと煮立ちさせて出来上がり。

 これがまた絶品。この甚五右ヱ門芋の食感ときたらもうたまりません。芋煮ってこんなに旨かったんだ!と感動してしまいました。やはりポイントは豚や鶏ではなく、牛肉を使う事ですね。

◆甚五右ヱ門芋の炊き込みご飯

 甚五右ヱ門芋とごぼう、人参、しいたけ、それに鶏肉で炊き込みご飯にしてみました。

甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)の炊き込みご飯

 芋は食べやすいように1cm足らずの輪切りにして、ご飯と一緒に炊き上げていますが、写真のように煮崩れるようなことはなく、切った形そのままです。

 でも食べてみると柔らかい餅のような感じでした。サトイモの炊き込みご飯は人生で初でしたが、これまたとても美味しいご飯になりました。

◆甚五右ヱ門芋のロースト

 洋風の料理にもということで、甚五右ヱ門芋をフライパンでローストしてみました。

 フライパンにニンニクとオリーブオイルをいれ、香が立つまで加熱し、そこに皮をむいた芋を加え、転がすように軽く炒め、蓋をして弱火でじっくりと焼きます。

 途中何度か蓋を開けて焼き色がまんべんなく付くように転がしながら、芋に串がスッととおるまで焼き上げます。

 仕上げにパセリのみじん切りとバターを加え、全体に絡めて出来上がり。

甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)のロースト

 味付けは今回塩胡椒だけで作りましたが、お好みで醤油を垂らしても美味しいですよ。もちっとした食感で、これはこれでとても美味しいです。

◆甚五右ヱ門芋と鶏肉、牛蒡の炊いたん 煮物

 甚五右ヱ門芋とごぼうを鶏肉と共に煮たもの。このイモはとても柔らかく煮あがるのに、不思議なくらい煮崩れしません。切った角も写真のように全く崩れず、角が立ったままです。

甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)と鶏肉、牛蒡の炊いたん 煮物

 何でもないこんな一品でもご飯が幸せに感じられます。

◆主なレシピサイトの里芋料理のページリンク

 主な料理レシピサイトのサトイモを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド E・recipes キッコーマン
ホームクッキング
レシピブログ 楽天レシピ