●烏播(ウーハン)とは

◆台湾から導入された黒軸系のサトイモの品種

里芋 葛城烏播(ウーハン)

 烏播(ウーハン)は1940(昭和15)年に『奈良県農事試験場(現農業研究開発センター)の鈴木栄次郎らによって台湾から導入された黒軸系のサトイモの品種。』だそうです。

 耐乾性が強く、かつては奈良県の奨励品種に指定され、山間部で広く作られ市場にもでまわっていたようです。ところが、その後早生品種が中心になり晩生種のウーハンは影をひそめ、一時は各農家が自家用に細々と作り続けるだけとなり、市場からはほとんど消えてしまっていました。

 近年の伝統野菜を見直そうという流れの中で、食味の良さからこの烏播(ウーハン)も息を吹き返し、現在では直売所などで販売されるようになっています。

◆烏播(ウーハン)の特徴

里芋 葛城烏播(ウーハン)

 子芋の状態では外見的に他の里芋との大きな差異は感じられません。なんといっても、この里芋の特徴はその食味にあります。

 肉質が柔らかく、ねっとり感が他の品種に比べ強いことです。

◆適した料理

 主に煮物に向いています。ねっとりとしたきめ細やかな舌触りが楽しめます。

 粘りを活かし、もち米と一緒に蒸してつき、かき餅にするのもおすすめ。

●主な産地と旬

◆烏播(ウーハン)の主な産地と生産量

 主に奈良県で作られてきた里芋ですが、他の地方でも作られているようです。生産量自体は非常に少なく、産地の直売所などで販売されているくらいで、一般市場にはほとんど出回っていません。

◆収穫時期と旬

 烏播(ウーハン)は晩生で、収穫は10月初旬頃からとなります。

品種 9月 10月 11月 12月
烏播(ウーハン)