●八つ頭 または 八頭(やつがしら)とは

 八ツ頭(やつがしら)は子芋が分球しないため、親子もろともひとつの塊になるタイプです。その姿が、頭が八つ固まっているように見えることからヤツガシラと名づけられ、「八頭」や「八つ頭」と書かれます。肉質は粉質でほくほくした食感の里芋です。おせち料理向けに年末一気に出荷されます。

◆関東のおせち料理で定番

八ツ頭・八頭・やつがしら

 ヤツガシラは流通している量が少なく、里芋としては高価で、末広がりの「八」と、子孫繁栄や人の「頭」になるようにという縁起物として煮しめなどのおせち料理によく使われます。

◆ヤツガシラの特徴

 ヤツガシラは子イモがほとんど分球せず固まりになってしまうので、全体に入り組んだ形をしています。そのため、皮を剥くのがとても面倒なサトイモです。ごく僅かに分球した子イモ(孫イモ)ができ、それは「八つ子」と呼ばれています。下の写真のものは、真ん中の塊が顔(頭)のように見えますね。

 大きさは幅(直径)10~15cmほどのものが多いですが、産地や栽培環境などによって差があり、7cmほどの小さなものから大きいものでは30cm近い物もあります。

八ツ頭・八頭・やつがしら

 肉質がしっかりしていて煮ると粘りが少なくほくほくした食感が楽しめ、とても美味しいです。栄養成分も一般的なサトイモに比べ沢山含まれています。

八ツ頭・八頭・やつがしらの断面

●八つ頭 または 八頭(やつがしら)の産地と旬

八ツ頭・八頭・やつがしら

◆ヤツガシラの主な産地

 ヤツガシラは千葉県や茨城県など主に関東を中心に作られているサトイモです。関西では海老芋などの親芋が「頭芋」として御節料理に使われる事が多いです。

◆むきやすい、まん丸「八つ頭」デビュー

 2002年、さいたま市内の見沼田んぼ近くで突然変異の丸い「ヤツガシラ」が発見され、埼玉県農林総合研究センター園芸研究所が「形が丸い系統のイモ」の選抜に取り組み、開発に成功。2012年から販売が始まった。丸いことで、皮むき作業が短時間で行うことができ、ぬめり感も少ない。甘みが強く、クリに近いホクホクとした食感が特徴との事。

◆正月のおせち需要がピーク

 八つ頭(やつがしら)はおせち料理向けに年末一気に出荷されます。ただ、その時期は価格も高く、手軽に味わうという意味では正月明けに、価格が下がったものを入手するといいでしょう。旬の時期は12月中旬からはじまり、寒い春前までです。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
八つ頭                        

●八つ頭 または 八頭(やつがしら)の食べ方

◆調理のポイント

 八つ頭は他のサトイモほどぬめりがなく、比較的調理しやすいサトイモです。加熱するとホクホクとした食感が楽しめます。おせちの煮物に使われるのが一般的ですが、揚げ物もお勧め。

◆八つ頭(やつがしら)を使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトの八つ頭(やつがしら)を使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

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