●ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェとは

 ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェは日本ではフィレンツェなすとも呼ばれ、イタリアを代表するナスの伝統品種である。風味の良さからヨーロッパでは「世界で一番おいしいナス」と評されてきた品種である。

◆ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの来歴

 ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェはイタリア・トスカーナ地方のフィレンツェで16世紀(1500年代)後半から栽培されてきたとされ、地中海の食文化とともにその美味しさはヨーロッパ中に広まり、外見や風味の良さから「世界で一番おいしいナス」と評され現在も非常に人気が高い品種である。

 フィレンツェの農家が代々選抜しながら種子を受け継いできた伝統品種である。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ(Violetta di Firenze)
手に乗せたヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ

◆ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの特徴

 ナスの大きさは直径12~15cmの卵型で、縦に幾筋か条溝が出やすい。表皮の色はs乳白の地色にトスカーナパープルと呼ばれる紫色に着色し、ヘタとの境目にできるグラデーションが美しい。

 中の肉色は白で、種子は少ない。肉質はやや硬めで、水分が少なく締りがあるが、油分と共に加熱調理することでトロッとした食感になり、旨味が引き立ちクリーミーな味わいとなる。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの外観と縦半分に切った断面
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの外観と縦半分に切った断面

 本場イタリアでは6月から8月にかけて個々の家庭でもこのナスを使った家庭料理が作られている。特にパルミジャーナ ディ メランザーネがよく知られている。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ(Violetta di Firenze)

●実際に食べてみたヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの食味

 撮影したヴィオレッタ・ディ・フィレンツェは2個でいずれも滋賀県近江八幡の2軒の生産者が作ったものです。

 いずれもフィレンツェなすらしい形で、縦に数本の条溝が入っています。大きさは300~340gほどで、艶のある美しい紫色でした。

 今回はシンプルなジェノベーゼと、フィレンツェでは定番のパルミジャーナ ディ メランザーネを作ってみました。

◆ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのジェノベーゼ

 シンプルに食べやすい大きさに切って塩水に浸し、アクを取ってから水気をふき取り、塩胡椒を振ってオリーブ油でサッと両面焼いてからジェノベーゼソースを絡めたものです。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのジェノベーゼ
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのジェノベーゼ

 焼くと果肉が柔らかくなるのですが、それでいて崩れないのがいいですね。ほんのり甘味が感じられ、バジルやニンニクとの相性も抜群です。

◆ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのパルミジャーナ ディ メランザーネ

 フィレンツェのマンマの味、家庭料理の定番となっている料理で、家庭によって少しずつ作り方が違ったりもするようです。

 今回は、フィレンツェなすを縦に間隔を開けながら皮を剥き、縦半分に切ってから1cmほどの厚みにスライスし、しばらく塩水に浸してから水気をふき取り、小麦粉をまぶしてから、少なめの油を180度ほどに熱して表面に少し色が付く位まで揚げておきます。

 耐熱皿にトマトソース(市販品でも可)を少し敷き、そこに揚げたナスを敷き詰めて、その上から生ハムとモッツアレラチーズを散らし、さらにパルメザンチーズをふってトマトソースを塗り、またナスを敷き詰めてから同じように生ハム、モッツアレラチーズ・・・とナスが三層になるように重ねています。ただ、パルメザンチーズは焦げやすいので一番最後のトッピングにはふっていません。

 それを190度のオーブンで20分程焼き上げます。

ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのパルミジャーナ ディ メランザーネ
ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェのパルミジャーナ ディ メランザーネ

 写真は出来上がったナス3層の物を二段重ねています。この料理は出来立ての熱々を食べても美味しいですが、冷めても美味しく、冷やしてもイケます。

 結構油を含んだ料理なのですが、意外にペロッと食べてしまうくらい美味しいです。フィレンツェナスとトマトソース、チーズが絶妙に合い、生ハムが良いアクセントになっています。付け合わせ的な料理ですが、メインとしても十分な食べ応えがあります。

●家庭菜園で楽しもう

 フィレンツェナスは各地の直売所で極まれに売っているのを見かけますが、一般市場に流通するほど作られていはいません。しかし、種子はいくつかの種苗メーカーのものが輸入されネットなどでも取り寄せられるので、家庭菜園で作ることができます。

◆栽培適地

 発芽適温は最適温25〜35℃で、栽培適温は昼間23〜30℃、夜間16〜20℃となっています。日中の高温は40度を超えると生育に問題が生じる恐れがあります。

 日当たりの良い開けた場所と水はけの良い肥沃な土壌でよく育ちます。夏の間は、40%遮光ネットの下で栽培すると最もよく育つようです。また、過湿に弱いので注意が必要。

◆ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェの栽培時期と収穫時期

 栽培地の環境にもよりますが。温床の場合2~4月、露地栽培の場合は5月に種をまき、7月~10月にかけて収穫できるとされています。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき                        
定植                        
収穫                        

< 出 典 >

※ 「Violetta fiorentina」FirenzeToday

※ ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ茄子 野口の種子