キウイフルーツ(kiwifruit)の概要や品種と産地と旬

色々なキウイフルーツの断面一覧 品種、バリエーション

●キウイフルーツの分類と特徴

◆キウイフルーツとは

分類:ツツジ目 > マタタビ科 > マタタビ属

学名:Actinidia Lindl.(マタタビ属)

Actinidia deliciosa(キウイフルーツ) 、Actinidia chinensis (オニマタタビ)、Actinidia arguta(ベビーキウイ、サルナシ)

英名:kiwifruit 仏名:kiwi

和名:キウイフルーツ

 「キウイフルーツ」と呼ばれる物には幾つかの品種があり、もっとも一般的な「ヘイワード」などの”Actinidia deliciosa”に含まれるもの以外にも”Actinidia chinensis”(オニマタタビ)に分類される「ゴールデンキウイ」や、”Actinidia arguta”(サルナシ)に分類される「ベビーキウイ」なども含まれ、それらの総称となっています。

 最近では「プリンスレッド」や「レインボーレッド」など、中が紅い品種が開発され、見た目の美しさや糖度の高さで人気が出ています。

4種のキウイフルーツ、ゼスプリ・サンゴールド、ヘイワード、ゼスプリ・ルビーレッド、讃緑の断面

◆キウイフルーツの来歴

 キウイフルーツはマタタビ科マタタビ属の木になる果実で、原産地は中国の揚子江沿岸とされ、現地では「ヤンタオ」と呼ばれていました。 1904年に、ニュ-ジーランドにあるワンガヌイ女子高校の校長イザベル・フレイザー(Isabel Fraser)が中国よりこのヤンタオの種を持ち帰り、植物学者のアレキサンダー・アリソンが栽培を始め、実った果実をチャイニーズ・グーズベリー(Chinese gooseberry)と呼ぶようになったのがニュージーランドでの発祥とされています。

 そして1924年には種苗生産業を営んでいたヘイワード・ライト(Hayward Wright)氏が緑色の果肉の品種を開発、これが今日商業栽培され市場に広く流通しているキウイフルーツのルーツとなっています。

キウイフルーツが木になっている様子

 現在のキウイフルーツという名称は1959年、ニュージーランドからアメリカに輸出する際に、ニュージーランドの国鳥である『KIWI』に因んで付けられた。

 日本へは1960年台半ばにベジタブルフルーツの一種として輸入が始まり、その後国内での品種改良や新しい品種の育成が行われ、九州から東北まで広く栽培されるようになった。

 キウイフルーツは雄雌異株なので、実を付けさせるには両方の木を植えなければならない。

◆キウイフルーツは追熟させないと美味しくない

 「キウイフルーツ」は追熟する果実で、収穫したばかりのものはでん粉が糖化しておらず甘味が少なく酸味が強いため美味しくありません。果実が追熟するためにはエチレンの生成が必要なのですが、キウイフルーツ、特にヘイワード種は自らエチレンを生成しにくいため、単独でそのままおいておくと追熟せずしぼんで傷み始めてしまいます。キウイフルーツはりんごと一緒に保存すると良いというのはりんごがエチレンを発散するのを利用するためです。

 近年は収穫後にエチレン処理をしてから出荷されるものが多く、買ってすぐでも美味しい状態のものも増えています。

●キウイフルーツの主な16品種一覧

 国内で流通しているキウイフルーツの主な16品種を一覧でご覧いただけます。ゼスプリ・グリーン、サンゴールドをはじめ、ゴールデン、ヘイワード、アップルキウイ、ベビーキウイ、香緑、甘ウィ、さぬきキウイっこ、ジンタオ(Jintao)、東京ゴールド、さぬきエンジェルスイートなど、それぞれの品種の詳細ページへとお進み頂けます。

4種のキウイフルーツ、ゼスプリ・サンゴールド、ヘイワード、ゼスプリ・ルビーレッド、讃緑

緑肉種のキウイフルーツ

ヘイワード キウイフルーツ

ヘイワード

 国内で最も広く栽培されている一般的なキウイフルーツ。果肉がグリーンで甘味と共に酸味もあるのが特徴。

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讃緑(さんりょく)

讃緑(さんりょく)

 香川県が「香緑」をもとに育成したオリジナル品種で、先端が尖ったロケットのような果形で糖度が17~18度と高く酸味もあるのが特徴。

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黄肉種のキウイフルーツ

ゼスプリ・ゴールド

ゼスプリ・ゴールド

 ゼスプリ社が販売するブランド名で、正式な品種名は「ホート16A」というニュージーランドで開発された果肉が黄色い品種。

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東京ゴールド

東京ゴールド

 中村利行氏と東京都が共同で育成した、雫を逆さにしたような先が尖った果形で、果肉が黄色く食味のいい品種。

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甘うぃ

甘うぃ

 福岡県が「ゴールデンキング(盧山香)」の自然交雑実生から選抜育成した大玉で平均糖度が高く、果肉が緑黄色の品種。

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ハニーキウイ

 アメリカのカリフォルニアで作られ、輸入されているゴールド(黄肉)系キウイフルーツです。

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果肉に赤色が入るキウイフルーツ

レインボーレッドキウイ

レインボーレッド キウイ

 小林利夫氏が中国系キウイフルーツの中から選抜育成した種子周辺の果肉が赤く、甘味が強い品種。国内で作られている赤肉系では最も広く栽培されています。

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小さいキウイフルーツやサルナシ

さぬきキウイっこ

さぬきキウイっこ

 香川大学がシマサルナシとキウイフルーツを交配し、香川県と共同で選抜育成した交雑種5品種の総称であり商標で、果実の重さが40~50gと小さいのが特徴。

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ベビーキウイ サルナシ

ベビーキウイ

 キウイフルーツの近縁種、サルナシ類の果実。ベビーキウイやキウイベリー、ミニキウイなど様々な名称で呼ばれている。

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■キウイフルーツの主な産地と旬

●主な産地と全国収穫量ランキング

 2020年産の出荷統計を見るとキウイフルーツの全国の収穫量は22,500トンとなっている。沖縄と北海道を除き、九州から東北にかけて全国で栽培されているが、主な産地は愛媛県、福岡県、和歌山県で、この3県で全国のおよそ半分を締めている。続いて神奈川県や静岡県で、この順位はここ数年変わっていない。

キウイフルーツの全国収穫量ランキング

●キウイの品種別栽培面積

 全国で栽培されているキウイフルーツの栽培面積は2019年の特産果樹生産動態等調査によると約87%が「ヘイワード」となっており、次いで「ゼスプリゴールド」「香緑」となっている。

キウイの品種別栽培面積

●キウイフルーツの収穫期

 キウイフルーツは輸入物をあわせると、通年安定して出荷されているので、あまり季節感を感じさせない果実のひとつである。しかし、糖度の高い物やレッドキウイなど国内で作られている付加価値の高いものには旬がある。

 いくつかそういったものの収穫時期を紹介する。年により天候などで前後するので、参考としてみていただきたい。

静岡のレインボーレッドキウイ 9月下旬から11月末頃まで

香川県の香緑 11月初旬から12月初旬

愛媛県のレッドキウイ 10月中旬から12月初旬

ゼスプリの国内栽培(愛媛県と佐賀県) 11月初旬から12月中旬

●食べ頃の旬

 キウイフルーツは洋ナシなどと同様追熟する果実で、収穫してすぐは果実が硬く甘味も少ない。そのため、収穫してから一定期間追熟させたのちに出荷されるものが多い。

 輸入物は年間通してニュージーランドをはじめ、アメリカやチリ産のものが入ってくるので、いつでも見かける果物という印象であまり季節感がないかもしれない。しかし国内産のキウイフルーツが多く出回るのは12月頃から4月頃までで、食べて美味しい旬の時期は2月から3月にかけてと、旬がしっかりとある。

キウイフルーツ 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
国産ヘイワード                        
レインボーレッドキウイ                        
香緑                        
ゼスプリ・グリーン(輸入)
                       
ゼスプリ・グリーン(国産)                        
ゼスプリ・サンゴールド
(輸入)
                       
ゼスプリ・サンゴールド
国産
                       
ゼスプリ・ゴールド(国産)                        
ゼスプリ・ルビーレッド
輸入
                       
チリ産                        
アメリカ産                        

< 出 典 >

 ※ 「ゼスプリとキウイの100年」 ゼスプリホームページ

 ※ 「キウイフルーツ「ヘイワード」が追熟しにくいわけ」 果樹研究所成果情報 1994年 農研機構

 ※ 「This Kiwifruit Isn't From New Zealand at All. It's Chinese, and This Is How It Got Hijacked」TIME USA BY KEVIN LUI FEBRUARY 8, 2017 9:29 PM EST

 ※ 「果物の大図鑑」 マイナビ出版

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