香緑(こうりょく)の来歴や特徴と産地と旬
■香緑(こうりょく)とは
●香緑の来歴
「香緑(こうりょく)」キウイは香川県農業試験場府中分場においてニュージーランドから導入されたヘイワードが自然交雑して生まれた品種とされ、香川県によって1983(昭和58)年に登録出願、1987(昭和62)年に品種登録されています。
「香緑」は袋掛け栽培され、出荷に際しては全園地の果実糖度を測定し、品質によって決められた階級で出荷され、最上級品は糖度15.5度以上で「スイート16」として出荷されています。
生産量はとても少なく、出回る時期も短いので一般のスーパーやお店ではほとんど見かけることがない希少性の高いキウイの一つです。
●香緑(こうりょく)キウイの特徴
果実の形は縦長の俵型をしており、一般的なヘイワード種に比べ大きく、果皮の毛が長いのが特徴です。
表面は全体にヘイワードよりも長く硬い産毛で覆われています。果肉は緑色で、糖度は高く18度以上にもなり、その割に酸味が少ないのも特徴です。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『- - - - -
果形は円筒形、最大横径を示す部分は果頂部で、果形指数は大である。
果実の大きさは中(平均104g)で、果皮の色は褐、果実表面の毛じ密度は極めて密で硬く、毛じの長さは中である。
果梗の長さ及び太さは中である。果肉の色は濃緑で、果心の形は長楕円である。
甘味は高(追熟後11月上旬で糖度約18度)、酸味は低である。
開花期は育成地において中(5月25日頃)、成熟期は早(10月下旬)である。
「ヘイワード」と比較して、果形が異なること、甘味が高いこと、成熟期が早いこと等で、「ブルーノ」、「モンティ」及び「アボット」と比較して、果形が異なること、甘味が高いこと等で、「グレイシー」と比較して、果形が異なること、甘味が高いこと、果実表面の毛じ密度が高いこと等で、「セイラ」と比較して、果実表面毛じの長さが短いこと等で区別性が認められる。
- - - - 』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた の食味
撮影試食したものは1月23日に百貨店で購入したもので、一つ200円ほどでした。果重は120g前後で、持った時に表面の毛がパラパラと取れやすい漢字でした。
食べてみると果肉はやや硬さがあり、糖度は16度を超えていて、酸味が少ないこともありとても甘味が強く感じられました。
形が長い俵型なので、輪切りにした時、同じ大きさのスライスが沢山でき、タルトなど輪切りを綺麗に並べるような場合に無駄が少なく盛り付けやすいです。
●香緑(こうりょく)キウイの主な産地と収穫量
香緑(こうりょく)は香川県のオリジナル品種で、香川県でのみ栽培出荷されていました。主な産地は高松市、善通寺市、三豊市、土庄町などで、約30haで栽培され、100t余りが出荷されているようです。(2020年)国内で唯一、袋掛け栽培が行われています。
現在は種苗法に基づく育成権は2005年に満了しているため、香緑の苗木は一般に販売もされ、他府県の産地や家庭菜園でも栽培することは可能となっています。
●香緑(こうりょく)キウイの収穫時期と食べ頃の旬
香緑(こうりょく)は早生種で、10月下旬頃から収穫が始まり12月初旬頃までとなります。食べ頃の旬は、収穫後追熟を経て、11月初旬から1月くらいまでとなります。
旬のカレンダー | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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香緑 |
< 出 典 >
※ 「さぬき讃フルーツ 香緑」 香川県ホームページ
※ キウイフルーツ(香緑 コウリョク)(メス木)《果樹苗》 日本花卉ガーデンセンター楽天ショップ
※ 「登録番号1446 香緑」品種登録データベース 農林水産省ホームページ