イエローキウイ/ジンタオ種:来歴や特徴と産地や旬
●イエローキウイ/ジンタオ種とは
「イエローキウイ」という名称で流通しているキウイフルーツはイタリアに拠点をおくジンゴールド(Jingold)社が販売してる黄肉タイプの「ジンタオ(Jintao)」種キウイフルーツです。生産はヨーロッパをはじめ世界各地に及びますが、日本にはチリ産のものが輸入されています。
◆ジンタオ種の来歴
この「ジンタオ(Jintao)」種とは、もともと中国科学院の武漢植物学研究所が育成した品種で、1998 年にイタリアのキウイゴールド コンソーシアムによって評価のためにヨーロッパに導入されました。
その後、2001年にコンソーシアムが「ジンタオ」の世界的な栽培とマーケティングの独占権を取得し、2012 年には製品のプロモーションとマーケティングを扱うビジネス ユニットととしてジンゴールド(Jingold spa)が設立され、世界に向けてキウイフルーツを販売するに至っています。
これまでキウイフルーツと言えばニュージーランドのゼスプリ社の独壇場でしたが、ジンゴールドの進出は大きな刺激となっています。またジンゴールドは武漢植物学研究所ともつながりを持ち、新たな品種開発においても中国にもともとある多彩な品種が活用しやすいという強みもあります。
◆ジンタオ種の特徴
「ジンタオ」の果実は 80~130gで、国内に流通しているものは果重100~120gほどものが多いです。果形は整った円筒形で、果皮表面には毛じがなくさらっとしています。
中の果肉は黄色で、糖度が高くバランスの取れた酸味で、グリーンよりも25%ほど酸味が少なく甘いくいフルーツとなっています。また、ビタミンCはグリーンキウイと比較して平均で+145%、ポリフェノールは+80%と豊富に含まれているそうです。
◆実際に食べてみたジンタオ種の食味
撮影試食したイエローキウイ(ジンタオ)は12月23日に愛媛県松山市内のスーパーで販売されていた4個/pcで500円ほどでした。
果実は既に食べ頃の状態で、果肉は比較的柔らかくジューシーで、ゴールド系キウイらしい酸味が少なく甘い味わいでした。計った糖度は15.3~16.1%でした。
●イエローキウイ/ジンタオ種の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
Jingoldは2021年の時点で、イエローキウイ(JintaoおよびJryan種)の普及面積は欧州で1500ヘクタール、南米と中国を含む世界の他地域で500ヘクタールに広がり、計2万トンを生産しているとのことです。(※4)
このうち、国内にはチリ産のものが輸入されています。
国内での栽培はありません。
◆ジンタオ種の収穫時期と旬
イエローキウイは日本とは季節が逆の南半球にあるチリ産で、収穫時期も国内の旬とは真逆の初夏から夏です。
ジンタオ種は貯蔵性が高く、冷蔵庫で 6 か月以上保存が可能とされ、国内に輸入されている時期も5月頃から12月頃までと長いです。その中でも最盛期の旬は6月から夏にかけてで、国産物が市場に無い時期に多く出回ります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ジンタオ種 |
< 出 典 >
※1 「Jingold」ジンゴールド ホームページ
※2 「Scopri le nostre varietà」JINGOLD S.P.A.
※3 「武汉植物园发展本土植物资源与自主产权农业」中国科学院ホームページ
※4 「Federico Milanese presents the opportunities of Mediterranean kiwifruit in the Asian market at MacFrut China Forum」 Cision PR Newswire Asia 2021-10-20