さぬきキウイっこ:来歴や特徴と産地や旬

さぬきキウイっこの断面 キウイフルーツ

●さぬきキウイっことは

「さぬきキウイっこ」は香川大学がシマサルナシとキウイフルーツを交配し、得られた実生から香川県と共同で選抜育成し品種登録した「香川UP-キ1 ~5号」の5品種の総称および登録商標で、1個が40~50gの小さな一口サイズで糖度が高く甘いキウイフルーツです。

◆さぬきキウイっこの来歴

 「さぬきキウイっこ」は香川大学農学部において交配された9組の組み合わせで得られた397個体の実生から香川県と共同で選抜・育成されたシマサルナシとキウイフルーツの交雑種5品種「香川UP-キ1 ~5号」を指す総称であり、香川県と香川大学の登録商標となっています。この5品種の育成過程は下記の通りです。

さぬきキウイっこ キウイフルーツ

2004(平成16)年 香川大学農学部において日本国内に自生する野生種である「シマサルナシ」と「サルナシ」、食味の良いキウイフルーツ6品種、それに赤い果肉の「レインボ―レッド」、「紅妃」の合わせて10品種を9つの組み合わせで交配。得られた実生を養成。

2006(平成18)年 香川県と国立大学法人香川大学が共同研究契約を結び、共同研究がスタート。

2007(平成19)年 香川県農業試験場府中果樹研究所の圃場に実生397個体を定植。

2009(平成21)年 「シマサルナシ」を種子親とした8個体を一次選抜。

2010(平成22)年 5個体を二次選抜。高接ぎして複製を数樹作成し栽培適応性の検討のため香川 県善通寺市吉原町において現地試験に供試。

2012(平成24)年 5品種をそれぞれ「香川UP-キ1」~「香川UP-キ5」と命名、種苗法に基づき香川県と香川大学の連名で登録出願、及び公表。名称「さぬきキウイっこ」を商標として登録出願。

2013(平成25)年 「さぬきキウイっこ」の商標登録完了。

2014(平成26)年 5品種ともに品種登録完了。

2021(令和3)年 「さぬきキウイっこ」がビタミンEに関する栄養機能食品表示開始。

 5品種はいずれも「シマサルナシ」を種子親とする交配系統で、うち4品種の花粉親は「さぬきゴールド」の交配でも用いられた中国系キウイフルーツの雄系統「FCM-1」です。のこる1品種は「トムリ」という品種となっています。

 「さぬきキウイっこ」の中でも平均糖度15.0度以上で秀品・優品ランクのものは「さぬき讃フルーツ」として出荷されます。

◆さぬきキウイっこの特徴

 「さぬきキウイっこ」は5品種の総称ですが、販売される際に個々の品種名は表記されず、またどの品種が詰められているかは購入する際には分かりません。

 5品種はいずれも果実の重さが40~50gと一般的なキウイフルーツに比べて小さいく果皮表面の毛じが少ないこと、糖度が15~20%と高く甘いキウイフルーツで、タンパク質分解酵素の活性が極めて低く、キウイフルーツ特有の食べたときの刺激が少ない上に、ビタミンEが2.7mg/100gと一般的なヘイワード種の約2倍も含まれているのが共通の特徴です。

さぬきキウイっこと一般的なキウイフルーツの大きさの違い

 果形は品種によって楕円形、長楕円形、長台形、広楕円形があり、また果肉の色合いもは黄色から黄緑色、緑色と品種によって違いがみられます。

さぬきキウイっこの断面 キウイフルーツ

 5品種個々の特性については農林水産省の品種登録データベースに以下の通り記載されています。

▶「香川UP-キ1号」(「シマサルナシ」×「FCM-1」)

『-----

 果実の重さはやや軽、果実の形は卵形、果頂部の形は丸みを帯びる、果実のがくの周囲のリングは無又は極僅、果梗部の形は角ばる、

 果実の宿存がくの有無は有、果皮の色は褐、果実の毛じの粗密は無又は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は褐、外果皮の色は明緑、

 果心の色は白、果実の甘さはかなり高、果実の酸度はかなり高、開花期は極早、収穫期は中である。

-----』以上、抜粋。

▶「香川UP-キ2号」(「シマサルナシ」×「トムリ」)

『-----

 果実の重さはやや軽、果実の形は長楕円、果頂部の形は丸みを帯びる、果実のがくの周囲のリングは僅かに見える、

 果実の宿存がくの有無は有、果皮の色は褐、果実の毛じの粗密は無又は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は褐、外果皮の色は黄、

 果心の色は白、果実の甘さはかなり高、果実の酸度はやや低、開花期は極早、収穫期は中である。

-----』以上、抜粋。

▶「香川UP-キ3号」(「シマサルナシ」×「FCM-1」)

『-----

 果実の重さはやや軽、果実の形は長楕円、果頂部の形は平坦、果実のがくの周囲のリングは僅かに見える、果梗部の形は角ばる、

 果実の宿存がくの有無は有、果皮の色は褐、果実の毛じの粗密は無又は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は褐、外果皮の色は明緑、

 果心の色は白、果実の甘さは極高、果実の酸度は中、開花期は極早、収穫期は中である。

-----』以上、抜粋。

▶「香川UP-キ4号」(「シマサルナシ」×「FCM-1」)

『-----

 果実の重さはやや軽、果実の形は卵形、果頂部の形は丸みを帯びる、果実のがくの周囲のリングは無又は極僅、果梗部の形は角ばる、

 果実の宿存がくの有無は有、果皮の色は褐、果実の毛じの粗密は無又は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は褐、外果皮の色は明緑、

 果心の色は白、果実の甘さはやや高、果実の酸度はやや高、開花期は極早、収穫期は中である。

-----』以上、抜粋。

▶「香川UP-キ5号」(「シマサルナシ」×「FCM-1」)

『-----

 果実の重さは中、果実の形は長楕円、果頂部の形は平坦、果実のがくの周囲のリングは明らかに見える、果梗部の形は角ばる、

 果実の宿存がくの有無は有、果皮の色は褐、果実の毛じの粗密は無又は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は褐、外果皮の色は黄、

 果心の色は白、果実の甘さは高、果実の酸度は中、開花期は極早、収穫期は中である。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた「さぬきキウイっこ」の食味

 撮影した「さぬきキウイっこ」は11月22日に届いた5個入り/袋が5パックで、観たところ色合いや果形から2品種入っているかな?と思いますが、どの品種なのかなど実際のところは不明です。

スライスしたさぬきキウイっこキウイフルーツ さぬきキウイっこの糖度 キウイフルーツ

 果実の平均果重は41.5gでした。皮は薄く毛じもほとんどなくとても可愛いキウイフルーツです。

 まだ追熟が浅いのか、香川県のホームページに紹介されているような、指でプチっと半分に割って一口ゼリーのようにチュルっと食べる感じではありませんでした。

 食べた食味は正にちっちゃなキウイフルーツよ言った感じで、甘味はしっかりとありますが適度な酸味もありキウイフルーツらしい味わいでした。

 1個が小さいのでまるごと1個を1ポーションのケーキのトッピングにも使える感じです。輪切りも小さくてかわいいです。

●さぬきキウイっこの主な産地と旬

さぬきキウイっこ キウイフルーツ

◆主な産地と生産量

さぬきキウイっこ キウイフルーツ

 「さぬきキウイっこ」は香川県と香川大学が共同で育成したオリジナル品種で、香川県で認定した生産者しか栽培はできません。

 2021年の公表では県内の栽培面積は約8ha(高松市、善通寺市、土庄町、小豆島町)で出荷量は約50トンとなっています。

◆さぬきキウイっこの収穫時期と旬

 「さぬきキウイっこ」は10月下旬頃から収穫が始まります。貯蔵性もあり、市場には翌年の2月頃まで出回ります。

 最も多く出回る旬は11月ですが、クリスマスの時期でも使えそうです。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
さぬきキウイっこ                        
さぬきキウイっこと一般的なキウイフルーツの大きさの違い

< 出 典 >

 ※ 「キウイフルーツ新品種群「香川UP-キ1~5号(総称:さぬきキウイっこ(R)」の育成」香川県農業試験場研究報告 72号 p. 11-22 2021年3月

 ※ 「さぬきキウイっこ®」さぬき讃フルーツ 香川県

 ※ 「2021年11月から、「さぬきキウイっこ®」が栄養機能食品(ビタミンE)として、販売開始されます!」 LOVEさぬきさん おしらせ 一般財団法人かがわ県産品振興機構

 ※ 「登録番号23671~23675 香川UP-キ1~5号」 農林水産省品種登録データベース

皆さんで是非このサイトを盛り立ててください。よろしくお願いします。