ヘイワード(Hayward)/グリーンキウイ:来歴や特徴と産地や旬
キウイフルーツの品種、ヘイワード(Hayward)の来歴や特徴と実際に食べた食味をはじめ、収穫時期や出盛りの旬などを沢山の写真と共に紹介します。
●ヘイワード(Hayward)とは
◆ヘイワードの来歴
一般にキウイフルーツと言えばこのグリーンのキウイ、ヘイワード種の事を指しています。ヘイワードは1920年代にヘイワード・ライト(Hayward Wright)氏によって発見された果肉が緑で大きな果実になる品種で、彼の功績を称え彼の名が付けられています。ゼスプリが出しているグリーンキウイもこのヘイワードの系統です。
国内でも各地で栽培され、庭園樹にも用いられています。また、ゼスプリキウイも佐賀県や愛媛県で契約栽培されるようになり、ニュージーランド産が入ってこない秋から春にかけて出回ります。
◆ヘイワードの特徴
ヘイワードの果実は綺麗な俵型をしており、表面は全体に産毛で覆われています。果肉は綺麗な緑色で、中心部分が白く、その周りに黒い小さな種が無数に含まれた部分があります。
味は甘味と共にしっかりとした酸味があり、このバランスは未熟なものほど酸味が強く酸っぱく感じます。追熟させることで酸味が落ち着き、バランスの良い甘いキウイとなります。ただ、色々なキウイフルーツの品種の中でもヘイワードは自らエチレンを生成しにくいため、単独では追熟しにくい品種で、エチレンを発生するりんごなどと共においておくなどエチレン処理をしなければ美味しく食べることができません。
ヘイワードの場合、この未熟な硬く酸っぱいものを食べた事によって美味しくないものというイメージを持ってしまった方も多いのではないかと思われます。食べ頃をうまく見極めて美味しい状態のものを食べましょう。
◆実際に食べてみたヘイワードの食味
ヘイワードは正直なところ当たり外れが比較的多い気がします。十分に追熟し、品質が良い物は甘味と酸味のバランスがよく、果肉も口の中で程よい崩れ方をします。ところが、中には追熟しても酸味が抜けきらず甘味よりも酸味が全面にくるものもあります。
●ヘイワードの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ヘイワード種キウイフルーツは西日本を中心に各地で作られていますが、主な産地は愛媛県や福岡県です。
農林水産省がまとめた令和元年産特産果樹生産動態等調査によると、最も広く栽培しているのは愛媛県で、全国の32%を占めています。次いで福岡県でこの両県で全国の約半分を占め、三番目に和歌山県となっています。
◆ヘイワードの収穫時期と旬
ヘイワード種の国内での収穫時期は11月上旬から下旬にかけてで、収穫後追熟処理をされてからすぐに出荷されるものと、長期間貯蔵されたのちに追熟処理をされて出荷されるものがあります。
食べ頃の美味しい旬の時期は2月上旬~ 3月下旬にかけてとなります。
一方、ゼスプリのグリーンは11月ごろから12月にかけて出荷され、ニュージーランド産が4月末ごろから年末にかけて輸入されています。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ヘイワード | ||||||||||||
ゼスプリ・グリーン(輸入) |
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ゼスプリ・グリーン(国産) |
< 出 典 >
※ 「キウイフルーツ「ヘイワード」が追熟しにくいわけ」 果樹研究所成果情報 1994年 農研機構