アップルキウイ/魁蜜(かいみつ) :来歴や特徴と産地や旬
●アップルキウイとは
◆アップルキウイの来歴
「アップルキウイ」と呼ばれる品種は、中国が原産で1979年に江西省農業科学院園芸研究所で野生株のなかから選抜され、1985年に「魁蜜(かいみつ)」と命名されたキウイフルーツの品種です。1992年に江西省品種承認に合格し、「甘西2号」と改名されました。
果実の形が丸く、肩が盛り上がった形状でリンゴに似ていることから日本では「アップルキウイ」や「センセーションアップル」などと呼ばれています。
ただ、同じ名称で販売されているものでも大きさや果肉の色合いなどに微妙な違いがみられ、いくつか系統の違う品種が混じっていると考えられているようです。
◆アップルキウイの特徴
アップルキウイの果実は120~130gと「ヘイワード」よりやや大きめで、果形はやや扁平なものが多く、からの部分がこぶ状に盛り上がった形をしているのが特徴です。
果皮は褐色で、表面の毛じは粗く、販売される時点ではほとんど獲れてしまっていることが多いです。
果肉の色は収穫時点では緑色が強めですが、追熟と共に黄色っぽくなっていきます。食味は適度な甘さと、酸味は若いうちは酸味がしっかりとありますが追熟するにつれ弱くなり、果肉が柔らかくなることにはほとんど感じなくなります。
貯蔵性は貯蔵性は「イエロージョイ」(盧山香)と同様に1~2か月と短く直売向けの品種となっています。
◆実際に食べてみたアップルキウイの食味
撮影したアップルキウイは12月1日に届いた和歌山県産で、既に過熟気味のものからまだ硬いものまで入っていました。
果実の大きさは平均果重120gほどで、一般的なキウイフルーツとは一線を隔する面白い形をしています。
まだ硬い物でも果肉は黄緑色で十分に熟しているものは果皮に少ししわがみられ、果肉はとても柔らかくなっていました。
熟しているものはナイフで皮を向くよりも、半分に切ってスプーンですくって食べる方が良いと思います。計った糖度は14.1~17.5%で、甘味は十分です。完全に熟すと酸味がほとんど感じられなくなり、甘いのですがづ腰ボケた感じの味わいに感じたので、私的には完熟する少し手前で食べることをお勧めします。
また、このキウイフルーツは縦の長さが短く、一般的な樽型のキウイフルーツに比べ皮をむいて輪切りにするととれる枚数が少ないです。
●アップルキウイ/魁蜜の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
アップルキウイは生産者が少なく、全国的にも流通量は少なく、また、貯蔵性がヘイワードなどに比べ短いため、一般のスーパーなどに並ぶことはあまりありません。
主な産地は静岡県をはじめ、群馬県や長野県となっていますが、正確な栽培面積や収穫量は不明です。令和元年産特産果樹生産動態等調査には群馬県の1.2haのみ記載されています。
◆アップルキウイの収穫時期と旬
アップルキウイの収穫時期は10月下旬ごろから11月中旬頃となっています。
食べ頃の旬は11月から12月です。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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アップルキウイ/魁蜜 |
< 出 典 >
※ 「魁蜜/アップルキウイ」 図解 果物の大図鑑 株式会社マイナビ出版 p.206
※ 「魁蜜 クイミー(センセーションアップル)」株式会社吉岡国光園
※ 「魁蜜猕猴桃是中华猕猴桃中的一员,由江西省农科院园艺研究所选育。以它为母本新西兰佳沛公司选育出大名鼎鼎的阳光金果、魅力金果」最新猕猴桃品种介绍 播宏红心猕猴桃苗基地