イエロージョイ/ゴールデンキング/盧山香:来歴や特徴と産地や旬
●イエロージョイとは
◆イエロージョイの来歴
「イエロージョイ(Yellow Joy)」は中国系の果肉が黄色いタイプのキウイフルーツで、中国では「盧山香」”Lushanxiang”と呼ばれている品種とされています。(※1、3)また、日本では「ゴールデンキング」と呼ばれている品種も同じ「盧山香」とされており(※2、3)、これらは同じものだと考えられます。ただ、様々な情報があり、「イエロージョイ」と「ゴールデンキング」を別種として扱っているものも多く、どこでそうなったのかは不明です。
福岡県のキウイフルーツとして知られる「甘うぃ」は、「ゴールデンキング(盧山香)」の自然交雑実生から選抜された品種です。
ここでは「イエロージョイ」=「盧山香」として紹介することにします。
本種は1979年に武寧市羅西市平原村の廬山植物園によって野生株の中から選抜され、1985年に命名登録された品種となっています。「イエロージョイ」という名称の他、海外では「エリザベス」、「ファースト エンペラー」といった名称でも付けられているようです。
◆イエロージョイの特徴
「イエロージョイ」の果実は平均果重100gほどで、果実はほぼ円筒形で、非常に美しく 果実の揃いも良い品種となっています。果肉は黄色でビタミンCが多く、「へイワード」の約2倍も含まれているのが特徴。
撮影した「イエロージョイ」は確かにどれも綺麗な円筒形で、平均果重は114gほどでした。
また、本種は一般的なキウイと違い、樹上熟成するのが特徴で、収穫後追熟させなくても美味しく食べることができます。逆に、十分に樹上で完熟させてから収穫しないと本種の美味しさをフルに味わうことができないと言われています。
苗木販売の株式会社吉岡国光園さんのホームページには本種の特徴が以下の通り紹介されています。
『-----
果実の大きさは130~150gと大きく,果形は短台形である。
果皮は他のキウイフルーツと異なる明褐色である。表面の毛茸は短く,密度は中である。
果肉は黄色であるが,種子周辺は黄~透明である。甘味,酸味ともに中であるが,多汁であるため,食味は良い。
追熟しやすいが,貯蔵性は1~2か月と短い。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたイエロージョイの食味
撮影試食した「イエロージョイ」11月13日に購入したもので、平均果重114gほどでどれも綺麗な樽型でした。果皮表面の毛じは短くて少なく果皮の色は比較的明るい黄褐色です。
果肉の色は比較的薄く、黄色っぽい色で、種子の周辺は半透明です。
果汁が多く、食べてみるとしっかりとした甘みと共に酸味もあり、食感はやや硬めでした。この時点で計った糖度は15.3~16.3どあり、糖度的には十分甘いキウイフルーツと言いえます。
その後5日ほど冷暗所で追熟させてから食べてみたのですが、触った感じで皮が既に柔らかくなっていました。食味は幾分柔らかくなっていましたが、甘味酸味はあまり変わりがないように感じました。甘いけど酸味もしっかりとあるキウイフルーツといった印象です。
●イエロージョイの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「イエロージョイ」は各地で栽培されているようですが、産地化はされておらず家庭菜園や個々の農園で栽培されたものが直売されている程度のようです。
◆イエロージョイの収穫時期と旬
「イエロージョイ」の収穫時期は産地によって多少差があると思いますが、10月中旬頃から11月中旬頃にかけてで、貯蔵性はあまり高くないので、食べ頃の旬は10月下旬から12月にかけてとなります。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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イエロージョイ |
< 出 典 >
※1 「Review: Kiwifruit in China」H. Huang & A. R. Ferguson (2001) p.13 New Zealand Journal of Crop and Horticultural Science
※2 「キウイフルーツ新品種「甘うぃ」の育成」福岡県農業総合試験場研究報告33号 p. 24-28 2014年
※3 「盧山香 ルオシァンシィァン(イエロージョイ)【ゴールデンキング】」株式会社吉岡国光園