さぬきゴールド：来歴や特徴と産地や旬

●さぬきゴールドとは

　「さぬきゴールド」は香川県が「アップルキウイ」に中国系の系統「FCM-1」を交配し育成した大玉で果肉が黄色いオリジナル品種のキウイフルーツです。

◆さぬきゴールドの来歴

　「さぬきゴールド」は香川県農業試験場府中分場において、「アップル系キウイフルーツ」 に当所の中国系保存系統である「FCM-1」の花粉を交配し、得られた実生から選抜育成されたキウイフルーツです。育成の過程は下記の通り。

1990（平成2）年　香川県農業試験場府中分場において「アップルキウイ」に中国系「FCM-1」の花粉を交配。得られた種を播種し、育苗。

1991（平成3）年　圃場に定植。

1993（平成5）年　キウイフルーツ４年生に高接ぎ。

1994～2000（平成12）年　果実品質を調査。

2000（平成12）年　系統名「APC-40」を有望系統として選抜。

2001～2002（平成14）年　慣行栽培による特性調査。

2003（平成15）年　「さぬきゴールド」と命名し、種苗法に基づき登録出願。

2005（平成17）年　品種登録完了。

　交配の花粉親に使用された中国系の「FCM-1」はその後も香川県のオリジナル品種である「さぬきエンジェルスイート」や「さぬきキウイっこ」にも用いられています。

　2005年に品種登録されて以降、市場には2007年頃から出回り始め、2023年現在は「香緑」や「さぬきエンジェルスイート」「さぬきキウイっこ」「香粋」と共に香川県のオリジナル品種キウイフルーツとして人気があります。

また、形や大きさが基準以上で、糖度が14.5度以上に達しているものは「黄様：おうさま」というブランド名で出荷されています。

◆さぬきゴールドの特徴

　「さぬきゴールド」の果実は果実重は１６０～１８０ｇと大きく、果形は下部が膨らんだ短台形で、赤道面の断面は楕円形です。

　果皮は褐色で毛じは比較的短く粗い感じで覆っています。

　種子外側の果肉は薄い黄緑に近い黄色から濃黄色で果心は白く長楕円形になっています。糖度は17～18％、クエン酸換算含量は0.40ｇ／100ml程度で、肉質が密で軟らかく果汁も多いため、風味、食味とも良好なキウイフルーツとなっています。

　追熟はしやすく、エチレン処理後約７～１０日で可食適期となりますが、貯蔵性は短く、５℃貯蔵で１～２ヶ月程度となっています。

　農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

　果形は短台形、最大横径部分は赤道部、扁平率はやや小、果頂部の形は平坦、果実の大きさは極大、

　果皮の色は褐色、果実表面の毛じの密度は粗、長さは短、硬さは軟、

　果梗の長さはやや長、太さ及び相対果梗長は中である。

　種子外側の果肉色は濃黄色、周辺の果肉色は黄色、果心の形は長楕円形、色は白色、甘味は高、酸味は低、香気は有、子室数はやや多である。

　開花期は中、成熟期はやや早で育成地においては10月中旬、追熟の必要性は有である。「ヘイワード」及びアップル系キウイフルーツと比較して、果実が大きいこと､種子外側の果肉色が濃黄色であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたさぬきゴールドの食味

　2022年に撮影試食した「さぬきゴールド」は10月25日に届いた5個／1kg箱の秀品です。

　果実重は205～216ｇあり、果実はまだやや硬い感じでした。届いた日に食べてみるとやはり果肉がまだ硬く、色も黄色味が少ない黄緑色で、糖度も13.4％でした。

　その後19日間程冷暗所で保存した物をたべてみると、果肉は幾分柔らかくなっており、甘味も増して美味しくなっていました。この時計った糖度は14.4～15.1％でした。果肉は果汁はとても多いのですがまだやや硬めで、まだまだ追熟させて良さそうな感じでした。

---

　2013年に撮影試食したものは11月末に百貨店で購入したもので、大きさは210ｇ以上あり、追熟度も丁度食べ頃といった状態でした。

　食味は果肉が柔らかくとてもジューシーで、甘味が強く、それに対して酸味があまり感じられないためメロンを食べた時のような感覚でした。

◆さぬきゴールドをフードドライヤーでチップにしてみた

　さぬきゴールドをスライスし、フードドライヤーで55度で48時間ほどかけ、ドライチップにしてみました。

　48時間ではパリッと割れるような状態にはなりませんでしたが、透明感のある綺麗なチップになりました。

　食べてみると、歯切れは今一つですが、噛むほどに濃縮されたキウイの甘味が口に広がり美味しいです。ドライチップにした時の方が酸味が出ていてキウイらしい味が楽しめました。

■さぬきゴールドの主な産地と旬

●主な産地と生産量

　「さぬきゴールド」は開発された香川県のオリジナル品種で、主に善通寺市、高松市、三豊市などで作られています。2007（平成19）年にJAに出荷された生産量は２８トン程となっていましたが、2022年では県内で約12haで栽培され、出荷量は約80トンにもなっているそうです。

　収穫された「さぬきゴールド」はJA香川県及び農地所有適格法人を通じて主に京浜及び京阪神市場に出荷されています。

●さぬきゴールドの収穫時期と旬

　「さぬきゴールド」の成熟期は「ヘイワード」より早く、10 月上中旬で、収穫時期は１０月中旬頃から始まります。出盛りの旬の時期は１１月から１２月上旬頃までとなります。

　収穫後、エチレン処理をしてから約7～10日 で可食適期となりますが、貯蔵性は短く、５℃貯蔵で１～２ヶ月程度となっています。

旬のカレンダー	10月			11月			12月			１月
さぬきゴールド

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＜ 出　典 ＞

　※　「キウイフルーツ新品種「さぬきゴールド」の育成」 香川県農業試験場研究報告 58号,p.45-50 2006/03

　※　「さぬきゴールド」 香川県育成品種情報 香川県ホームページ

　※　「さぬきゴールド」 さぬき讃フルーツ　香川県ホームページ

　※　「登録番号　」　農林水産省品種登録データベース