東京ゴールド:来歴や特徴と産地や旬
●キウイフルーツ 東京ゴールドとは
「東京ゴールド」は中村利行氏と東京都が共同で育成し2013年に品種登録された、雫を逆さにしたような先が尖った果形で、果肉が黄色く食味の良いキウイフルーツです。
◆東京ゴールドの来歴
「東京ゴールド」は東京都小平市の中村利行氏が1998(平成10)年に自園で発見した品種で、特徴的な枝変りの樹の果実を、農業試験場(現 東京都農林総合研究所センター)に紹介し、そこで増殖しながら特性調査を継続し特性異差が確認されたことから、「東京ゴールド」と命名され、2009(平成21)年に種苗法に基づき公益財団法人東京都農林水産振興財団と中村氏の連名で登録出願、2013(平成25)年に品種登録されました。
「東京ゴールド」は柿の「東京紅」やウドの「都香(みやか)」などと共に味自慢・香り自慢の東京で育成された農畜産物として東京ブランド農畜産物のひとつになっています。
◆東京ゴールドの特徴
「東京ゴールド」の果実は雫を逆さにしたような先が尖った果形で、果実重は約100gと中程度ですがフルメット処理により40%ほど大きくすることが可能だそうです。
果皮色は暗褐色で表面の毛じの密度は粗で脱落しやすい。
果肉は黄色で果心部は黄白色、肉質は柔らかく、糖度15~16%と高く、多汁で風味食味ともに良いキウイフルーツとなっています。
追熟は「ヘイワード」より容易で、一週間程度で可食適期となります。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の重さは中、果実の形は楕円、果実中央部の横断面の形(扁平の程度)は扁円(中)、果頂部の形は部分的にやや尖る、
果実のがくの周囲のリングは無又は極僅、果梗部の形はなで肩状、果梗の長さはかなり長、果梗の相対長(果梗長/果実縦径)は小、果実の宿存がくの有無は有、
果皮の色は黒褐、果実の毛じの粗密は極粗、果実の毛じの種類は極短い軟毛、果皮の色(可食時期)2は黒褐、
外果皮の色は黄、果心の色は黄白、果実の甘さは中、果実の酸度は低、
開花期は中生、収穫期はやや早生である。
出願品種「東京ゴールド」は、対照品種「ホート16A」と比較して、果実のがくの周囲のリングが無又は極僅であること、果梗部の形がなで肩状であること、果実の宿存がくの有無が有であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた東京ゴールドの食味
撮影した「東京ゴールド」は12月25日に愛媛県松山市内の直売所で購入した5個/pcで350円のもので、平均果実重は90gほどでした。
果実はどれも果頂部が尖った形で、他のキウイフルーツとは一線を隔しています。
果肉は柔らかくジューシーで、風味もどことなく特徴が感じられ、とても甘くて美味しいキウイフルーツでした。キウイフルーツ特有の口の中がイガイガするようなこともありませんでした。
計った糖度は17.3~17.5%とどれも高かったです。
●東京ゴールドの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「東京ゴールド」は東京発の品種ですが、2012(平成24)年秋からは産地を限定せず、全国の種苗会社やホームセンター等で苗木の購入ができます。
とは言え、栽培面積はとても少なく、産地以外の一般のスーパーなどに並ぶことはほとんどないと思います。
令和元年産特産果樹生産動態等調査を見ると、2019年産の栽培面積は静岡県の4.1haのみ記載があります。
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◆東京ゴールドの収穫時期と旬
「東京ゴールド」の成熟期は育成地の東京で10月下旬~11月上旬となっており、収穫は10月下旬から12月上旬頃までで、市場に出回るのもその時期になります。
貯蔵性はあまり良くないので、多く出回るのは年内位までではないでしょうか。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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東京ゴールド |
< 出 典 >
※ 「キウイフルーツ新品種「東京ゴールド」が誕生」東京都農林総合研究センター園芸技術科
※ 「キウイフルーツ「東京ゴールド」」栽培ガイドブック 公益財団法人東京都農林水産振興財団
※ 「登録番号22590 東京ゴールド」 農林水産省品種登録データベース