●モロッコインゲンとは
モロッコインゲンとはヒラサヤインゲン(平莢隠元/ひらざやいんげん)の一種で、タキイ種苗が販売している品種の商標名です。やや大きい平ざやインゲンですね。
◆モロッコインゲンの来歴
この平サヤ種はもともと地中海沿岸で作られていた品種が1976年に国内に導入されたものとされ、アフリカのモロッコとはあまり関係がないようです。導入された当時モロッコを舞台にした映画「カサブランカ」が流行っていたことから、これにあやかって付けられたと言われています。
導入されて40年以上経つ現在も「モロッコインゲン」は人気があり各地で作られています。
また、現在は様々な種苗メーカーからいろいろな大きな平サヤインゲンの品種が販売されていますが、それらの総称的な名称にもなっています。
◆モロッコインゲンの特徴
モロッコインゲンのサヤは通常15~20cm、幅1.8cmほどですが、中にはもっと長いものもできます。
サヤは明るい緑色で、豆の部分のふくらみが分かりやすい。
サヤはやや厚みがありますが柔らかく、スジがないのが特徴です。
◆調理のポイント
モロッコインゲンは下茹でしてからいろいろな料理に使う場合が多いです。茹でる場合は出来れば切らずにまるのまま茹でることをお勧めします。大きいので鍋よりも口の広いフライパンなどがお勧めです。切って茹でると栄養が流失しやすいことと、中の豆がはずれて落ちやすいです。
浅く水を張り、吸い物位の塩加減にして沸騰させます。そこにモロッコインゲンを入れ、蓋をして蒸し煮のように加熱します。大きさにもよりますが2分程度茹でて氷水に放ち、一気に熱をとります。こうすることで鮮やかな緑色に仕上がります。
鞘が幅広く長いので、そのままの形で調理するとかぶりつくような食べ方になってしまいます。調理する際は適度な大きさに切りますが、斜めに細切りにしたり、縦に半分位に切ってから、さやに沿って細切りにするとシャキシャキした食感が楽しめます。
◆炒め物も下茹でした方が良い
炒め物の場合、下茹でせず、生のまま炒めても問題はありませんが、下茹でしたものを短時間で炒め揚げた方が色よく仕上がります。
パスタの具に使う場合はパスタと一緒に茹であげても良いでしょう。
◆モロッコインゲンを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトのモロッコインゲンを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
クックパッド | レシピブログ | 楽天レシピ |
●モロッコインゲンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
モロッコインゲンは全国各地で栽培され出荷もされています。インゲンに関する品種ごとの収穫量などの統計は探しても見当たらず、どこがどれくらい作っているのかは分かりませんが、スーパーなどでは暖かい鹿児島や沖縄県から出荷されているものをよく目にします。
また、モロッコインゲンは家庭菜園でも作りやすい品種で人気があります。
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◆モロッコインゲンの収穫時期と旬
モロッコインゲンは露地栽培の場合、夏から秋口の7~9月が収穫時期となります。
トンネル栽培では5~7月にかけてが収穫時期となり、ハウス栽培もされ、沖縄や鹿児島県からは冬に出荷されているものも多いです。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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モロッコインゲン |
< 出 典 >
※ 「すべてがわかる!「豆類」辞典」世界文化社 p.65
※ 「野菜品種カタログ」タキイ種苗株式会社