サツマイモ/甘藷(かんしょ):概要や産地と旬

さつまいも(サツマイモ)

ー 目 次 ー

  1. サツマイモの概要や特徴
    1. サツマイモとは
    2. 中国から伝わったから「唐芋」→薩摩藩から伝わったから「薩摩芋」
    3. 薩摩焼酎の原料にも
    4. 変わり品種も
    5. ホクホク系としっとり系
    6. 芋づる=サツマイモの茎も食べられます
  2. サツマイモの主な産地と旬
    1. 主な産地と生産量
    2. サツマイモの収穫時期と旬
  3. サツマイモの選び方と保存方法
    1. 美味しいサツマイモの選び方と保存方法
    2. サツマイモは冷凍保存できる?
  4. 家でも焼ける!美味しい焼き芋の焼き方と色々な食べ方や料理
    1. 美味しい焼き芋の焼き方
    2. 色々な食べ方と主な料理
  5. サツマイモの栄養価と効能
    1. サツマイモに含まれる主な有効成分とその働き
    2. 日本食品標準成分表2020年版(八訂)でみるサツマイモの栄養成分量
  6. サツマイモの主な品種一覧
    1. ホクホク系
    2. しっとり系
    3. 果肉がオレンジ系のサツマイモ
    4. 白いサツマイモ
    5. 紫芋
    6. その他サツマイモ関連

■サツマイモの概要や特徴

◆サツマイモ(薩摩芋/さつまいも)とは

分類: ナス目 > ヒルガオ科 > サツマイモ属 

学名:Ipomoea batatas (L.) Lam.

英語:Sweet potato 仏語:Patate douce

和名:さつまいも(薩摩芋)/かんしょ(甘藷)

別名:唐芋(からいも)

さつまいも(サツマイモ)の花

 サツマイモ(薩摩芋/さつまいも)はヒルガオ科の植物の肥大した根の部分で、甘藷(かんしょ)とも呼ばれ、原産地は中米ですが、今では世界中の生産の約9割がアジアで作られています。ある程度暖かいところで取れるので、日本では西日本が中心です。

 ヒルガオ科だけに、そっくりの花が咲きます。とは言っても、本州ではめったに咲くことはなく、咲いてもほとんど受粉せず種が出来ません。

●中国から伝わったから「唐芋」→薩摩藩から伝わったから「薩摩芋」

 日本には原産地の中米からではなく、中国を経由して伝わってきました。最初は1604年に琉球に伝わったとされています。その後100年近く経ってから種子島に伝わり、1700年代初めに薩摩藩が栽培を始めるようになりました。琉球や鹿児島など九州各地では中国から伝わってきた芋と言う事で「唐芋(からいも)」と呼ばれるようになりました。

 そして1732年の「享保の大飢饉」が西日本を襲います。そんな中サツマイモが一気に注目を集める事となり、江戸幕府の目にとまり徳川吉宗によって起用され、青木昆陽らによって江戸にも広まったとされています。なので、関東では薩摩藩から伝わった芋なので「薩摩芋(さつまいも)」と呼ばれるようになったようです。

●薩摩焼酎の原料にも

小金千貫

 鹿児島ではサツマイモが伝わった江戸時代から芋焼酎が盛んに作られるようになりました。鹿児島と言えば「芋焼酎」と言うほど浸透し、各家庭でも作られていたそうです。

 鹿児島で焼酎に使われるサツマイモは一般的に食用となっている品種とは少し違い、皮の色が白い小金千貫などが主に用いられてきました。

●変わり品種も

アヤムラサキ

 品種もいろいろあり、焼酎の原料にも使われる皮が白い「コガネセンガン」、果肉が見事な紫色をしている「ナカムラサキ」や「アヤムラサキ」、「パープルスイートロード」などもあります。いつもと違うこういったサツマイモを使うだけでも変化があって話題になりそうです。

●ホクホク系としっとり系

 かつては焼き芋と言えば「紅あずま」や「高系14号」の系統などほくほくして甘い芋が好まれる傾向にありましたが、最近は「安納芋」や「紅はるか」に代表されるようなしっとりして濃厚な甘さが楽しめる芋が人気ですね。

●芋づる=サツマイモの茎も食べられます

芋づる=サツマイモの茎

 芋づると呼ばれる、サツマイモの葉が付く茎の部分も食べられます。皮をむく手間がかかることもあり、大部分は家畜の飼料や肥料にされているようですが、昭和のはじめには家庭の食宅にもよく出されていたようです。

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■サツマイモ(薩摩芋/さつまいも)の主な産地と旬

●サツマイモの主な産地と生産量

サツマイモの主な産地と生産量

 このデータは政府がまとめた平成29年産のサツマイモの生産量です。最も沢山生産しているのはやはり何と言っても鹿児島で、全国の約35%を生産しています。その多くは焼酎の原料にもなっているのでしょう。次いで茨城県、千葉県となっています。

 サツマイモは全国全ての都道府県で作られてはいますが、北海道や青森など寒い東北地方ではその量がとても少ないです。

掘り起こしたばかりのサツマイモ 芋ほり

●旬は晩秋

 サザエさんなんかに出てくるような”落ち葉焚きで焼くサツマイモ”の印象がありますが、おいしいのもやはりその時期。収穫は8月ごろから始まり11月くらいまでです。ただ、採れたてがおいしいとは限らず、2~3ヶ月貯蔵して、余分な水分を逃がしてからのほうが甘みが増してホクホクとした美味しい物になるそうです。なので、旬は10月~1月頃。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
紅隼人                        
紅あずま                        
高系14号                        
宮崎紅                        
紅赤                        
安納芋                        
鳴門金時                        
大栄愛娘                        
五郎島金時                        
土佐紅                        
紅はるか                        
アヤムラサキ(紫芋)                        
アヤコマチ
(オレンジ芋)
                       
パープルスイートロード                        
種子島紫                        
カイアポ芋
(シモン芋)
                       
黄金千貫                        
紫唐芋