●男爵(だんしゃく)とは
「男爵」は明治時代に川田龍吉男爵がアメリカから取り寄せた品種を普及させ、以来、日本では最も広く栽培されているジャガイモです。丸くややゴツゴツした形で皮は剥きにくいですが、粉質で加熱調理するとほくほくした食感になるのが特徴です。
◆アメリカが原産の「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler)」
「男爵」は高知県出身の川田龍吉男爵が1908(明治41)年に北海道上磯町(現・北斗市)で海外から取り寄せたアメリカが原産の「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler)」という品種を試験栽培し、これを普及させたもので、当時正式な品種名が分からなかったこともあり男爵が広めた馬鈴薯という意味で男爵薯と呼ばれるようになったそうです。
「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler)」はイギリスでは別名「ユーリカ(Eureka)」とも呼ばれている品種です。
この品種は早生種で環境に対する適応性も高く、収量も多い上に収穫後の貯蔵性も高いと言うことで生産者にとってとてもありがたい品種として一気に広まっていったようです。
1928年にはメークインと共に北海道の優良品種に認定され生産の拡大が進み、その後全国でも栽培され現在でも国内のジャガイモ栽培面積の22%以上(H19年のデータ)を占め最も多く作られている品種となっています。
◆男爵薯の特徴
「男爵」の形は丸くややゴツゴツした形をしており、芽の部分のくぼみが深いので皮が剥きにくいという難点があります。
果肉は白っぽく粉質で、デンプン価は14~16%程となっています。加熱するとホクホクした食感が楽しめ、これぞジャガイモと感じさせてくれる香りがあります。
◆男爵(だんしゃく)薯の美味しい食べ方
粉質が強いため、ホクホクした食感に仕上がるのでジャガバターでお馴染みのベークドポテトやフライドポテト、茹でて潰してポテトサラダやコロッケなどに適しています。逆に煮ると崩れやすいので注意が必要です。
◆男爵(だんしゃく)薯の主な産地
男爵の主な産地は北海道です。北海道のジャガイモ栽培面積の中でも最も広く栽培されている品種となっています。
また、静岡県の浜松市の三方原台地と湖西市の白須賀台地で作られている男爵は「三方原馬鈴薯」という地域団体商標を登録し、全国でもトップクラスの品質の馬鈴薯を出荷しています。