ー 目 次 ー
●ブナシメジの概要と特徴
◆ブナシメジとは
分類: ハラタケ目 > シメジ科 > シロタモギタケ属 > ブナシメジ
学名:Hypsizygus marmoreus (Peck.) Bigelow
和名:ぶなしめじ/橅占地/橅湿地
別名:単に”しめじ”、ほんしめじ
ブナシメジはシメジ科シロタモギタケ属のキノコで、かつてはキシメジ科とされていたため、現在出回っている書籍などでもキシメジ科と書かれているものが多くみられますが、近年のDNAの塩基配列に基づく系統解析により新たにシメジ科が独立した科として分けられたので、シメジ科としている情報の方が新しいということです。
今日菌床栽培の発達により食用きのこを代表する存在となっていますが、天然物は全国に分布していながら、収穫・流通するのは極まれにしかありません。
天然物のブナシメジは秋にブナの倒木や切り株、枯れ木などに群がるように生えるキノコです。ブナ以外にもニレやサワグルミ、トチノキやカエデ等他の広葉樹でも見られる事があります。
栽培物とは少し様子が違い、傘の色は象牙色から黄褐色で栽培物よりも色が薄く、中には純白色になる物もみられます。傘の表面には大理石のような模様が入っているのが特徴で、傘は大きいものだと15cm程にもなります。
◆菌床栽培ブナシメジの来歴
一般によく目にするブナシメジは、おがくずと栄養材を固めた菌床で栽培されたもので、1972(昭和47)年にタカラバイオが長野県の上郷農協と、世界で初めてぶなしめじの人工栽培を始めました。その後1978(昭和53)年からは長野県経済連と契約し栽培が一気に長野県の広範囲に広がりました。
それまでは菌床栽培のヒラタケが「シメジ」として広く流通していたこともあり、それよりも食感や見た目がいい栽培物のブナシメジは「やまびこ本しめじ」など、「**ホンシメジ」として販売され、消費者に人気となり、ヒラタケの「シメジ」からシェアを奪っていきました。
しかし、本来「ホンシメジ」という品種は、このブナシメジとは別の品種であることから、1991年に林野庁からその名称での販売を止めるよう通達が出され、それ以降「ブナシメジ」として流通し、現在ではこの名称が定着していますが、一般に単にシメジと言えばこの菌床栽培されたブナシメジを指すほど広く一般の家庭で日常使われるキノコとなっています。
◆ブナシメジの特徴
菌床栽培物のブナシメジは瓶栽培されたものが株のまま収穫されパック叉は袋に詰められて出荷されているものが大半ですが、ブロック栽培されたものもあります。ブロック栽培では床が広いこともあり、大型になる傾向があります。
また、株のままの状態で出荷されるものと、1本ずつばらした状態でパック詰めされ、”カットぶなしめじ”として出荷されるものなどがあります。
いずれも、傘は饅頭型で淡褐色から褐色で、傘の表面にはマーブル模様があります。柄の部分は象牙色で、根元から傘の下まで比較的同じ太さのものが多いです。
肉質は弾力性があり、焼くとシャキシャキと歯ごたえがよく、茹でるとプリッとした食感で、苦みやクセがなく色々な料理に使えます。
●ブナシメジの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
流通しているブナシメジのほぼ全ては栽培されたものです。令和3年産の特用林産基礎資料によると、主な産地は長野県で、全国の4割以上を占めています。次いで新潟県19%、福岡県12%となっており、この3県だけで7割近くを賄っていることになります。
令和4年の生産量は123,134トンで、前年比3.0%増となっています。
◆天然のブナシメジの収穫時期と旬
栽培物は施設内で作られているので当然通年栽培され旬はありません。価格も通年家計に優しい手頃の価格で安定しています。
天然物は秋にブナたトチノキ、カエデ等が多い広葉樹の林で倒木や切り株、枯れ木などに生え収穫出来ます。時期は地方にもよりますが、8月下旬頃から11月頃で、旬は9月下旬から11月初旬となります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ブナシメジ(天然) |
< 出 典 >
※ よくわかるきのこ大図鑑 小宮山勝司著 永岡書店 p.68-69
※ きのこ検定 公式テキスト p.69
※ かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典 成美堂出版 p.158
※ 「南信州の条件を生かすみなみ信州のきのこ」 JAみなみ信州
* 「きのこの雑学・ぶなしめじの雑学」株式会社キノックスホームページ