大黒本しめじ/ホンシメジ:来歴や特徴と産地と旬

京丹波 大黒本しめじ

●大黒本しめじの概要と特徴

◆ホンシメジとは

分類: ハラタケ目 > シメジ科 > シメジ属

学名:Lyophyllum shimeji(Kawamura) Hongo

和名:ほんしめじ/本占地/本湿地

別名:ダイコクシメジ/大黒しめじ

 ホンシメジはシメジ科シメジ属に分類されるキノコの一種です。かつてはキシメジ科とされていたため、現在出回っている書籍などでもキシメジ科と書かれているものが多くみられますが、近年のDNAの塩基配列に基づく系統解析により新たにシメジ科が独立した科として分けられたので、シメジ科としている情報の方が新しいということです。

 天然のホンシメジはコナラやアカマツの林に秋になると発生し、時に大きな群生も見られます。カサの下の柄の部分がとっくり状に膨らむのが特徴で、味香り共に非常に美味なきのことして古くから好まれてきました。しかし、シイタケのような栽培が出来ず、天然物の収穫量も非常に少ないことから希少性もあいまって非常に高価なきのことなっています。

◆大黒本しめじの来歴

 これまで栽培が難しかったホンシメジですが、タカラバイオの研究によって品種改良がすすめられ、天然のホンシメジに近い栽培可能なきのこが生み出されました。

大黒本しめじ

 これが現在「大黒本しめじ」の商品名で流通しているきのこです。2004年から三重県のタカラバイオの施設で生産が開始され、その後京都府京丹波町でも、タカラバイオと京丹波町、京丹波森林組合が共同出資による第三セクターとして瑞穂農林株式会社を設立し、「大黒本しめじ」を生産しています。2015年には三重県での生産を終了し、京都だけとし、同社が生産する「大黒本しめじ」が「京のブランド産品」として認証されています。

 2019年にタカラバイオ株式会社から「大黒本しめじ」を含めたキノコ事業が株式会社雪国まいたけに事業譲渡され、現在は本種の権利など全て雪国まいたけが所有し管理しています。

◆大黒本しめじの特徴

 大黒ほんしめじは傘の直径は4cm程から大きいものでは8cmほどあり、傘の色は淡褐色から褐色で、軸は白く、軸がふっくらと丸く膨らんでいるのが特徴です。

京丹波 大黒本しめじ

 風味は天然物にはかなわないようですが、それでも外見、食感、風味共にこれまで栽培されてきたブナシメジハタケシメジより格段に優れています。ただ、付加価値が高いため価格も高く、高級な料理店やレストランも使われています。

 食感はコリ頃とした歯触りがあり、”香り松茸、味しめじ”と言われるように、噛むほどに旨味が染み出してきます。

大黒本しめじの断面

●大黒本しめじの主な産地と旬

◆栽培物の「大黒本しめじ」の産地

京丹波 大黒本しめじ

 タカラバイオで生産されている「大黒本しめじ」は三重県四日市と京都府京丹波町が生産拠点となっていましたが、2015年に京丹波町だけになり、「京のブランド産品」となっています。

 生産は温度や湿度を管理された施設内で行われており、季節を問わず年間通して出荷されています。

◆天然物は市場にはほとんど流通していません

 天然のホンシメジは市場に入荷される量は非常に限られています。そのほとんどは岩手県や福島県など東北地方で収穫されているようです。インターネットでの産直販売もされています。

◆天然物は秋が旬

 天然のホンシメジは9月下旬頃から11月初旬あたりまでが収穫時期となります。

品種 9月 10月 11月 12月
大黒本しめじ                        

< 出 典 >

※ 「タカラバイオ【ハタケシメジ】」2014年10月のP-プラス青果物 住友ベークライト株式会社

※ 「京丹波大黒本しめじが京のブランド産品に認証」タカラバイオ株式会社 ニュースリリース2015年09月25日

※ 「キノコ事業譲渡に関するお知らせ」タカラバイオ株式会社 2018/12/14