●八代オクラとは

 八代オクラは兵庫県豊岡市日高町八代地区で1960年頃から自家用として作られてきたオクラです。一般的な五角オクラよりも太く、長さ8~12cmほどで切った断面が八角以上の星形になり、肉厚で粘りが強いのが特徴です。

◆八代オクラの来歴

八代オクラ 伝統野菜

 八代オクラは兵庫県豊岡市日高町八代地区で1960年頃から自家用として作られてきたオクラです。かつて八代地区よりさらに山の奥にある集落で作られてきたそうですが、そこの方が八代地区に移住した際に種子を持ち込み、この地区に広まったと言われています。

 八代地区では数件の農家が自家用に栽培を続けていたのですが、近年になり在来種を見直す動きが盛んになる中、八代オクラも2018年頃から地域のコミュニティー「八代おもいやりネット」などを中心に栽培の拡大がすすめられ、2019年から大阪の市場を中心に出荷も始まりました。

◆八代オクラの特徴

 八代オクラの果実は直径2.5~3cmと一般的な五角オクラよりも太く、長さ8~12cmほどで収穫されます。

八代オクラ 伝統野菜

 切った断面が八角以上のやや不規則な星形になり、肉厚で粘りが強いのが特徴です。大きく長くなっていても比較的柔らかく、生のままでもサクサクと歯切れがいい食感が楽しめます。

伝統野菜 八代オクラの断面

 一見、海外品種の「ダビデの星」(下の写真)に似ていますが、それよりも長く、角も「ダビデの星」よりも不規則で自然な感じです。

オクラ ダビデの星の断面

 撮影した八代オクラは八代地区日高町猪爪で長らく栽培されてこられた吉岡亮氏が出荷されたもの。

●八代オクラの美味しい食べ方と料理

伝統野菜 八代オクラの断面

◆調理のポイント

 八代オクラは生のままでも歯切れのいい食感で美味しく、さっと茹でて刻むと粘りもしっかりと出てきます。

 基本的には一般的なオクラと食べ方は同じです。

◆八代オクラの素焼き

 八代オクラをグリルで素焼きしたもの。

八代オクラの素焼き

◆八代オクラの和え物

八代オクラの胡麻和え

胡麻和え

 サッと茹でて刻んだ八代オクラにすりごまと出し醤油を和えたもの。


八代オクラの海苔と生姜醤油和え

海苔と生姜醤油和え

 生のまま薄くスライスした八代オクラにおろした生姜と細かくちぎった海苔をまぶし、出し醤油を懸けていただく。

◆八代オクラの煮びたし

 出汁に醤油とみりんを加え、ひと煮立ちさせた中に八代オクラを加え、1分ほど煮てから火を止めてそのまま冷まします。

伝統野菜 八代オクラの煮びたし

 適度な歯触りが残り、食べると出汁が染みた粘りも出て美味しいです。

◆八代オクラの豚バラまき

 生の八代オクラに豚バラの薄切り肉を巻き、フライパンで全体に焼き色が付くように焼いてから酒、醤油、みりん、砂糖を合わせた照り焼きのタレ(焼き肉のたれでも可)を加え、煮詰めるようにしながら全体に良く絡める。

伝統野菜 八代オクラの豚バラまき

●八代オクラの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

八代オクラ 伝統野菜

 八代オクラは2017年以前より生産・販売されてきた吉岡亮氏をはじめ、地域のコミュニティー「八代おもいやりネット」の呼びかけもあり2023年は9軒の農家が22アールの畑で栽培し、およそ2トンの収穫を見込まれているそうです。

 購入したい場合は産地周辺の直売所か、兵庫県豊岡市日高町にあるスーパー「ガンピー穀物倉庫」さんで扱われています。

◆八代オクラの収穫時期と旬

 八代オクラは7月20日頃から収穫・出荷が始まり、10月上旬までとなっています。

品種 7月 8月 9月 10月
八代オクラ                        

< 出 典 >

※ 八代オクラ 提供:ガンピー穀物倉庫 稲垣 善麿

※ 「伝統野菜「八代オクラ」出荷最盛 猛暑で品質良く」JAたじま たじまで農業 活動レポート 2022.08.08

※ 「「八代オクラ」の収穫が最盛期 豊岡市日高町の伝統野菜」サンテレビニュース 2023/08/22