マイタケ/舞茸(まいたけ):概要や特徴と産地と旬

舞茸(まいたけ)「極」 大株

●舞茸(まいたけ)の概要と特徴

◆舞茸(まいたけ)とは

分類:ヒダナシタケ目 > サルノコシカケ(多孔菌)科 > マイタケ属 > マイタケ

学名:Grifola frondosa (Dicks.) Gray

英名:Hen of the Woods、Maitake mushroom

中国名:灰樹花、舞菇

和名:まいたけ/舞茸

別名:マエダケ

 マイタケはサルノコシカケ科あるいはタコウキン(多孔菌)科に分類されるマイタケ属の一種で、天然物は世界中の温帯地域に分布し、ミズナラやクリ、サクラ、ブナなどの落葉広葉樹の老木の根元に発生します。日本ではほぼ全国で採れ、香りや食感、味が良いことから古くから食用とされてきたキノコの一つです。

 毎年のように同じ木の同じ場所に生えると言われ、キノコ採りの人は見つけても決して人にその場所は教えないとされています。また、その生え方は、大木の根元に数株、大きい株だと10キロ以上の塊になって生えていたりするので、一か所で数kgから多いときは70~80kgも採った人がいるそうです。

◆舞茸(まいたけ)の名前の由来

 「舞茸」という名前の由来にはいくつかの説があり、よく聞くのは、このきのこは人気があるうえ、一か所に数十kgもあったりすることから『見つけると舞い踊って喜ぶことから』というもの。

 また、マイタケの傘が重なり合っている様子が舞っているように見えるからという説もあります。

 その他にも、祭事に使うマイタケは三度舞を舞ってから採るという慣わしがあった事に因むという説もあります。

 平安時代に書かれた『今昔物語集』の中には、あるキノコを食べた女性達が舞い踊ったことから、舞茸と呼んだというようなことが書かれているのですが、マイタケにはそういった幻覚作用などを引き起こす毒はなく、別のキノコを食べたのだと考えられています。

◆舞茸(まいたけ)の特徴

舞茸(まいたけ)

 マイタケは根元から伸びた柄が枝状に分岐し、その先にヘラ状、あるいは扇状の傘がついていますが、柄と傘の境界ははっきりしていません。天然のマイタケは、一株が50cm以上、重さ10kg以上になることもしばしばあるようです。

舞茸(まいたけ)の裏側

 マイタケはサルノコシカケ(多孔菌)科のキノコで、傘の裏にヒダは無く、円形から不生円形の小さな管孔に覆われています。

 傘の表面の色は白っぽいタイプから黒っぽいタイプまであり、大きく白系、茶系、黒系の3つに分けられます。

 白系・・・シロマイタケと呼ばれ、大株になる傾向がありますが、大きさの割には軽く、食べた時の歯切れが悪く、食味的には劣ると言われています。

 茶系・・・チャマイタケやアメイロマイタケなどと呼ばれるもので、大株でしかも株数が多い傾向があり、肉厚で、舌触りや歯切れがよく食味が良い。

 黒系・・・クロマイタケ、ビロードマイタケなどと呼ばれるもので、発生する時期が遅く霜の降る頃にみられ、株は小ぶりで形が良く、大きさの割にずっしりと重みがあり、また、株数が多い傾向があります。食味ももっともよく、特に霜が降る頃に採れたものはシモフリマイタケと呼ばれ最上級品として扱われています。

◆栽培物の舞茸(まいたけ)

舞茸(まいたけ)「極」 大株

 マイタケはよくスーパーなどでも売られていますが、そのほとんどは栽培物です。マイタケの人工栽培は1970年代に菌床からの栽培方法が開発され、1981年頃には生産が定着しました。そして1983年に新潟県で創業した(株)雪国まいたけが大規模施設空調型周年栽培による生産販売を始めたことで一気に市場が拡大し、”マイタケ”と言えば雪国まいたけと言えるほどシェアを延ばして来ましたが、2000年にそれまでブナシメジやエリンギでシェアを占めていたホクトがマイタケの生産分野に参入、現在では季節問わずどこでも普通に手に入る身近なキノコの一つになりました。

 栽培物にも原木を使い天然に近い環境で栽培したものと、おがくずを使った菌床を使った「袋栽培」や「ビン栽培」されたものなどがあります。また、一般的な淡黄色から黄褐色のものの他、真っ白の白マイタケや、傘が黒っぽい黒マイタケなどがあります。

●舞茸(まいたけ)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 市場に流通しているマイタケはほとんどが栽培されたものです。2021年産特用林産基礎資料の集荷量を見ると、全国で5.45万トンとなっており、主な産地は新潟県で36,680トンと全国の約67%を占めています。

全国の舞茸集荷量

 次いで静岡県、福岡県、長野県、北海道となっています。新潟県の生産量が大きいのは、大手きのこ生産企業である株式会社雪国まいたけの大規模生産施設が新潟にあることによるところが大きい。2020年産のマイタケ生産量で見ると全国の約52%を雪国まいたけが占めていたそうです。

◆舞茸(まいたけ)の収穫時期と旬

 天然のマイタケは9月下旬頃から10月頃の秋に発生します。

 栽培物は通年出荷されていますが、最も多く売れる時期は晩秋から冬にかけて、「鍋」の季節だそうです。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
舞茸(まいたけ)                        

< 出 典 >

※ よくわかるきのこ大図鑑 小宮山勝司著 永岡書店 p.186-187

※ きのこ検定 公式テキスト p.65

※ かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典 成美堂出版 p.159

※ 「きのこ採りシリーズ② マイタケ(舞茸)」森と水の郷あきた あきた森づくり活動サポートセンター

※ 「雪国まいたけグループ きのこ生産量シェア」雪国まいたけグループの事業概要と成長戦略 2022 p.12 株式会社雪国まいたけ

※ 「きのこの雑学・まいたけの雑学」株式会社キノックスホームページ