●グリーンボールとは

 「グリーンボール」はサカタのタネが開発した”丸玉”あるいは”ボールキャベツ”と呼ばれるタイプのキャベツの銘柄ですが、今では丸玉キャベツの総称にもなっています。主な産地は茨城県や北海道、長野県、群馬県などで、産地をリレーしながらほぼ通年流通しています。

◆グリーンボールの来歴

 「グリーンボール」はサカタのタネが開発した”丸玉”あるいは”ボールキャベツ”と呼ばれるタイプのキャベツのF1銘柄で、「コペンハーゲンマーケット」というヨーロッパの品種をもとに交配されています。それまで丸い形のキャベツは芯の部分に花芽が形成され塔立ちした、食味が良くない状態のものとされていたのですが、本種の登場によりその概念が覆されることとなりました。

 1980年頃から市場に出回り始め、それ以降食味の良さなどから栽培が広がり、他の種苗メーカーからも同様の丸玉タイプの銘柄が様々な名称で販売されるようになりましたが、市場や店舗ではそういった丸玉キャベツも区別することなく”グリーンボール”と呼ばれ、丸玉タイプのキャベツの総称となっています。

 主な銘柄には以下のような銘柄があります。いずれもF1品種です。

  1. サカタのタネ  「グリーンボール」「アーリ―ボール
  2. タキイ種苗  「マルシェ」「ジャンヌ」「レンヌ」
  3. カネコ種苗 「清月」「爽月
  4. トーホク 「早どりボールキャベツ」
  5. 大和農園 「ボールランナー」「ハイボール
  6. 渡辺採種場 「スピードボール2
  7. 小林種苗 「プリンスボール
  8. トキタ種苗 「55ボール

◆グリーンボールの特徴

 グリーンボールと呼ばれている丸玉キャベツは名前の通り球形に結球するタイプで、多くのものが1kgほどで収穫されます。また、その名の通りきれいな緑色で、葉はしっかりと巻いており、寒玉ほどではありませんが春玉よりも密に詰まっています。

キャベツ グリーンボール

 外側の緑から中心部の淡黄色までが綺麗なグラデーションになっているものが多く、葉に厚身があり甘く柔らかいのが特徴です。また、栄養的にも、普通のキャベツより多く含まれています。

◆グリーンボールのお勧めの食べ方

 グリーンボールは葉に厚みがありながら食感は柔らかく、生のままコールスローにすると甘みがありお勧めです。また、浅漬けにも向いています。

 葉に厚みがあり、緑色が綺麗なので炒め物にしても食感がよく、また色映えもします。

●グリーンボールの主な産地と旬

キャベツ グリーンボール

◆主な産地と生産量

 グリーンボールをはじめとする丸玉キャベツは全国各地で作られています。キャベツは品種ごとの統計がなく詳しい生産量は分かりませんが、主な産地は茨城県や北海道、長野県、鹿児島県などです。

 その他、群馬県嬬恋村や兵庫県淡路島なども産地としてよく知られています。

◆グリーンボールの収穫時期と旬

 グリーンボールをはじめとする丸玉キャベツは産地によって収穫時期に違いがあり、産地を変えながら通年市場には出回っています。そのなかでも市場に沢山出回るのは5月から6月にかけてです。

 主な産地の出荷時期は茨城県では3月下旬頃から6月上旬辺りまで、北海道では5~6月にかけて、長野県では5月下旬頃から7月中旬にかけての初夏と、9月下旬頃から11月上旬の秋、高原にある群馬県の嬬恋村では夏から秋にかけて、そして暖かい鹿児島県では12月から2月にかけてとなっています。

グリーンボール 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
茨城県                        
北海道                        
長野県                        
群馬県                        
鹿児島県