●菊池水田ごぼうとは
「菊池水田ごぼう」は、熊本県の北東部の菊地域の水田で栽培される、肌が白く真っ直ぐで柔らかく、あくが少ないごぼうです。
◆菊池水田ごぼうの来歴
菊池地域では昭和40年以前は畑でごぼうが作られていましたが、根長が短かったり連作障害などの問題がありました。1965(昭和40)年に菊池市内の全農協が旧菊池市農協として合併され、稲作収穫後の水田で栽培してみてはどうかと試験が行われたところ品質が良いゴボウが作れることが判明し、それ以降、本格的に水田での栽培が広まっていきました。1967(昭和42)年には共販も始まり、昭和44年にはトレンチャーによる深耕が始められ、現在のような曲がりがなく適度な根長のゴボウが作られるようになりました。
1970(昭和45)年に現在栽培されている品種「渡辺早生」が選定され1982(昭和57)年から本格的に首都圏への出荷が開始されました。
菊池水田ごぼうは香りがよく、色が白くて柔らかく、アクが少なくアク抜きの手間が不要なことなどから広く知られるようになりました。
2019(平成31)年3月に「第74号:菊池水田ごぼう」として地理的表示(GI)産品に登録されています。
◆菊池水田ごぼうの特徴
菊池水田ごぼうは滝野川系の早生品種「渡辺早生」が用いられており、一般的な滝野川ゴボウよりもやや短く、水田で作られることにより肌色が白く、アクが少ないのが特徴です。
また、香気の良さも持ち味となっています。
「菊池水田ごぼう」として市場出荷されるものは、収穫後にごぼうを洗い、泥やひげ根を取り除いてから流水にさらしてアク抜き処理されています。ただ、産地では土付きのままの状態のものも販売されています。
菊池水田ごぼうに用いられている「渡辺早生ゴボウ」は渡辺正好氏(東京都練馬区)が滝野川ごぼうから選抜し、1950(昭和25)年に種苗名称登録を受けた早太り系の固定種で、早掘りすることで肉質が柔らかく、香り豊かな牛蒡となっています。
●菊池水田ごぼうの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「菊池水田ごぼう」として出荷できる産地は地理的表示(GI)保護制度により熊本県の菊池市、合志市、菊池郡大津町、菊池郡菊陽町に限定されています。
2023年の生産者は93戸で、145ヘクタールほどとなっています。
◆菊池水田ごぼうの収穫時期と旬
菊池水田ごぼうは主に稲刈りを終えた水田に11月に種子を播き3月から6月にかけて収穫されます。最盛期は4月から5月にかけてで、6月末頃まで続きます。
また、夏に播種し、冬に収穫される冬ごぼうも作られており、こちらは12月中旬頃から出荷が始まり、3月中旬頃までとなっています。
菊池水田ごぼう | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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春ごぼう | ||||||||||||
冬ごぼう |
●菊池水田ごぼうの写真ギャラリー
各画像をクリックしていただければ拡大画像がご覧いただけます。
撮影機材: CANON EOS R5 , RF28-70mm F2 L USM, RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
ロゴなし元画像サイズ:約4500万画素 8192X5464pix 72dpi RAWデータあり
< 出 典 >
※ 「菊池水田ごぼう」地理的表示産品情報発信サイト 日本地理的表示協議会
※ 「特産「菊池水田ごぼう」の収穫最盛期 菊池市」NHK 熊本 NEWS WEB 2023年4月24日
※ 「渡辺早生ゴボウ」江戸東京野菜について JA東京中央会
※ 「「菊池水田ごぼう」の長期出荷体制を目指して」2023年のエリア普及現地情報 Aguriくまもと