アスパラガス
ー 目 次 ー
●アスパラガスの概要と特徴
◆アスパラガスとは
分類:キジカクシ目 > キジカクシ科 > クサスギカズラ属(キジカクシ属) > アスパラガス
学名:Asparagus officinalis L. (1753)
英名:asparagus 仏名:asperge
中国名:石刁柏、芦笋、龙须菜
和名:オランダキジカクシ
別名:オランダウド、マツバウド
アスパラガスは地中海東部が原産とされるキジカクシ科(旧体系ではユリ科に分類されていましたが、近年のAPG分類体系で変わりました)の多年生草本植物で、地上に伸びてくる新芽の茎を食用とします。種を植えてから2年から3年たたないと収穫できるまでにならないのですが、その後10年間くらいは同じ株で次々と芽が出てくるそうです。日本名は「オランダキジカクシ」となっていて、成長して葉が茂ると雉(きじ)が隠れるほどになるという事からだそうです。
食材としての歴史は古く、紀元前2000年頃のローマ時代には既に栽培されていた記録があるそうです。日本に持ち込まれたのはオランダ船による貿易が行われていた江戸時代ですが、当時は主に観賞用だったようで、食用として栽培されるようになったのは明治時代に北海道の開拓が進められたころとなっています。
◆グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの違い
両者は品種の違いではなく、栽培方法が違うだけです。
よく見かけるグリーンアスパラガスは芽が出るままにし、日光に当てるので葉緑素が沢山作られ色がつきます。
一方、ホワイトアスパラガスは芽が出る春先に土を盛り芽を日に当てずに伸ばし、いわゆる軟白栽培をしたものです。
味的には、グリーンの方はやや青臭みがありまが、その分栄養価は高く、カロテンなども多く含まれています。ホワイトアスパラガスはというと、軟白栽培というだけに、食感が柔らかく、ほんのりと甘みがあって、青臭さがありません。その分逆に栄養面ではグリーンのものより劣ります。 でも、栽培に手間がかかる上、傷みやすいので流通量が少なく値が高いです。
◆アスパラガスの種類
グリーンアスパラガス
一般的な黄緑色のアスパラガス。主な品種には1960年代にアメリカから導入されたメリーワシントン500Wや近年多くみられるアメリカ系品種のウェルカムやバイトル、それにオランダ系品種のガインリムやヴェンリムなどがあります。
名人のグリーンアスパラガス
アスパラガスの栽培名人と言われる、山形県のある生産者がつくる極太のグリーンアスパラガスで、生のままかじっても甘くておいしい。
ロングアスパラガス「さぬきのめざめ」
香川県が開発した、生長しても穂先が開きにくく、通常の2倍ほどの長さでも収穫できるのが特徴の香川県オリジナル品種のアスパラガス
ミニアスパラガス
長さが10cmほどの細く小さなもの。ほとんどがタイなどから輸入されているものですが、国産のものもある。
パープルアスパラガス(紫アスパラガス)
表皮の部分にアントシアニン系の色素を多く含み、鮮やかな紫色をした品種です。
ホワイトアスパラガス
日光に当てずに栽培することで葉緑素が作られず白い状態で収穫されたものです。軟白栽培のため柔らかく、甘味を感じます。
●アスパラガスの主な産地と旬
◆アスパラガスの主な産地
アスパラガスは全国各地で栽培され市場に出荷されています。2020(令和4)年産の野菜生産出荷統計を見ると、この年の全国の収穫量は約26,000トンとなっており、2010年の31,400トンをピークに徐々に減少傾向にあります。
主な産地は北海道で、次いで熊本県、佐賀県と続いています。
◆アスパラガスの食べ頃の旬
アスパラガスは春先から芽が出始め、秋まで収穫できます。また、いろいろな栽培方法があり、冬でも少量出荷されており、輸入ものもあわせて通年店頭にも並んでいるのであまり旬を意識しない食材ではあります。しかし、最もおいしい時期はやはり露地栽培で春から初夏にかけての旬に採れたての物であることは言うまでもありません。
栽培方法にもよりますが、立茎栽培という手法では、春に「春芽」を収穫した後、一株に4~5本残しておくことで、それを親としてその後9月頃までその親の根元から芽が出てくるそうです。この後から出てくるものを「夏芽」といいます。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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グリーンアスパラガス | ||||||||||||
ホワイトアスパラガス |