●「いろどり」とは
◆果皮と果肉が赤いリンゴ
「いろどり」は長野県中野市で長年赤肉リンゴの育種研究をされている吉家一雄氏が「紅玉」と「ピンクパール」を交配し、育成した果皮と果肉が赤いリンゴで、2017年に種苗を出願及び公表、2018年に品種登録されています。
果肉が赤いリンゴとしては青森県の弘前大学が育成し2010年に品種登録された「紅の夢」が話題となりすでに市場に出回っていますが、これで赤い果肉のリンゴに、さらに選択肢が増えたという事になります。また、この「いろどり」をもとに「なかののきらめき」という皮が黄色い赤肉リンゴも生まれています。
◆「いろどり」の特徴
「いろどり」は果重300~350gでやや扁平な形をしています。果皮は全体に濃いめの紫赤で濃色の縦縞が見られます。
果肉は断面を見てわかるように芯の部分とその近くを除いて薄い紅色となっているのが特徴です。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさは大、果実の形は扁円形、果実の王冠の強弱は無又は弱、果実のがくの開閉は大、
果皮のろう質の多少は中、果面の粗滑はやや滑、果皮の地色は黄、果皮を被う色の面積は極大、果皮を被う色は紫紅、果皮を被う色の濃淡は濃、果皮を被う色の型は明瞭なしま模様を伴った全面着色、
梗あ周辺のさびの量は無又は小、果実側面のさびの量は無又は小、がくあ周辺のさびの量は無又は小、果点の数はやや多、果点の大きさは中、スカーフスキンの多少は無、
果柄の長さは中、果柄の太さはやや太、梗あの深さは中、梗あの幅は中、がくあの深さは中、がくあの幅は中、
果肉の硬さは硬、果肉の色は帯桃、果実の甘味はやや高、果実の酸味は低、果実の蜜の多少は少、果心の形は円錐形、開花始期は中、収穫期はやや晩である。
-----』 以上、抜粋。
◆実際に食べてみた「いろどり」の食味
今回入手した「いろどり」は11月中旬に大阪中央卸売市場に入荷されたもので、5kg16玉入り、ひと玉300~350gでした。
果肉はかなりしっかりとした硬さがあり、果汁もたっぷりと含んでいました。
食べてみると、強い甘みと共に程よい酸味が広がり、後口に少し渋みもかんじます。食感の強さは「紅玉」の特徴を受け継いでいるようです。「紅の夢」と比べると「いろどり」の方がやや果肉の赤味が鮮やかで強く、酸味は少し少ない気がします。
●「いろどり」の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「いろどり」は現在苗木の販売が長野県中野市内に限定されているようです。したがって当面は長野県産しか出回らないという事です。
まだ品種登録されたばかりの品種であり、生産量は極わずかです。今後徐々に増えると思いますが、個性が強いこともあるので色物的な扱いとなりそうです。
◆「いろどり」の収穫時期と旬
「いろどり」の熟期は10月下旬とされています。市場に出回る期間は生産量が少ないことからとても短く、10月下旬ごろから11月中旬ごろまで。見つけた時が買い時です。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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いろどり |
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