ピーマンやパプリカ

ピーマン

●ピーマンとパプリカの概要と特徴

◆ピーマンとは

分類: ナス目 > ナス科 > トウガラシ属 > トウガラシ(種) > トウガラシ栽培品種

学名:Capsicum annuum 'Grossum'

英名:Bell pepper、Sweet pepper

仏名:poivron

和名:ピーマン、パプリカ(肉厚なタイプ)

 ピーマンはナス科トウガラシ属の栽培品種を指す総称で、パプリカや、獅子唐辛子などと同じ唐辛子の仲間です。

 ピーマンという名称はフランス語の「piment(ピマン)」またはスペイン語の「pimiento(ピメント)」という唐辛子を指す言葉が由来になっています。

 日本でピーマンと言えばお馴染み袋に入ったグリーンのピーマンをイメージしますが、カラーピーマンジャンボピーマンなど色々なタイプの物が出てくると、どこからがパプリカでどこまでがピーマンなのか分からなくなりますよね。そもそもピーマンもパプリカも植物学的な分類では同種として扱われており、その境界は無いのと同じで、生産者や売り手が判断していると思っていいでしょう。

ピーマンの木 実がなっているところ クリックで拡大

●ピーマンの味に関して

 概して、普通のピーマンは若採りのためか、やや青臭さや苦味があるのに対し、ベル型ピーマンは甘みがあり、苦味があまり感じられません。ベル型の赤ピーマンだからこそできる「赤ピーマンのムース」です。また、普通のピーマンは若取りのため赤くなく、辛くないということは、唐辛子特有のカプサイシンもほとんど含まれていません。

 ピーマンの苦さは、ポリフェノールの一種「クエルシトリン」にピーマン特有の臭いが加わって感じることが、2012年3月、タキイ種苗(京都市下京区)とお茶の水女子大生活科学部の森光康次郎准教授らの共同研究で分かったそうです。(京都新聞による記事) この「クエルシトリン」が通常の10分の一以下しかなく、苦味がほとんどない品種「子どもピーマン」というのもタキイ種苗から2010年に販売が始まっています。

 このページの下にもピーマンの主な種類一覧を載せているのでご覧ください。

●ピーマンの分類 パプリカもピーマンの一種

 パプリカをはじめとするカラーピーマンは大きく分けると5つのタイプがあります

パプリカ ベル型ピーマンで、肉厚で大きい

ジャンボピーマン 長いベル型ピーマンです。パプリカほど肉厚ではありません。

トマトピーマン 名前のように、やや扁平でトマトのような形をしているものです。このタイプは比較的糖度が高い物が多いようです。

色つきのカラーピーマン 普通のピーマンと同じ形や大きさで色が付いているもの

唐辛子型ピーマン 唐辛子のような細長く先がとがった形をしているもの

こういった様々なタイプのピーマンやパプリカの一覧はこちら →

■ピーパンの産地と生産量と美味しい旬

●ピーマンの全国生産量ランキング

 政府がまとめた2019年産の生産出荷統計をみるとピーマンの主な産地は茨城県と宮崎県で、次いで鹿児島県や高知県となっています。鹿児島県までの上位3県で全国の約半分を生産している事になります。(下のデータはししとう含むピーマン全体の収穫量からししとうの収穫量を差し引いた数値を表しています。)

ピーパンの産地と生産量

 この他の地方でも、ピーマンは栽培しやすい野菜なので、旬の時期には各地で地の物が店頭に並んでいると思います。

●ピーマンの出回り時期

畑になっているピーマンの様子

 ピーマンは全国的に作られ、また、冬でも宮崎や高知などでハウス栽培されてものが安定して出荷され通年市場には出回っています。

 また、ベル型は韓国をはじめオランダやニュージーランドなどから常に輸入されているので、ほとんど季節を問わず手に入ります。

●ピーマンの旬は

 露地栽培での収穫時期は6月~9月頃で、その夏の時期が最も安く沢山出回る美味しい旬の時期となります。

ピーマン 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
露地物                        
ハウス物