●赤らっきょう/越のレッドとは

 赤ラッキョウもしくは紫ラッキョウと呼ばれている鱗茎の表皮が赤紫色のラッキョウがありますが、在来種の小ぶりの紫ラッキョウのほか、福井県で開発された「越のレッド」という品種があります。ここではこの「越のレッド」について紹介します。

◆赤らっきょうの来歴

 「越のレッド」は福井県農業試験場において、1989(平成元)年に「ラクダ系福井在来」というラッキョウ品種に、タマネギである「淡路中高黄」を交配し、子房培養によって育成された種間雑種から選抜、育成され、1997(平成9)年に種苗法に基づき登録出願、2000(平成12)年に品種登録されています。

 「越のレッド」はいわゆるラッキョウとタマネギのハイブリッド種です。そんなことから品種登録の出願時の名称は「ハイブリッドラッキョウ2号」だったようです。ちなみに、同じようにラッキョウと、本種で使われたものとは別のタマネギ品種との交雑から育成された「越のパール」という白いタイプも同時に品種登録されていますが、こちらが「ハイブリッドラッキョウ1号」でした。

◆赤らっきょうの特徴

 「越のレッド」の鱗茎部は一般的な白いラッキョウよりも大きめで、表皮が赤紫色であることが大きな特徴です。

 鱗茎部は縦長の卵型ですが、そこから伸びる葉鞘部が太くしっかりとしており、この部分の外皮も濃い赤紫色をしています。

 本種は種間雑種ということから種子が出来ないようで、分球によって増殖する栄養繁殖性品種となっています。

赤らっきょう/越のレッド

 外皮は赤紫色ですが、何枚か外皮をむいた中は一般的なラッキョウと同じで白いです。

赤らっきょう/越のレッド

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 草姿は立、草勢は強、葉数はやや多、分球数はかなり少である。

 葉鞘部の色は極濃、長さは極長、太さは極太である。

 1株球重及び1球重は極重、首の大きさは極太、しまりは中、りん茎の形状は卵形、外皮の色は赤、はげ易さは中、

 りん片の色は白、数は多、厚さは中、辛味の強弱は強、臭気の強弱はやや強である。

 抽だいの早晩性は極早、数及び休眠性は中、萌芽の早晩はかなり早である。

-----』以上、抜粋。

●赤らっきょうの美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 一般的なラッキョウは葉の部分は食用に向いていませんが、本種は葉の部分も美味しく食べることができます。

 栽培環境によって多少の違いはあるようですが、辛味は強めで生食する場合は水にさらすなど辛味を抜いた方が良いでしょう。

 甘酢漬けや塩漬け、醤油漬けなどの他、炒め物や天ぷらなどの揚げ物に向いています。

◆赤らっきょうのおかか和え

 

 

◆赤らっきょうの浅漬け

 

 

●赤らっきょう/越のレッドの主な産地と旬

赤らっきょう/越のレッド

◆主な産地と生産量

 越のレッドは大きな産地化は見当たらず、個々の農園で栽培され直売所などで販売されているようです。

 また耐病性に優れており、家庭菜園でも栽培しやすい品種だそうです。

◆赤らっきょうの収穫時期と旬

 一般地での栽培は夏の終わりに球根を植え付け、冬から春までは地上の葉を間引くように収穫して食用とし、鱗茎部は5~6月に掘り上げて収穫します。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
赤らっきょう                        

●赤らっきょうの写真ギャラリー

赤らっきょう/越のレッド

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撮影機材: CANON EOS R5 , RF28-70mm F2 L USM, RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

ロゴなし元画像サイズ:約4500万画素 8192X5464pix 72dpi RAWデータあり

< 出 典 >

※ 「世界初!!ラッキョウとネギから生まれたハイブリッドラッキョウ」福井シード株式会社

※ 「登録番号8371 越のレッド」農林水産省品種登録データベース