■松茸とは

◆名称と分類

(分類)キシメジ科 > キシメジ属 > キシメジ亜属 >マツタケ節

(学名)Tricholoma matsutake

(和名)マツタケ(松茸)(英)Matsutake mushroom

 松茸は通常海外でも”Matutake(マツタ-green"ケ)”と呼ばれています。

◆松茸はキノコの最高峰

 言わずと知れた、日本でのキノコの最高峰ですね。マツタケは比較的日当たりのいい主にアカマツの林に生えますが、それ以外でも針葉樹が多い林でも生える事があります。

 香りの成分はマツタケオールと呼ばれ、マツタケの独特の特徴となっています。マツタケの仲間は数種類ありますが、どれも食用になり、毒をもつものはありません。なので、マツタケの香りがするキノコは基本的に食べて大丈夫と言う事になります。

 ところがこのマツタケ、好んで食べるのは日本人位のようで、海外ではこの香りが逆に臭いと感じられるようです。ヨーロッパのトリュフのようですね。

 シメジやシイタケのように人工栽培する事が難しく、今なお、自然発生している物を採取し出荷されているため、非常に高価なキノコとなっています。

◆松茸はなぜ高価?

 かつては全国各地の山間地で人の手が加えられた里山が広がっていて、アカマツなども燃料などとして活用されていたので、マツタケが生育する環境が整っていたことから、今よりもっと身近な秋の味覚だったようです。

松茸 つぼみ

 しかし、現在ではアカマツなどの利用もなくなり、過疎化が進むにつれ里山が自然の状態に戻り、落ち葉などが堆積したままになるなどマツタケにとっては生育しにくい状態になっています。そこへマツクイムシなどにより松が枯れて減少し、今では採れる量が激減してしまったため非常に高価なキノコとなってしまいました。

 そして、マツタケは人工栽培が今なおできないので、自然に発生したものを収穫するしかないというのも高値の理由です。

◆松茸の特徴

 松茸は長さ10~20cm、傘は直径10~15cmほどほどのものが多い。笠が開くと胞子が拡散され香りも強くなるが、その分、香りが抜けやすく食感も衰えてくるため、傘が開く前の状態が好まれ、価格も開いていないものの方が高い。

マツタケ(松茸)マツタケ(松茸)

 国産の松茸は笠の表面が淡黄褐色から褐色で内側はシイタケと同じように灰白色のヒダが放射状に付いている。柄の部分は笠の表面より淡い。

◆松茸エッセンス

松茸エッセンス

 中国や韓国などの近隣アジア諸国に限らず、アメリカやカナダ、トルコなど様々な外国産が店頭に並ぶようになりました。そういったものは香りが飛んでしまっているものが多く、特有の香りがほとんど感じられないのが普通でした。

 ところが、驚くことにそういったものの方が香りが強い場合もあります。しかし、よく嗅いでみると微妙に違う気がしませんか?最近では、輸入物など香りが感じられないものには、お店で松茸のエッセンスを付けている事が多いんです。飲食店でもしばしば使っているのを見かけます。極僅かでものすごく香りが付くんです。これを良しとするか否かは賛否両論あります。

●マツタケ(松茸/まつたけ)の主な産地と旬

松茸 つぼみ

◆国産物と輸入物

 国内では長野県が最も生産量が多いようです。その他、東北の岩手や山形、それに近畿では京都、兵庫、和歌山、中国地方の岡山や広島などが産地として有名。

カナダ産マツタケ

 ただし、近年流通している物の大半は韓国や中国からの輸入物で、アメリカやカナダからも近縁種の白っぽい物が輸入されています。その他、トルコやモロッコ産なども入ってきています。

 輸入物でも国産のものと品種的にはほとんど変わらないものもありますが、多くは風味がかなり落ちています。それは収穫してから店頭に並ぶまでの時間が長いことが理由かもしれません。

◆マツタケ(松茸/まつたけ)の収穫時期と旬

 ご存じのように、秋の風物詩となっています。東北など寒い地方では、8月末頃から獲れ始めますが、最盛期は9月から10月。九州などの温暖な地方では11月半ば頃まで獲れるところもあります。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
国産松茸