●蓮の実(ハスの実)の概要と特徴

◆蓮の実とは

分類:ヤマモガシ目 > ハス科 > ハス属 > ハス

学名:Nelumbo nucifera Gaertn.

英名:Lotus seed

 ハスの実はその名の通りハスの花が咲き終わった後にできる種子の事で、蜂の巣のように見える花托と呼ばれる部分に入っています。実はナッツのような味がし、学名の種小名 ”nucifera” はラテン語で「ナッツの実のなる」という意味があります。

 日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、中国やベトナムなどでは月餅の餡に使われたり、砂糖漬けなど色々なスイーツに用いられるほか、古くから生薬としても用いられており、比較的身近な食材です。

蓮の花托と実(ハスの実)

◆蓮の実の特徴

 ハスの実はハスの花が咲き終わった後に残る、シャワーヘッドのような形をした花托の中に、上から見ると蜂の巣状の窪みに入っています。

 食用にする場合は花托が緑色の状態で収穫しますが、そのまま収穫せずにしておくとやがて花托が硬くなり、中の実も外皮が黒く硬くなります。

 緑色の状態では、花托は柔らかいスポンジ状で、中の実は簡単に取り出すことができます。

蓮の実(ハスの実)

 実の大きさは銀杏の殻の中の実と同じくらいで、楕円形のドングリやレモンのような形をしており、表皮は黄緑色で、その中に白い果肉が入っています。食用にするのはこの白い部分です。実の中心にある緑色の芽は苦みがあり、食べる時はこの部分は取り除きますが、この芽も乾燥させてお茶として楽しむことができます。

蓮の実(ハスの実)

●蓮の実(ハスの実)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 ハスの実が採れるのはレンコンの産地ですが、食材としてあまり認知されていないこともあり、国産のものは一般のスーパーなどで見かけることはなく、ほとんど産地で消費される程度だと思います。

 主な産地は徳島県や茨城県などです。

◆蓮の実の収穫時期と旬

 蓮の実の収穫は花が咲き終わってから3週間ほどした頃で、時期は7月から9月にかけてで、旬は8月となります。

品種 7月 8月 9月 10月
蓮の実                        

●蓮の実の選び方と保存方法

◆選び方

 花托に詰まっている状態のものは、花托が黄緑色で張りがあり、顔を出している実がふっくらとしていて黄緑色のものが良い状態です。実が黒っぽくなっているものは鮮度が落ちているか、熟しすぎて硬くなっていることが多いです。

 皮付きの実だけの場合は、全体にふっくらとしていて黄緑色のものが良いです。

蓮の実(ハスの実)

 中の白い果肉の状態のものは中国産のものが多く、国産のものは希少です。通常半乾燥させた状態で、自然乾燥であれば黄色っぽい生成り色をしています。

◆保存方法

 花托に入ったままのものは一旦冷蔵庫に入れておきますが、なるべく早く実を取り出し、調理しましょう。

 取り出した実は、外側の皮をむいて中の白い果肉の状態にし、陰干ししてから密封できる袋か容器に入れて冷蔵庫で保存します。

 緑の皮付きのまま冷凍保存することもできます。使うときは凍ったまま2~3分茹でてから皮をむいて色々な料理などに使います。

●蓮の実の美味しい食べ方と料理

蓮の実(ハスの実)

◆調理のポイント

 蓮の実は外側の黄緑色の皮を剥き、中の白い果肉を取り出し、それを沸騰させている中に入れて10分程茹でてから、中心にある苦みがある芽の部分を取り除いて色々な料理や菓子に使います。

 果肉部分はクセや臭みがなくナッツのような風味があります。

 乾燥品のものは茹でこぼしをしてから湯に浸けたままにし、柔らかくなってから中の芽を取り除いて使います。

◆主な食べ方

 ハスの実はクセや臭みがなく、炊き込みご飯や茶碗蒸し、サムゲタンや薬膳スープの具、炒め物や煮物など色々な料理に加えることができます。

 中国や東南アジアではシロップ漬けにして、それを色々なスイーツに使ったり、月餅などの餡に使われたりもしています。

◆蓮の実を使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトの蓮の実を使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

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