●味いちばん 紫とは
◆表皮近くが紫色で、中は白地に薄い紫が混じる大根
「味いちばん 紫」はシンジェンタジャパン株式会社が販売している大根の品種です。同じ「味いちばん」に白い大根もあります。
シンジェンタに問い合わせたところ、2008(平成20)年頃から国内で種が発売されたとの事ですが、それよりも前に韓国で先行発売されているそうです。よく似た「紅しぐれ大根」よりは耐暑性があるので、一般平地での3月蒔き5月~6月収穫も可能な品種となっています。
◆味いちばん 紫の特徴
大きさは長さ20cm前後、太さ8~10cmで、重さは700~1kg程になります。葉は軸の部分も紫色になる傾向がありますが、栽培環境などによってはあまり紫色にならない事もあるようです。
大根部分の色は、首の部分が濃い紫で、方から先の方はそれより少し薄い紫色です。
中は、表皮から5mm程の厚さで濃い紫色の部分があり、その内側は白地に部分的に薄い紫が混じっています。中にアントシアニンが入る度合いも栽培環境なのか、個体差なのかは分かりませんが、わずかしか入らないものと、かなり色濃く入るものがみられます。
全体に(株)トーホクの紅しぐれ大根とよく似ていますが、葉の柄の部分が味一番が紫なのに対し、紅しぐれは緑の部分も多くみられます。大根の色の入り方や食味はとてもよく似ています。
◆実際に食べてみた食味
一般的な白い大根と比べると水分はやや少なめで、食感は生のまま食べるとコリコリとした歯触りが心地よく、味は辛みが少なく、甘味が感じられます。生のままサラダや和え物などに使うと良いでしょう。
他の赤大根と同じく味いちばん紫も酢に反応し、美しい赤色に発色します
写真は右側が酢に1時間ほど浸しておいたものです。漬物など長時間漬け込むことにより、色が全体に散り桜色に漬かります。漬物はパリッとした歯触りで良い感じに仕上がります。
写真はスライスしたこの大根を塩と昆布、それにカボス果汁で2週間程漬け込んだものです。皮付近だけだった紫色が全体に散り、綺麗なピンク色に漬かりました。