落花生/らっかせい/ラッカセイ:概要や品種、産地と旬

生の落花生(らっかせい)

●落花生(らっかせい)の概要と特徴

◆落花生(らっかせい)とは

分類: マメ目 > マメ科 > マメ亜科 > ラッカセイ属 

学名:Arachis hypogaea L.

英名:peanut、groundnut

中国名:落花生(luòhuāshēng)、仁果(rénguǒ)、花生米(huāshēngmǐ)

和名:らっかせい/落花生

別名:南京豆(ナンキンマメ)、ピーナッツ

 落花生(らっかせい)とは南米が原産とされるマメ科ラッカセイ属の一年草で、東アジアを経由して、江戸時代に日本に持ち込まれたと言われています。

 南京豆(ナンキンマメ)とも呼ばれてきましたが殻の中に実が入っており、日本ではサヤのままのものを「落花生」や「南京豆」と呼び、この中の実だけのものをピーナッツと呼ぶ傾向にあります。

 ピーナッツと言えばナッツに分類されることが多く、木になる果実の種子のイメージがあるかもしれませんが、落花生はマメ科でインゲンなどと同じ豆の一種です。また、地中に実がなるという事もイメージとは違うかもしれません。

 日本で最初に栽培されたのは神奈川県の大磯町とされています。

生の落花生(らっかせい)

◆落花生(らっかせい)の特徴

 落花生(らっかせい)は面白い植物で、マメ科の蔓なし品種と同じように30cm前後の大きさに成長し、夏になると黄色い花を咲かせます。面白いのはここからで、普通の豆は花の付け根が膨らんできますが、落花生は子房柄と呼ばれる一本の蔓が花托の脇から伸びて地面にもぐっていきます。その先が膨らんで殻付きの実を実らせます。その様子から「落花生・・・花が地面に落ちるようにして実を付ける」と名付けられたようです。

生の落花生(らっかせい)

●落花生(らっかせい)の主な品種

 日本では落花生の育種研究施設は千葉県の農業総合研究センター育種研究所しかなく、現在品種登録されている落花生の全てがここで生み出されているとの事です。

◆千葉半立(ちばはんだち)

 千葉県で最も多く作られている品種で、昭和28年千葉県農業試験場において在来品種から選抜育成されたものです。煎ったときの風味がとても良いのが特徴です。

◆ナカテユタカ

 ナカテユタカは昭和54年に千葉県農業試験場において「関東8号」と「334A」を交配育成した早生種になります。栽培しやすさと収量も多く、また、味的にも甘みがあって美味しい品種です。千葉半立の渋皮の裏が赤いのに対し、ナカテユタカは白く見分けやすい。

◆郷の香(さとのか)

 平成7年に千葉県農業試験場において「ナカテユタカ」と「八系192」を交配育成した早生品種で、粒が大きく、収量も多い優良品種です。サヤが大きくて白く、煎るより茹でて食べるほうが甘みがあって美味しい。

◆ふくまさり

 昭和55年に千葉県農業試験場において「関東41号」に「関東48号」を交配して育成された早生の固定品種。平成17年に品種登録されました。収量性が高く、甘味旨み共に優れた品種です。

◆おおまさり

 平成19年に品種登録の出願公表がされ、平成22年3月に登録されたまだ極新しい品種。ナカテユタカと極大粒品種ジェンキンスジャンボを交配育成した晩生品種で、その血を受け継ぎ一般的な落花生の2倍ほどの大きさになります。脂肪分が少なく、煎るより茹でたほうが甘みが楽しめ、実も柔らかく美味しい。

●落花生(らっかせい)の主な産地と収穫時期

生の落花生(らっかせい)

◆千葉県が一大産地

 落花生は千葉県の特産品となっており、平成23年産の生産量を見ると、全国で20,300トン生産されたうちの約77%(15,700トン)を千葉県が作っています。中でも八街市が有名です。次いでは茨城県で、全国のほとんどがこの両県で生産されています。そのほかにも神奈川、鹿児島、栃木、静岡、宮崎、熊本でも僅かに生産されています。

◆ピーナッツのほとんどが輸入品

 国内で作られている落花生の量は少なく、流通しているもののほとんどが安価な中国産の輸入品となっています。海外では最大生産国の中国の他、インドやナイジェリア、アメリカなどで生産されています。国産のものは極限られた期間と量しか出回らないので、希少性は高いと言えます。

◆落花生の収穫時期と旬

 落花生は9月下旬頃から10月にかけて収穫最盛期となり、収穫された落花生は1週間ほど地干しと呼ばれる乾燥行程を経て出荷されます。国産の新物の旬は10月となります。

 ただ、乾燥させた状態では長期保存が可能なことや輸入物が多いので、市場には通年安定して流通しています。

品種 9月 10月 11月 12月
落花生(らっかせい)                        
輸入物