ナメコ(滑子/なめこ)に含まれる主な有効成分とその働きや、カロリーをはじめ各種ビタミン類などの栄養成分量、更に含まれるアミノ酸の両などを日本食品標準成分表2020年版(八訂)を共に紹介します。

●ナマコのぬめり成分(水溶性食物繊維)の働き

◆血行促進効果

 長野県環境保全研究所、(一社)長野県農村工業研究所の調査の結果、えのきたけ、ぶなしめじ、なめこには血液の流動性を改善する効果があることが判明し、中でもなめこが最も血流改善効果が高いことが報告されています。

◆タンパク質の吸収を促進

 なめこのぬめり成分は体内でのタンパク質の消化、吸収を促進し、代謝を活性化させることが知られております。

◆抗腫瘍作用

 国立がんセンターによる研究で、水溶性の食物繊維やβ‐グルカンが含まれている子実体の熱水抽出物をマウスに投与した試験結果では、移植したがん細胞の増殖を阻害する作用が確認されているそうです。人に対してのがんにも同様の効果が期待されています。

●ナマコの主な栄養成分

◆低カロリー食材

 生のなめこには脂質や炭水化物が少なく、100g中14~21kcalしかありません。また、食物繊維が豊富なので、整腸作用などもあり、とてもヘルシーな食材と言えます。

◆ミネラルが豊富

 ナメコにはカリウムをはじめ、鉄分やマグネシウム、リン、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。

◆ビタミン類は少ない

 ナメコにはカロテンをはじめビタミンEやCなどがほとんど含まれておらず、また、野菜にはなくキノコには比較的多く含まれているビタミンDも日本食品標準成分表を見る限り含まれていないようです。

 ビタミン類ではビタミンB類、葉酸やパントテン酸を多く含んでいます。

●日本食品標準成分表2020年版(八訂)でみるナメコの栄養成分量

◆ナメコの可食部100gあたりの成分

 下の表に含まれる成分の量を載せています。それぞれの栄養成分の働きはその成分をクリックすれば各栄養素のページに移ります。

食品名 単位 株採り
株採り
ゆで
カットなめこ
エネルギー kcal 21 22 14
水 分  g  92.1 92.7 94.9
たんぱく質 1.8 1.6 1.1
コレステロール mg 1 (0) -
脂質 g 0.2 0.1 0.1
食物繊維
総量
3.4 2.8 1.9
炭水化物 5.4 5.1 3.6
灰分 0.5 0.5 0.3
ナトリウム  mg 3 3 3
カリウム 240 210 130
カルシウム 4 4 2
マグネシウム 10 10 6
リン 68 56 36
0.7 0.6 0.5
亜 鉛 0.5 0.5 0.4
0.11 0.12 0.04
マンガン 0.06 0.06 0.04




A
レチノール μg (0) (0) 0
αカロテン (0) (0) 0
βカロテン (0) (0) 0
βクリプトキサンチン (0) (0) 0
βカロテン当量 (0) (0) 0
レチノール活性当量 (0) (0) 0
ビタミンD 0 0 0




E
αトコフェロール mg 0 (0) 0
βトコフェロール 0 (0) 0
γトコフェロール 0 (0) 0
δトコフェロール 0 (0) 0
ビタミンK μg (0) (0) 0
ビタミンB1 mg 0.07 0.06 0.03
ビタミンB2 0.12 0.10 0.08
ナイアシン 5.3 4.7 3.5
ビタミン
B6
0.05 0.04 0.04
ビタミン
B12
μg Tr (0) 0.1
葉 酸 60 67 57
パントテン酸 mg 1.29 1.33 0.48
ビオチン μg 7.4 - 4.3
ビタミンC mg 0 (0) 0

●生のナメコ 基準窒素 1 g 当たりのアミノ酸成分量

 下の表は日本食品標準成分表2020年版(八訂)に掲載されているナメコに含まれているアミノ酸の一覧です。(mg/g基準窒素)

食 品 名 株採り
カットなめこ
イソロイシン 220 200
ロイシン 350 390
リジン 230 280
メチオニン 65 47
シスチン 53 52
フェニルアラニン 140 220
チロシン 70 140
トレオニン 280 290
トリプトファン 40 65
バリン 270 280
ヒスチジン 130 130
アルギニン 280 310
アラニン 310 380
アスパラギン酸 390 440
グルタミン酸 670 650
グリシン 230 250
プロリン 230 230
セリン 270 280

< 出 典 >

※ 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

※ 「なめこ」JA全農長野

※ 「ひらたけの雑学」株式会社キノックスホームページ