ー 目 次 ー
●ナメコの概要と特徴
◆ナメコとは
分類:ハラタケ目 > モエギタケ科 > スギタケ属 科属
学名:Pholiota microspora (Berk.) Sacc.
英名:Nameko mushroom
和名:ナメコ(滑子)
別名:ナメタケ、ヌメリタケ、ヌメリスギタケ
なめこはモエギタケ科スギタケ属のきのこで、ブナやナラなどの枯れ木や切り株に固まって生えます。日本全国でみられ、古くから親しまれてきたきのこの一つで、味噌汁などの一般家庭での食卓でもお馴染みですね。
学名はかつて” Pholiota nameko (T.Ito) S.Ito & Imai ”とされていましたが、2008年にヒマラヤの”Pholiota microspora”と同種と判明しこちらが有効となり、” Pholiota nameko”はシノニム扱いとなりました。
◆ナメコの特徴
ナメコはその名前からイメージ出来るように表面全体がヌルヌルしたゼラチン様の粘質に覆われたキノコです。傘の表面は黄土色から赤褐色で、裏側は淡黄色。直径3 - 10cmほどで半球形から成長するにつれ平らに開いてきます。柄の部分にはゼラチン様のツバがありますが、大きく成長すると無くなります。
◆ナメコ栽培の歴史
天然物は全国のブナやナラなどの広葉樹林があるところで採れ、キノコ狩りでもおなじみのものとなっています。一方栽培技術も進み、スーパーなどに並んでいる物のほとんどは菌床栽培されたものです。比較的簡単に栽培でき、家庭用の栽培キットなども販売されています。
なめこの栽培は大正時代後半頃から始まったと言われていますが、当時はまだ原木を並べ、自然に胞子が定着するのを待つといったものだったようです。その後、昭和初期に種菌の培養に成功し、原木栽培が盛んにおこなわれるようになりました。さらにそこからトロ箱などを使った菌床栽培へと発達していくのですが、それでも栽培収穫は天然物と同じ時期に限られていたのです。
現在のような瓶による周年栽培が始まったのは昭和60年代になってからで、室内の温度や湿度を管理し、年間通して安定して栽培出荷されるようになり、いつでもナメコのお味噌汁が食べられるようになりました。
●ナメコの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
なめこは天然物も極わずかに収穫され直売所で販売されるなどしていますが、市場に流通しているものはほとんど栽培されたものです。
栽培物には原木栽培と菌床栽培があり、原木栽培のものは量も少なく高値で取引されています。一方、菌床栽培のものは全国各地で作られており、大規模施設で大量に生産されているものも多く、価格も安く安定しています。
2021年産の産地と生産量をまとめた表を見ると、主な生産地は、長野県、新潟県、山形県等となっており、この3県で全国の約63%を占めています。令和4年産の全国のなめこの生産量は前年よりわずかに少ない23,697トンとなっています。
◆ナメコの収穫時期と旬
天然のナメコは主に秋9月頃から11月にかけて収穫されます。最も沢山出回り美味しい旬は10月から11月中旬です。野外の原木栽培ものもこの時期です。
栽培物は通年安定した品質で生産出荷されています。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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ナメコ |
< 出 典 >
※ 「よくわかる きのこ大図鑑」小宮山勝司著 永岡書店 p.128-129
※ 「ナメコ」野菜まるごと事典 成美堂出版 p.158
※ 「令和3年特用林産基礎資料」
※ 「特用林産物の生産動向」林野庁 農林水産省
※ 「ひらたけの雑学」株式会社キノックスホームページ