金時ニンジン(京人参)の来歴や産地、特徴と食べ方

金時にんじん(京人参)

■金時にんじん(京人参)の来歴や特徴

●金時にんじんとは

 金時にんじんは東洋系の品種で、京人参とも呼ばれているものです。鮮やかな赤い色が特徴的で、長さは様々ですがスリムな形をしています。

 関西では 正月料理に使われるなど、人参の中では、季節感を感じさせてくれる品種で、晩秋から1月にかけて出回り、それ以外の時期にはほとんど見かけることがありません。

●金時にんじんの来歴や主な産地

金時にんじん(京人参)

 金時にんじんは、中央アジアから伝わったニンジンが中国北部を中心とする地域で選抜淘汰されていくうちに現在のような形質へと発達したものと考えられています。日本へは江戸時代、1700年代に導入され、大阪府大阪市浪速区などでは昭和初期頃まで盛んに栽培され、「大阪人参」と呼ばれていた時代もあったようで、大阪府により「なにわ伝統野菜」に認定されています。「京にんじん」とも呼ばれていますが、京料理には欠かせない食材ではありながら、京都で古くから作られてきたという記録はないそうで、「京の伝統野菜」には含まれておらず、「ブランド京野菜」として扱われています。

 現在の主な産地は香川県で、昭和46~49年に米の生産調整によって減反された水田が畑地となり金時にんじんもこの時に一気に栽培が広がり、今では全国の8割ほどを占めるまでになっています。JA香川によると、令和2年産における取扱量は生産者67戸 71ha で1,888トンとなっています。

●金時にんじんの特徴

祝だいこんと金時人参

 金時にんじんは太さ2~4cm、長さ20~40cmほどの細長い円錐形で、表皮、肉色ともに紅色で、表面のひげ根が出る部分が白い筋になっており、時にいぼ状に隆起している物もみられます。

 肉質がやわらかい割りに煮崩れしにくく甘味があって、人参臭さは少ないですが特有の風味が一般的なニンジンよりも強く感じられます。主に正月の御節料理の煮しめなどの煮物に使われています。

●主な食べ方

祝だいこんを使った雑煮

 関西の雑煮には祝だいこんと京人参を紅白の具材として使うことが多いです。

 金時にんじんは御節料理に限らず、綺麗な色を活かし、生のまま千切りやスライスにしてサラダに使ったり、ピクルスにしても美味しく、炒め物など一般的なニンジンと同じように使えるので、普段の料理にも取り入れていただきたい野菜です。

 煮崩れしにくく、色も綺麗なのでクリームシチューなどに使うのもお勧めです。

●金時ニンジンは栄養豊か

 金時ニンジンは一般的なオレンジ色のニンジンと比べ栄養成分が多く含まれています。また、赤い色にはβカロテンはもちろんリコピンも沢山含まれています。

 栄養成分に関しては 栄養価と効用のページをご覧ください。

金時にんじん(京人参)の断面

●金時にんじんの写真ギャラリー 2012

撮影機材: CANON EOS 60D , EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II

ロゴなし元画像サイズ:3456x2304 72dpi

●金時にんじんの写真ギャラリー 2012

撮影機材: FUJIFILM FinePix F700

ロゴなし元画像サイズ:603万画素 2832x2128pix 72dpi

●3種の人参の写真ギャラリー 2012

撮影機材: CANON EOS 60D , EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II

ロゴなし元画像サイズ:約1800万画素(5184x3456) 72dpi(350dpi対応可) RAWデータあり

撮影機材: FUJIFILM FinePix F700

ロゴなし元画像サイズ:603万画素 2832x2128pix 72dpi