もちトウモロコシ/もちきびの目利き、選ぶ時のポイントから保存方法、茹で方など下拵えの方法や美味しい食べ方、主な料理とそのレシピなどを沢山の写真と共に紹介します。

●もちトウモロコシの選び方と保存方法

◆持った時に重く感じるものを選ぶ

 皮付きの場合、手に持ってみて、しっかりとした重さを感じるものを選びましょう。軽く感じるものは実がまばらだったり穂先まで実がついていないなど実入りが悪いことがあります。

 適時に収穫されているものかどうかが大切。「もちトウモロコシ」は熟しすぎると硬くなり、茹でたり蒸すだけでは美味しく食べられなくなってしまいます。皮がむかれているものは実に弾力が感じられる柔らかさが残っているか確認しましょう。カチカチのものは避けた方がいいです。

◆青果用はすぐに加熱処理がおすすめ

もちトウモロコシ もちもち太郎パープル

 スイートコーンと同じように、「もちトウモロコシ」も青果用は未熟果を収穫します。少しでも甘味を残すため、収穫後あるいは入手したらすぐに茹でるか蒸すなど加熱調理した方がいいでしょう。

●もちトウモロコシの美味しい食べ方と料理

茹でた在来種のもちとうきび(糯唐黍)

◆調理のポイント

 「もちトウモロコシ」は完熟させたものは粉末に加工して食用にされますが、青果用のものはそのまま加熱調理することで美味しく食べられます。

 スイートコーンのようなシャキシャキとした食感や強い甘みはありませんが、加熱調理したときのもちっとした食感はこれはこれでなかなかいい感触です。また、噛んでいるうちにじんわりとほのかな甘みが感じられ何とも言えない滋味な味わいが楽しめます。

 ただ、温かい間はもちもちの食感が楽しめますが、冷めてしまうと硬くなり食感があまりよくなくなりやすいので、温かいうちに食べるというのが基本で、冷たいサラダや弁当などには不向きです。

◆「もちトウモロコシ」を茹でるか蒸す場合

 「もちトウモロコシ」を茹でるか蒸す場合、その時間は実の熟し具合によって変わってきます。おおむね20~30分ほど。塩は加えず、ゆであがったらすぐに塩水に浸して粗熱をとります。

茹でたもちもち太郎パープル

 上の写真は蒸した「もちもち太郎パープル」で、下が「もちもち太郎バイカラー」です。

茹でたもちもち太郎バイカラー

 いずれも、茹でようが蒸そうが紫色はしっかりと残りますが、ゆで汁はもちろん、蒸した場合も果実から色素がにじみだし、鍋底の蒸し湯は見事な紫色に染まります。

◆もちトウモロコシのバターソテー

茹でてからバターソテーしてもちトウモロコシ

 一度下茹でしてから粒を外し、塩コショウでバターソテーしたもの。スイートコーンとは違った食感と美味しさが楽しめます。写真は「もちもち太郎パープル」と「もちもち太郎バイカラー」を合わせたもので作っています。

 生のまま軸から身をそぐように切ったものを塊のままソテーしてもいいでしょう。

◆もちトウモロコシの炊き込みご飯

もちトウモロコシの炊き込みご飯

 一度下茹でしてから粒を外したものを使い炊き込みご飯にしたもの。今回はコメに対して通常のご飯を炊くのと同じ水分量にもちトウモロコシ(「もちもち太郎パープル」と「もちもち太郎バイカラー」)の粒を加え、そこに塩、バター少量と出し醤油を少し垂らして炊き上げてみました。

 これが結構美味しかったです。今回は茹でた粒を使ったが、それでも薄い赤飯のような色になりました。茹でずに生のままの粒を炊き込んだらおそらくご飯の色はかなり濃い色に炊き上がると思われます。

◆焼きもちトウモロコシ

焼きもちトウモロコシ 醤油味

 丸のまま炭火やグリルで焼き上げ、醤油を縫って仕上げてもとても香ばしく、かみしめるほどに甚割と甘く美味しい。これも熱いうちに食べるのが鉄則。

◆もちトウモロコシの天ぷら

もちトウモロコシの天ぷら

 実の部分を軸から包丁でそぐように板状に切り出し、衣をつけて天ぷらにする。スイートコーンのようなシャキシャキ感とは違い、むちっとした食感ですがこれはこれで美味しい。

 つゆでいただくより塩の方がおすすめ。