ー 目 次 ー

  1. ローゼルの概要や特徴
    1. ローゼルとは
    2. ローゼルの特徴
  2. ローゼルの主な産地と旬
    1. 主な産地と生産量
    2. ローゼルの収穫時期と旬
  3. ローゼルの下ごしらえと保存方法
    1. 実を取り出す方法
    2. 実を取り除いた状態で保存する
    3. 乾燥させてハーブティーに
  4. ローゼルの美味しい食べ方と料理
    1. 果肉も赤いリンゴ御所川原とローゼルのジャム
    2. ローゼルを使った料理をレシピサイトで探す
  5. ローゼルに含まれる主な有効成分とその働き
    1. クエン酸により疲労回復効果
    2. アントシアニンによる抗酸化効果や視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果
    3. ミネラルを豊富に含んでいます。
  6. ローゼルの栄養成分量
  7. ローゼルの画像一覧

●ローゼルの概要と特徴

◆ローゼルとは

分類: アオイ目 > アオイ科 > アオイ亜科 > フヨウ属 > ローゼル

学名:Hibiscus sabdariffa L. (1753)

英名:Roselle、Indian red sorrel 仏名:Roselle

和名:ローゼルソウ

別名:ロゼリ草、ローゼリ草、レモネードブッシュ

 ローゼルはアオイ科フヨウ属の亜低木で、熱帯地域では多年生の植物ですが、低温に弱く1年生となることが多い。また、熱帯地域であっても栽培されているものは1年生として、毎年種子をまき育てられている。観賞用のハイビスカスとは同じフヨウ属の近縁種で、ローゼルは食用種です。

ローゼル(Roselle)

 原産地はインドからマレーシアとする説や西アフリカとする説、また、 東邦大学薬学部付属薬用植物園ではのスーダン、エジプト、中国が原産と紹介されていたりします。こんな風に色々な説が出てくるほど、熱帯地域の広い範囲に古くから見られたという事なのでしょう。

 ローゼルの標準和名はローゼルソウとなっています。ただおそらくこれはローゼルの植物そのものの和名だと思われるので、ここで紹介している食用部分は和名でもローゼルで良いのではないでしょうか。また、フレンチ・ソレルとも呼ばれていますが、”ソレル”は酸っぱい味がする草の「スイバ」の事で、ローゼルは酸味があることに因むのでしょうが、なぜ”フレンチ”なのかは疑問です。

 食用にできるのは葉と花が終わった後にできる、赤い肥大したガクと苞(つと)と呼ばれる部分です。ここでは赤い肥大したガクと苞(つと)と呼ばれる部分を果実と呼ぶことにし、これについて紹介していきます。

◆ローゼルの特徴

 ローゼルの果実は赤紫色で、品種によって写真のような比較的丸い形のタイプや、ガクが縦に長いタイプなどがあります。

ローゼル(Roselle)

 赤いガクの中には白から薄緑色の実が包まれており、この部分は取り除いて利用します。

ローゼル(Roselle)

 この少し厚みがある赤い部分は生のままでも食べることができ、クエン酸を含んでいるため酸味があります。

 ハイビスカスティーと呼ばれているハーブティーの暗赤色の茶葉はこのローゼルを乾燥させたものです。

●ローゼルの主な産地と旬

ローゼル(Roselle)

◆主な産地と生産量

 ローゼルは中国やタイが主な産地となっていますが、その他マレーシアや、アフリカ各地で作られています。中でもスーダンとナイジェリアでは高品質なものが作られているそうです。

 国内でも栽培されてはいますが、もともと熱帯から亜熱帯に適した植物なので、沖縄や小笠原などに多く、本種でも愛知県など各地で作られてはいますが、その量は多くはありません。

◆ローゼルの収穫時期と旬

 ローゼルは花が咲き終わってから果実が膨らみはじめ、本州で収穫できるのは10月頃から11月にかけてです。沖縄や小笠原あたりでは9月下旬頃から収穫が始まるようです。

 ちなみに本場のタイでは12月頃からと、日本よりも開花時期が遅く収穫もその分遅くなるようです。

ローゼル 9月 10月 11月 12月
沖縄                        
本州                        
ローゼル(Roselle)

●ローゼルの下ごしらえと保存方法

◆実を取り出す方法

 ローゼルの果実には、中に白い実が包まれているので、この部分を取り除いて外側の赤い部分だけを食用にします。取り除いた中の実には種子が詰まっており、ミニミニオクラのようなものですが、生のままでは美味しいとは言えません。国によってはこの種が入っている実の部分を炒め物などで食べるそうです。

ローゼル(Roselle)

 中の実を取り出す方法は動画でも紹介しています。ローゼルの軸の付け根辺りの硬い部分を切り落とし、箸くらいの棒で断面を先に向けて押し込むと、中の実だけがぽろっと外れます。

ローゼル(Roselle)

 中の実を取り除いた赤い外側を広げ、これを使ってジャムや料理などに使います。

◆実を取り除いた状態で保存する

 ローゼルを保存する際は、なるべく早く中の実を取り除き、赤い食用部分だけの状態にして、ジップロックなど密封できる袋に入れて冷蔵庫に入れておきます。

ローゼル(Roselle)

 あまり日持ちしないので、なるべく早く使いましょう。

 長期間保存したい場合は上の写真の状態でジップロックなどの密封できる袋に入れてできる限り空気を抜いて冷凍しておくこともできます。

 また、塩漬けにするか、砂糖漬けにする方法があります。

 塩漬けは下処理をしたローゼルに対して、その10~15%の塩をまぶして保存瓶に入れ、時々瓶を振るなどして混ぜるだけです。「花梅」と呼ばれるもので、梅干しのような辛酸っぱい味で、刻んでご飯にまぶしておにぎりにしたり料理のアクセントに用います。

 砂糖漬けは塩の代わりに砂糖をまぶします。砂糖の量はお好みですが、ローゼルに対して3割ほどを目安に加減してください。数日たつと真っ赤なジュースが底にたまってきます。このシロップは濾して残しておき、炭酸などで割って飲むととても美味しいです。ローゼル自体はそのまま冷蔵庫に入れて保存しておけばかなり日持ちします。また、こうして砂糖漬けにした状態の物を、キッチンペーパなどで水分をふき取ってからグラニュー糖をまぶし、フードドライヤーにかけるか天日干ししてドライフルーツのようにしても美味しいですよ。

◆乾燥させてハーブティーに

 王道は乾燥させてハーブティーとして楽しむ方法です。フードドタイヤーがあれば簡単にできちゃいます。

ローゼル(Roselle)

●ローゼルの美味しい食べ方と料理

 中の実を取り除いた萼と苞の肥大した部分は、生のままだとやや食感が強く、酸味があります。楽しみ方はハーブティーのほか、上記のように塩漬けや砂糖漬け、シロップを作ってジュースとして楽しむほか、果実酒を作ることもできます。また、ジャムもお勧め。

◆果肉も赤いリンゴ御所川原とローゼルのジャム

 ローゼルだけでジャムを作ることもできますが、今回は近年話題の果肉も赤いリンゴの先駆け的な品種、御所川原と共にジャムにしてみました。

ローゼル(Roselle)

 もともとこのりんごは果肉も赤いということもあり、ローゼルの色と相まってとても綺麗な赤いジャムが出来上がりました。

ローゼル(Roselle)

 甘味の中にすっきりとした酸味がありとても美味しいです。

◆ローゼルを使った料理をレシピサイトで探す

主な料理レシピサイトのローゼルを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド レシピブログ 楽天レシピ

< 出 典 >

※ 「ローゼル」東邦大学薬学部付属薬用植物園

※ 「ローゼル(植物) Roselle Plant」Academic Accelerator