チョロギ/丁呂木/長老喜/草石蚕:特徴や産地と旬の時期

チョロギ/丁呂木/長老喜

●チョロギの概要と特徴

◆チョロギとは

分類: シソ目 > シソ科 > オドリコソウ亜科 > イヌゴマ属 > チョロギ

チョロギ/丁呂木/長老喜

学名:Stachys sieboldii Miq. (1865)

英名:Chinese artichoke、chorogi

中国名:甘露子

和名:ちょろぎ/丁呂木/長老喜/草石蚕

 チョロギは中国が原産とされるシソ科の一種で、地下の根の先端に出来る3cm前後のくびれがある塊茎を食用とします。

 その形や色は芋虫にも似ていて、初めて見る方は一瞬ぞっとしてしまうかもしれません。中国では石蚕に似ていることから「草石蚕」とも呼ばれています。

 1880年代にヨーロッパやアメリカに伝わったとされ、日本には江戸時代に持ち込まれ栽培が始まったとされています。日本では主に漬物に加工され、特に正月のおせち料理には黒豆と共に盛り付けられるおめでたい食材として用いられてきました。これはチョロギが「長老喜」「長老木」「長老貴」などの縁起の良い漢字で表すことからだと言われています。

 かつては全国各地で栽培されてきたようですが、収穫の機械化が出来ず、収穫後の洗浄や整形などにも手間がかかり、大規模栽培には向かない事や、栽培期間が長いことなどから生産者が減り、そこへ高齢化による農家の減少や中国からの輸入なども拍車をかけ、極僅かな生産者を残すほどにまでなっていたようです。近年になってチョロギがもつ効能が注目されるようになり、中国産に対する安全性の不安も相まってかつての産地が特産化を進めるようになってきています。

◆チョロギの特徴

チョロギ/丁呂木/長老喜

 食用とされる塊茎の部分は長さ2~4cm程で、数段のくびれがあり、細長い巻貝のようにも見えますね。収穫されたばかりの物は表面が真っ白ですが、時間の経過とともに黄色っぽくなってきます。

 生のままかじってみると、少しえぐみが感じられますが、辛味や苦みなどはありません。

●チョロギの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

チョロギ/丁呂木/長老喜

 全国各地で作られているようですが、主な産地としては九州大分県の竹田市や広島県の福富町、岡山県、東北では岩手県釜石市や福島県の東和町、秋田県など。北海道では芦別市、枝幸町、旭川市など作られているようです。

 現在こうした全国の産地で増産と特産化がすすめられています。

◆チョロギの収穫時期と旬

 チョロギの収穫は全国どこでも11月の下旬頃から12月にかけて収穫され、正月用に加工されています。

◆家庭菜園でも

 チョロギは比較的家庭菜園でも栽培しやすいとされ、肥料もあまり与えない過ぎない方が良いとされています。

 春3月頃に種イモを植え付け、後は水遣りと草の処理をする程度でそれほど手間がかからず、12月近くになって地上部が枯れ始めたら掘り起こして収穫します。取りこぼしたものが翌年また芽が出てくるので、毎年収穫することができますが、他の野菜を作りたいときは逆に困るので、大きめのプランターや鉢での栽培が収穫も楽でいいかもしれません。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
チョロギ