●高知県夜須町のブランドスイカ
高知県夜須町では「ルナピエナ」と「アンテナスイカ」という二つのブランドがあります。いずれも空中立体栽培されたスイカのブランド名であって、スイカの品種名というわけではなく、品種は栽培時期によって変わります。
◆ルナピエナ
2005年に「ルナピエナ」というブランド名で誕生した、高知県夜須町の西瓜部会が生産しJA高知県夜須出荷場を通して出荷されるものす。
ブランド名称のルナはイタリア語の”Luna”=「月」、ピエナは”Piena”=「満ちる 満月」にちなんでいるそうです。
JA高知県のホームページによると、現在5軒の農家が生産し、全員がエコファーマー認証(農林水産省認定)を取得しているとのことです。
◆江本農園のアンテナスイカ
今回撮影したスイカが「アンテナスイカ」。この地で約40年も前から温室ハウスでスイカを作られてきた江本農園が独自ブランドとして販売しているスイカのブランドです。
江本農園ももとはルナピエナの西瓜部会の1生産者としてJA夜須出荷場に出荷されていたそうですが、実際に買ってくださるお客様との距離を縮め、作っている自分たちの想いまで届けたいということから、2016年に部会から外れ、独自ブランドを立ち上げて直販中心に販売されているスイカです。
「アンテナスイカ」という名称は一株から一個だけしか収穫しない証しとして残された蔓がアンテナのようにピーンと立っていることからつけられたそうです。確かに「アンテナ」のようですね。
栽培方法は基本的にはルナピエナと同じようですが、収穫時期に応じて大玉、中玉、小玉、それに黄肉など6品種を作られているそうです。
●二つのブランドに共通するこだわり栽培
◆温室ハウスでの空中立体栽培
通常、スイカは地面を這うように蔓を伸ばし、地面の上でスイカが育ちますが、ここでは空中立体栽培と呼ばれる、マスクメロンと同じように縦に蔓を張らせ、スイカは宙吊りにされた状態で育ちます。こうすることによってスイカ全体に日光が当たり、均一に仕上がるのです。
◆一株から1個だけ
高級マスクメロンと同じように一株につける実を1個だけにすることで濃厚な美味しさに仕上げ、その証としてT字型の蔓を付けたまま出荷されています。
◆徹底した水分管理
潅水には点滴灌水を使い、水分調節を徹底管理することで濃縮された甘い西瓜に育てています。
●アンテナスイカとルナピエナの食味と旬
◆実際に食べてみた食味
今回撮影したのは江本農園で作られた「アンテナスイカ」で、11月中旬の中玉スイカです。断面を見ても分かるように、果肉は中心部から皮近くまでほぼ均一にしっかりと赤く熟しています。
食べてみると食感は良い感じのシャリ感があり、果汁はしっかりとあるのですが水っぽさは全く感じず、ただ甘いのでもなく濃厚なコクのある甘みが口に広がりました。皮の白い部分ぎりぎりまでしっかりと甘い。一株から一果だけに、凝縮された贅沢な味わいでした。
◆収穫時期と旬
アンテナスイカ、ルナピエナともに1年の中で品種と栽培時期を変えながら出荷される時期があります。それぞれのホームページで紹介されている出回り時期をまとめています。
アンテナスイカは7月に小玉スイカも作っていて、この時期だけ黄肉スイカも登場します。
2023年の夏の小玉スイカには「夏のひとりじめ」と黄肉の「イエローボンボン」が作られていました。小玉と言えど、トレードマークにもなっているアンテナはピーンとしっかりと付いていますよ。
断面もご覧の通り。皮が薄く、ぎりぎりまで美味しく食べられます。また一人や二人だけの家庭でも冷蔵庫に入る大きさなのでお勧めです。
ルナピエナは中玉が年間2作(10月中旬〜4月中旬)、大玉が年間1作(4月下旬~7月中旬)の計3作を栽培しているとのことです。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アンテナスイカ | 中 玉 |
中 玉 |
大 玉 |
小 玉 |
中 | 玉 | ||||||
ルナピエナ | 中 | 玉 | 大 | 玉 | 中 | 玉 |
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