●ノビルの概要と特徴
◆ノビルとは
分類: キジカクシ目 > ヒガンバナ科 > ネギ亜科 > ネギ属
学名:Allium macrostemon Bunge (1833)
中国名:小根蒜
和名:のびる/野蒜
別名:ヒル(蒜)、タマビル(玉蒜)、ヒルナ
のびる(野蒜)はネギ類と同じヒガンバナ科ネギ属の多年草で、全国の野原、河原の土手などに自生しています。昔はニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に五葷(ごくん)に数えられていました。
根元に小さなタマネギ状に肥大した部分があり、若い葉とともにこれを食用とします。
◆ノビルの特徴
ノビルの葉の形は一見ネギに似ていますが、葉はネギのように筒状ではなく、断面がV字型でニラの様な感じです。
根の肥大した鱗茎部分は自生しているものだと大きくても直径2cmほどで、味はラッキョウとニンニクを足して割ったような感じで、ツーンとする香りと、ちょっとヌルッとした食感が食欲をそそります。ニンニクほど臭みはつよくはありません。
●ノビルの選び方と保存方法
◆美味しいノビルの選び方
葉が若く、しなびていないもの。球根部分が大きいもの選びます。
自分で野山で採取する場合は、似たような葉のスイセンやタマスダレなどと間違わないよう注意が必要です。ノビルの球根部分は綺麗な白い色をしており、葉はニラよりも細いです。
◆保存方法
保存は、すぐに使う場合はポリ袋などに入れて冷暗所に置いておき、数日保存したい場合は湿らせたキッチンペーパーなどで根元をくるんでからポリ袋などに入れ、なるべく立てた状態で冷蔵庫の野菜庫に入れておきます。
自分で掘ってきた物は、土を綺麗に洗い落とし、表面の薄皮をはいでから同じように保存します。
また、長期間保存したい場合は、ラッキョウなどと同じように、酢漬けにします。
●ノビルの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
ノビルは島ラッキョウと同じように食べられます。生のままだと少し辛味が強いですが、シャキシャキした食感と刺激的な風味が楽しめます。加熱調理すると辛味はほとんど気にならなくなります。
葉の部分もニラなどと同じように生のまま刻んで薬味にしたり、汁物や炒め物などに使います。
◆ノビルの天ぷら
ノビルをはじめコゴミやユキノシタなど野草類を天ぷらにしたもの。
天ぷらにすることでアクの強い野草類も美味しく食べることができます。
◆ノビルの玉子スープ
ノビルとセロリを中華風の溶き玉子スープにしたもの。
スープにすると結構な量を入れにもかかわらず、正直なところノビル感があまり感じられませんでした。逆に言えば、誰でも美味しく食べられるようになります。
◆その他の食べ方
◆生で酢味噌和えに。
◆炒め物に刻んで少し加えると味のアクセントになります。もちろん葉の部分も食べられます。
◆味噌汁の具に加えても美味しいです。
◆ラッキョウのように甘酢漬けやピクルス、ニンニクのように醤油漬けなども美味しい。その場合、根だけを漬けるなら丸いままですが、薬味醤油にするには、根も葉も細かく刻んで漬けこみます。使い方は、冷奴に薬味として乗せたり、炒め物の味付けに加えたり、パスタのトッピングなど様々です。
◆ノビルを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトのノビルを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
クックパッド | レシピブログ | 楽天レシピ |
●ノビルの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ノビルは北海道から沖縄に至る全国の野山や河川の土手などに自生しており、野菜として栽培出荷しているところは極わずかです。
たまにスーパーなどでもパック売りされているのを見かけます。
◆ノビルの収穫時期と旬
ノビルは通年採取することができますが、他の草の背丈が大きく育つ前の春頃は野原や土手にヨモギなどと共に生えているのを見つけやすく、葉も若いのでお勧めです。
野原でいくらでも採れるので機会があれば収穫してみてください。根が抜けにくいのでシャベルをお忘れなく。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ノビル |